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授業科目名 数理統計学
時間割番号 EEM232
担当教員名 西森 康人
開講学期・曜日・時限 後期・月・III 単位数 2
<対象学生>
科学教育コース
<授業の目的>
本講義では、推定や検定とよばれる統計的推測の方法を学ぶことと、その方法を身近なデータに適用することが大きな目的となる。現在、確率論や統計学は、天気や株価の予測だけでなく、ビックデータを解析するための必要不可欠な道具として重要視されるようになった。統計学を用いて、ランダムな現象や結果から巨視的な法則を見出したり、ランダムに起きた複数の結果の間にある、目に見えない関係を数値化することが必要とされている。その方法の基礎となる理論と手法を学ぶ。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
B持続的変態力教師として学び続ける意志と課題探求力を身につけている。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1確率分布の平均や分散を計算でき、それらの意味を理解できる。A
2母平均・母分散・比率の推定ができる。B
3母平均・母分散・比率の検定ができる。B
4データを整理し、統計的推測ができる。
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
110%典型的な確率分布の平均や分散を計算できるかどうか評価する。
230%母平均・母分散・比率の推定ができるかどうか評価する。
330%母平均・母分散・比率の検定ができるかどうか評価する。
430%統計的推測に基づいてデータを考察できるかどうか評価する。
合計100% 
<授業の方法>
授業は対面形式で実施します。状況によってはオンライン形式で実施したり、Moodleを利用した授業資料のアップロードと学生が課題に取り組み回答するオンデマンド授業を併用することがあります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
はじめは難しく感じるところもあるかもしれませんが、コツコツ進めることが大事です。テキストには、丁寧な説明や証明がありますし、例題や演習問題も十分にあります。これらを最大限に活用し、根気強く取り組んでください。また、分からないことがあれば質問してください。「ここまでは分かった」ということを具体的に説明する能力も数学を学ぶ上では大事になります。
<テキスト>
  1. 授業中に指示します。
<参考書>
  1. 前園宜彦著, 概説確率統計 第3版, サイエンス社, ISBN:9784781914336,
    (2018年出版 数学基礎コース, Q5)

  2. 竹田雅好, 上村稔大共著, 理工系のための確率・統計, 培風館, ISBN:9784563010331,
    (2023年出版)

  3. 小寺平治著, 新統計入門, 裳華房, ISBN:9784785310998,
    (1996年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル確率変数とその分布
事前学習
事後学習
確率論で学んだ離散型・連続型確率変数の名前や分布を復習する。
授業で扱った確率分布の平均や分散について確認する。
授業内容確率論で学んだ離散型・連続型確率変数を再確認する。
2タイトル分布関数
事前学習
事後学習
確率論で学んだ正規分布の密度関数、平均、分散、グラフの概形を復習する。
正規分布表の使い方を復習する。
授業内容確率論の授業で学んだ分布関数を再確認する。
正規分布の性質と正規分布表の使い方を学ぶ。
3タイトル独立同分布に従う確率変数族
事前学習
事後学習
独立性と正規分布の再生性を復習する。
正規分布に従う確率変数から、カイ2乗分布やt分布がどのようにして生成されるかを再確認する。
授業内容確率変数族(列)の多次元分布と独立性について学ぶ。
独立に正規分布に従う確率変数族に関連した分布についても学ぶ。
4タイトル確率分布の平均
事前学習
事後学習
級数や定積分の方法を復習する。二項分布、ポアソン分布、指数分布など代表的な確率分布を復習する。
二項分布、ポアソン分布、指数分布など代表的な確率分布の平均を計算する。
授業内容確率論で学んだ確率分布の平均とその性質について復習する。そして、統計学でよく用いられる具体的な確率分布について、これを計算する。
5タイトル確率分布の分散と共分散
事前学習
事後学習
確率論の授業で学んだ分散と分散公式を再確認する。独立同分布に従う確率変数の線形結合の分散についても再確認する。
代表的な確率分布の分散を計算する。
授業内容確率分布の分散とその性質について学ぶ。具体的な分布について、分散を計算する。また、2次元確率分布の共分散について学ぶ。
6タイトル中心極限定理
事前学習
事後学習
二項分布の平均と分散、正規分布の再生性について復習する。
二項分布を正規分布で近似する。
授業内容独立同分布に従う確率変数列の標本平均の標準化が分布の意味で標準正規分布に収束するという、中心極限定理について学ぶ。
7タイトルデータの処理
事前学習
事後学習
教科書を読んで、専門用語をまとめる。
具体的なデータを、度数分布表、箱ひげ図、散布図などで表す。
授業内容データのまとめ方や統計学における基本的な用語について学ぶ。具体的なデータを実際に整理する。
8タイトル点推定
事前学習
事後学習
微分積分学で学んだ極値の求め方を復習する。
一致推定量、不変推定量、最尤推定量の定義を再確認し、説明できるようにする。
授業内容推定量の「一致性」「不偏性」「最尤性」について学ぶ。
9タイトル区間推定
事前学習
事後学習
中心極限定理と正規分布の再生性および標準化について復習する。正規分布表の活用方法を復習する。
本時の復習として課題に取り組む。
授業内容推定値から、ある信頼度の下で、母数の含まれる区間を定める方法を学ぶ。
10タイトル比率の推定
事前学習
事後学習
二項分布を正規分布で近似する方法(第6回)を復習する。正規分布表の活用方法を復習する。
本時の復習として課題に取り組む。
授業内容例題を用いて比率の推定方法を学ぶ。
11タイトル母平均の検定
事前学習
事後学習
専門用語をまとめる。正規分布の再生性と分布表の使い方を復習する。
本時の復習として課題に取り組む。
授業内容検定を行う際に用いる基本的な用語を学ぶ。例題を用いて、検定の方法を学ぶ。
12タイトル比率の検定
事前学習
事後学習
二項分布を正規分布で近似する方法(第6、10回)を復習する。
本時の復習として課題に取り組む。
授業内容例題を用いて比率の検定方法を学ぶ。
13タイトル母分散の検定
事前学習
事後学習
正規分布とカイ2乗分布およびt分布との関係について復習する。t分布表の使い方を復習する。
本時の復習として課題に取り組む。
授業内容例題を用いて母分散の検定の方法を学ぶ。
14タイトル実データを用いた推定と検定
事前学習
事後学習
各自が推定と検定を行うために、興味のあるデータを取得する。「データの倫理」について各自で調べて、まとめる。
推定や検定を行い、その結果をレポートとしてまとめる。
授業内容各自でデータを集め推定や検定を行う。データを集めたり、用いる際の注意についても学ぶ。
15タイトル総括評価とまとめ
事前学習
事後学習
これまでに学んだ専門用語の意味や計算方法、推定や検定の論法について復習する。
最終課題に取り組む。
授業内容小テスト等を用いながら、本授業で学んだ推定と検定の方法を再確認する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
担当者変更
<備考>
(未登録)