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授業科目名 発展化学実験
時間割番号 UAC255
担当教員名 米山 直樹/井上 久美
開講学期・曜日・時限 後期・金・III-IV 単位数 2
<対象学生>
工学科2年次以上
<授業の目的>
これまでに学んだ広範囲な基礎化学(物理化学・分析化学・無機化学・有機化学など)と前期授業の"基礎化学実験"で学んだ実験操作の基本技術をより発展的に活用する。3年次以降の基礎工学・応用工学の授業科目や,高度な応用化学系実験に必要な基礎力を身につける.高価な装置を使用する実験やお互いの協力が必要な実験では,履修者同士の協調性と適切なコミュニケーションのもとで効率的な実験操作を行う.
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
工-A専門②専門的知識専門分野の基礎的知識を体系的に理解して説明
工-B⑤協調力・コミュニケーション力目標達成に向け周囲と対話-協調しながらリーダーや構成員などの立場に応じて行動
工-C⑦理解力・判断力自然現象や社会的事象を理解・分析
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
工学
1化学実験の正しい基本操作に基づいた実験の進め方を習得し,その発展的活用を習得する.工-A
2共同操作が必要な実験課題について,適切なコミュニケーションのもと効率的に取り組む能力を身につける.工-B
3化学的事物や現象について,化学的に探究する態度と能力を身につける.工-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
130%予習課題を通じて正しい基本操作を想定し,発展的活用を修得できているか評価する.
220%実験態度を通じて共同操作や適切なコミュニケーションのもと効率的に実験に取り組めているか評価する.
350%実験レポートを通じて化学的に探求する態度と能力が身についているか評価する.
合計100% 
<授業の方法>
・授業資料はすべてmoodleで配布するので,各自印刷するなどして授業準備をする.
・実習前日までに,実習当日に円滑に実験が進むように十分な予習と準備をする.Moodle 上の予習課題を解く.
・実習当日は各実験班に分かれて毎週1テーマの実験を行う(第2回から第15回の実習内容の順番は実験班によって異なる).
・実習後は実験レポートの作成を通して実験内容について,化学への発展的理解を深める.
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・1年次と2年前期までに開講されている基礎化学系科目("化学安全と衛生","自然科学実験","基礎化学実験"を含む)を履修していることが望ましい.
・実験では常に安全が最優先であり、実験室内では白衣と保護めがねを常に着用すること.
・必ず十分な予習をしてから実験にのぞむこと。予習が不十分な場合は実験への参加を認めない場合がある.
・実験レポートの作成を通して、実習内容をしっかりと復習すること.
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 化学同人編集部編, 実験を安全に行うために [正] 第8版, Array, ISBN:9784759818338,
    (2017年出版)
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンスと安全教育
事前学習
事後学習
事後学習:化学実験安全教育に関する課題に取り組み翌週に提出する.
授業内容本授業の進め方,評価方法などに関する説明を行う.
実験に臨むにあたっての安全教育を行う.
2タイトル金属イオンの反応と検出I
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容金属陽イオンFe3+とMn2+の反応を観察する。Al3+, Cr3+を含む4種類の金属陽イオンの混合物からFe3+とMn2+を分離・検出することで,セミミクロ分析法における基本操作を習得する.
3タイトル金属イオンの反応と検出II
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容実験1に続き金属陽イオンAl3+とCr3+の反応を観察し,これらをFe3+とMn2+を含む4種類の金属陽イオン混合物からAl3+とCr3+を分離・検出することで,セミミクロ分析法における基本操作を習得する.
4タイトル容量分析-標準溶液の調製と酸塩基滴定-
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容塩酸と炭酸ナトリウム水溶液との中和反応を利用し,容量分析の中で最も一般的な酸塩基滴定の実験を行う。容量分析の基本操作である標準溶液の調製,滴定操作,終点の判断,標定などを習得する.
5タイトル容量分析法による溶解度・溶解度積の測定
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容水に難溶性のヨウ素酸カルシウムを合成し飽和水溶液を調製する.溶液中のヨウ素酸イオン濃度を測定し,ヨウ素酸カルシウムの水への溶解度と溶解度積を求める.
6タイトル吸光光度法による銅(II)イオンの定量
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容銅(Ⅱ)イオンにアンモニア水を加えて起こる深青色のテトラアンミン銅(Ⅱ)イオンの生成反応を利用して,吸収スペクトルの測定,検量線の作成,未知濃度試料の定量など吸光光度法の基礎を習得する.
7タイトルアセトアニリドの合成と精製
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容アニリンを無水酢酸によりアセチル化してアセトアニリドを合成する。分離して得られた粗結晶を再結晶により精製する。これらを通して加熱,吸引ろ過,再結晶などの標準的な有機化学の実験操作を習得する.
8タイトル染料用アゾ化合物の合成と染色
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容アゾ基を発色団として分子内に持ち,助色団として水酸基,スルホン酸基を有するアゾ染料オレンジⅡをジアゾ化とカップリングの二段階操作で合成する.合成した染料を用いて布の染色を行い繊維材質の違いによる染色状態を観察する.
9タイトル有機化合物の融点と混融試験
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容固体の有機化合物の確認方法の一つである融点測定法を習得する.さらに未知の物質を同定する簡便な方法として,混合物の融点を測定する混融試験を行う.
10タイトル有機化合物の分子模型
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容ball-and-stick模型を使用して有機化合物の異性体の立体構造を観察する。
11タイトルDNAの電気泳動
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容アガロースゲルを用いてDNAをサイズごとに分離する電気泳動の原理を理解し、操作法を習得する。
12タイトル分子の電子スペクトルと分子構造
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容有機化合物と遷移金属錯体の吸収スペクトルの測定を行なうことで物理化学の基礎である量子化されたエネルギー準位について理解を深める.
13タイトル溶液の凝固点降下
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容シクロヘキサン-ナフタレン2成分系溶液について,液体から固体への状態変化を冷却曲線として観察し,溶液の凝固点を求める.さらに凝固点降下を利用して,ナフタレンの分子量を算出する.
14タイトル反応速度と活性化エネルギー
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容過酸化水素が鉄(Ⅲ)イオンを触媒として分解される速度を発生する酸素の体積測定で求め,反応が一次反応であることを確かめる.3つの異なる温度で速度定数を求めることで活性化エネルギーを求める.
15タイトル初等計算化学
事前学習
事後学習
事前学習:実験計画の予習とMoodleによる予習問題
事後学習:実験レポートの作成
授業内容簡単な構造の有機分子についてGAMESSを利用した構造最適化とDFT計算による可視紫外スペクトルの計算などを行うことで,計算化学の初歩的取り扱いを修得する.
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
新規開設科目につき該当しない
<備考>
他コース生で履修希望者は所属コース教育主任に事前相談すること.