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授業科目名 地誌学
時間割番号 EES212
担当教員名 渡邊 瑛季
開講学期・曜日・時限 後期・火・I 単位数 2
<対象学生>
生活社会教育コース2,3,4年次生
<授業の目的>
地誌学とは,地理学の一分野であり,地域を対象とし,地域固有の特徴を究明することを目標としている学問である。世界には様々な地域があり,他の地域と共通する特徴もあれば,その地域固有の特徴もある。人間のさまざまな活動は,その地域特有の自然環境,位置,歴史・文化,人口,他の地域との距離などから何らかの影響を受けたり,逆に他の人間活動や自然環境に影響を与えたりしながら地表面上で展開されている。このような地誌学の基本的な見方・考え方を養うために,本講義では,各地の事例に基づき,図表資料や景観写真を示しながら具体的に説明する。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心日本や世界、自然に関する広い教養を身につけている。
B教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1自然環境と人間活動の関係に関する地理学的な見方・考え方について理解し,事例を通して説明することができる。A
2地形図,景観写真,模式図などの地理学における資料の見方や利活用方法を理解する。B
3発表資料の作成方法、口頭発表のスキルを理解する。
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
170%定期試験
215%講義中に 実施する 小テスト
315%提出物 レポートなど
合計100% 
<授業の方法>
面接授業(教室での対面授業)で行う。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・毎回,ワークシートを課しますので,講義中に提示するワークへの回答のほか,授業の感想・質問・要望などを記入してください。
・中学・高校時代に使用した地図帳がある者は持参することをおすすめします。
・教育実習などで長期の欠席が予定される学年での受講は望ましくありません。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 牛垣雄矢著, まちの地理学 : まちの見方・考え方, 古今書院, ISBN:9784772281249,
    (2022年出版)

  2. 牛垣雄矢編, 身近な地域の地理学 : 地誌の見方・考え方, 古今書院, ISBN:9784772281256,
    (2024年出版)

  3. 菊地俊夫編, 日本, 朝倉書店, ISBN:9784254168556,
    (2011年出版 世界地誌シリーズ, 1)

