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授業科目名 固体分析化学
時間割番号 UCL251
担当教員名 犬飼 潤治/山中 淳二
開講学期・曜日・時限 後期・月・III 単位数 2
<対象学生>
工学科2年次以上
<授業の目的>
本科目では、固体材料の解析を、構造と電子状態の両面から行う。構造については、結晶構造学、表面構造学から開始して、回折、電子顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、X線吸収分光法などを利用した解析を学ぶ。電子状態については、原子・分子の電子構造、固体バンド理論から開始して、光電子分光法、X線吸収分光法、量子科学計算について学ぶ。新たな材料設計につなげるため、構造と電子状態の相関関係を理解する。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
工-A専門②専門的知識専門分野の基礎的知識を体系的に理解して説明
工-B⑦理解力・判断力自然現象や社会的事象を理解・分析
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
工学
1固体の構造・電子状態の基礎的知識を獲得し、説明できること工-A
2分析法の原理を、説明できること工-A
3種々の固体デバイスについて、構造および電子状態に基づいた機能の説明ができること工-A
4種々の分析法について、その利用法を説明できること工-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
125%固体の構造・電子状態の基本的事項を説明できることについて、小テストとレポートにより理解度をはかる。
225%分析法の原理の理解について、小テストとレポートにより理解度をはかる。
325%種々の固体デバイスの機能の物理的化学的原理の理解度を、小テストとレポートによりはかる。
425%種々の分析法の利用法について、小テストとレポートにより理解度をはかる。
合計100% 
<授業の方法>
毎回、教員が準備した教材により、シラバスに沿った授業を進める。基礎的な理解とともに、社会における利用を意識した授業を行う。授業中における数回の小テストとともに、宿題としてレポート提出を求める。
原則として対面授業とするが、教育効果と社会情勢を考慮して、オンライン、オンデマンド、ハイフレックス型授業を取り入れる場合もある。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
1年次後期開講の基礎物理学(電磁気学)を履修していることが望ましい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. アトキンス物理化学(上)(下)
<授業計画の概要>
1タイトル固体分析化学イントロダクション 
事前学習
事後学習
事前に、行いたい研究について、考えておく。
自分の行いたい研究と、固体分析化学の関連についてレポート作成。
授業内容固体とは何か、固体を分析するとはどういうことか、構造と電子状態の2つの柱に基づいて解説を行う。
2タイトル電子顕微鏡の基礎
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の電子顕微鏡の項を読んでおく。
授業復習。
授業内容電子顕微鏡の原理、装置構造、固体分析への応用を、図を用いながら行う。実際に利用される固体材料についても、例として解説を行う。
3タイトル走査電子顕微鏡とエネルギー分散型X線分光法(EDX)
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の電子顕微鏡の項を読んでおく。
授業復習。
授業内容走査電子顕微鏡およびEDXの原理、装置構造、固体分析への応用を、図を用いながら行う。
4タイトル回折結晶学の基礎
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の結晶の項を読んでおく。
結晶の種類、対称性などについてのレポートを、宿題とする。
授業内容結晶の分類、対称性、および回折について、群論とベクトルを用いた基礎的な解説を行う。
5タイトルX線回折法
事前学習
事後学習
高校の数学の、ベクトルの項を復習しておくこと。
授業の復習。
授業内容逆格子を用いたX線回折法について、基礎を講義する。固体のX線回折パターンと、それを用いた結晶構造の理解について、説明を行う。
6タイトル電子線マイクロアナライザ
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の電子の粒子性と波動性について、確認をしておく。
授業の復習。
授業内容電子線マイクロアナライザについて、基礎的な原理と応用を講義する。特に、表面への利用に留意した説明を行う。
7タイトル透過電子顕微鏡の基礎
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の電子顕微鏡および電子の粒子性と波動性の項を読んでおく。
授業の復習。
授業内容透過電子顕微鏡は、最も早く発明された電子顕微鏡である。今までの授業をもとに、電子顕微鏡についての基礎を深めて説明する。
8タイトル透過電子顕微鏡の技術展開
事前学習
事後学習
事前に、現在まで講義された顕微鏡技術について見返しておく。
電子顕微鏡についてのレポートを宿題とする。
授業内容透過電子顕微鏡は、時間・空間分解能ともに大きく向上している。透過電子顕微鏡の最新の構造と得られる顕微鏡像とその解釈について説明する。
9タイトル分子の電子状態
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の、水素の電子状態の項を読んでおく。
授業の復習。
授業内容分子の電子状態を、量子化学の立場から説明する。結合状態についても、復習を行う。
10タイトル固体の電子状態
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の、分子の電子状態の項を読んでおく。
授業の復習。
授業内容電子軌道の重なりによるバンドの形成過程を説明する。バンド理論の基礎についても、講義を行う。
11タイトル光電子分光法(X線および紫外光光電子分光法(XPS、UPS))
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の、光電子分光の項を読んでおく。
光電子放出過程に関しての宿題。
授業内容光電子放出過程の説明の後、XPSおよびUPS装置の構造を説明し、実際の応用例を示す。
12タイトルAuger電子分光法 
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の、分子の電子状態の項を読んでおく。
授業の復習。
授業内容Auger電子放出過程の説明を行い、光電子分光法との違いを明らかにする。光電子分光法とAuger電子分光法に関する小テストを行う。
13タイトル紫外可視吸収分光法
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の、分子の電子状態の項を読んでおく。
授業の復習。
授業内容固体内部の電子状態について説明した後、紫外および可視吸収がどのような過程で起こりどのような情報を与えるか、説明を行う。
14タイトルX線吸収微細構造
事前学習
事後学習
事前に、参考書内の、原子の電子状態の項を読んでおく。
授業の復習。
授業内容X線吸収微細構造がどのようにして生じるか、構造及び電子状態の解析手法、実際の応用例について示す。
15タイトル走査型トンネル顕微鏡
事前学習
事後学習
発表スライド作成、練習、質問対策等を行う。
質疑応答で回答できなかった点などをテキスト等により復習し、理解をより深める。
授業内容走査型トンネル顕微鏡の説明を行う。
小テスト。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
いくつかのトピックスについて、受託分析会での勤務経験のある教員が、学術的教科書には記載が少ない現場での注意事項を紹介する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
新規開設科目につき該当しない
<備考>
小テストや宿題を課すタイミングは変更する場合がある。講義順序を変更する場合がある。