  4. 以上のほか,講義中に随時紹介する。
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス,地域に対する地理的な見方・考え方の基礎
事前学習
事後学習
事前学習:シラバスを読んでおく。
事後学習:地誌学とはどのような学問で,どのようなことを目標にしているか説明できるようにする。
授業内容本授業の進め方,受講上の注意点を説明する。その後,地理学と地誌学の関係,地域の捉え方,スケールの概念,地誌学の捉え方について説明する。
2タイトル自然環境と地域①(甲府盆地)
事前学習
事後学習
事前学習:信玄堤,笹子峠の位置を調べておく。
事後学習:山梨県がどのような地形条件にあるのか平易に説明できるようにする。
授業内容山梨県の地形の特徴と水害克服の歴史,地域区分,気候的特徴について説明する。
3タイトル自然環境と地域②(甲府盆地)
事前学習
事後学習
事前学習:養蚕とは何か調べておく。
事後学習:なぜ山梨県では果樹生産が盛んになったのか平易に説明できるようにする。
授業内容明治期以降の県外への交通の変化について説明し,これをふまえて甲府盆地での養蚕から果樹生産への産業の変化の背景を説明する。
4タイトル自然環境と地域③(越後湯沢)
事前学習
事後学習
事前学習:新潟県湯沢町の位置とアクセス方法を調べておく。
事後学習:湯沢町がスキー観光地に変容した背景,現在の観光の課題について説明できるようにする。
授業内容地域を閉ざす邪魔者であった雪を観光資源として活かし,スキー観光地域に変容した背景について説明する。
5タイトル自然環境と地域④(ヤップ島)
事前学習
事後学習
事前学習:ヤップ島の位置を調べておく。
事後学習:地球温暖化に対して様々な見方・考え方があることを説明できるようにする。
授業内容地球温暖化による海面上昇の顕著な影響を受けている島での海面上昇に対する捉え方から,地球温暖化に対する考え方の違いを理解する。
6タイトル生活と地域①(島嶼:沖縄県①)
事前学習
事後学習
事前学習:沖縄県と日本全体の平均県民所得を調べておく。
事後学習:島嶼における産業発展上の不利な条件を説明できるようにする。
授業内容沖縄の自然環境,位置,生活,産業,教育にみられる特徴や課題から,大都市から隔絶された島嶼の地理的不利性を考察する。
7タイトル生活と地域②(島嶼:沖縄県②)
事前学習
事後学習
事前学習:沖縄県における「基地経済」とはどのような意味が調べておく。
事後学習:沖縄県が観光地域になったことと,島嶼の地理的不利性を関係させて説明できるようにする。
授業内容前授業をふまえ,日本返還後に観光に経済の活路を見出さざるを得なかった沖縄の地域的背景を説明する。また,沖縄県にアメリカ軍基地があることによる「基地経済」について説明する。
8タイトル生活と地域③(大都市郊外:多摩市)
事前学習
事後学習
事前学習:ニュータウンとは何か説明できるようにしておく。
事後学習:郊外での住宅地開発がもたらした課題について説明できるようにする。
授業内容ニュータウンとは何か。開発の歴史的背景,大都市との関係,現在抱えている問題について説明する。
9タイトル生活と地域④(大都市郊外/地方都市:フードデザート)
事前学習
事後学習
事前学習:「食の砂漠」という言葉の意味を調べておく。
事後学習:フードデザートの解消のため住民としてできることを考える。
授業内容大都市郊外(東京都稲城市)と地方都市(栃木県宇都宮市)におけるフードデザートの形成とその課題について説明する。
10タイトル産業と地域①(第3次産業:秋葉原)
事前学習
事後学習
事前学習:秋葉原の位置,交通条件を調べておく。
事後学習:授業で説明した都市における商業地域をみるうえでのポイントを振り返る。
授業内容特徴ある商業地域である秋葉原の歴史的発展と変化,そして現在の商業の特徴について説明する。
11タイトル産業と地域②(第2次産業:豊田市)
事前学習
事後学習
事前学習:豊田佐吉という人物の功績を調べておく。
事後学習:なぜ豊田市では自動車産業が発達したのか平易に説明できるようにする。
授業内容愛知県豊田市における自動車産業発展の歴史的,地理的,企業文化的背景について説明する。
12タイトル産業と地域③(第1次産業:富山県入善町)
事前学習
事後学習
事前学習:種籾とは何か調べておく。
事後学習:いわゆる日本で「米どころ」が形成された理由を平易に説明できるようにする。
授業内容コメの生産地の形成にみられる自然環境の克服過程,品種改良の歴史,コメ消費低迷に対する産地の対応について事例をもとに説明する。
13タイトル産業と地域④(第1次産業:アメリカ),試験予告
事前学習
事後学習
事前学習:オガララ帯水層の位置と地下水の貯水量を調べておく。
事後学習:自然回復力の限界をこえる農業のあり方について自分なりに考えをもつ。
授業内容アメリカ中西部における農業生産の特徴,農業労働者とその生活,日本への輸出状況とその変化について説明し,当地の農業の持続性について考察する。また,試験予告をする。
14タイトルまちおこしと地域(宇都宮市)
事前学習
事後学習
事前学習:宇都宮市の名産品を3つ調べておく。
事後学習:他地域の食による地域活性化の事例について調べる。
授業内容栃木県宇都宮市が「餃子のまち」となった背景,理由,課題について説明し,食によるまちおこしのメリット・デメリットについて考察する。
15タイトル国境と地域(北方領土)
事前学習
事後学習
事前学習:北方領土問題について小中高で習ったことを思い出しておく。
事後学習:児童生徒に北方領土問題についてどう説明すべきか自分なりに考えをまとめる。
授業内容北方領土問題とは何か。日本とロシア(ソ連)双方の主張ならびに歴史的経過,現在の北方領土の生活・産業・人々の往来,ロシアが抱えている他地域の領土問題について説明する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
担当者変更
<備考>
(未登録)