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授業科目名 確率論
時間割番号 EEM231
担当教員名 西森 康人
開講学期・曜日・時限 前期・月・III 単位数 2
<対象学生>
科学教育コース
<授業の目的>
確率論はギャンブルに端を発し、近年では、数学のみならず、物理学、生物学、経済学など、有りと有らゆる分野に応用されるまでに発展している。さらに現在、社会から広く必要とされているデータサイエンスや機械学習には、統計学の知識が必須であり、確率論はその基礎となる重要な学問である。
 本講義では、高校数学で学んだ、基礎的な確率の性質を確認し、それを土台として、基本的な離散型確率変数や連続型確率変数について学ぶ。また、大学数学における測度論的確率についてもふれる。そして、微積分学や線形代数学の知識を用いて、確率変数の期待値や分散、さらには確率母関数を計算する。また、確率母関数と確率分布の間にある相対的な性質を考察する。本講義の最大のテーマは、独立変数の和に関する、大数の法則と中心極限定理を証明し、これらの意味を理解することである。その後、中心極限定理の理解に基づき、二項分布に従う確率を正規分布で近似することを学ぶ。受講者は、本講義の一連の内容から、確率論の基本的な計算や、考え方を修得することが目標となる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
B持続的変態力教師として学び続ける意志と課題探求力を身につけている。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1確率とは何か、を説明できる。A
2離散型確率分布の期待値や分散を求めることができる。A
3連続型確率分布の期待値や分散を求めることができる。A
4中心極限定理の主張を説明できる。B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
110%確率の公理を説明できるかどうかを評価する。
240%離散型確率分布の期待値や分散を求めることができるかどうかを評価する。
340%連続型確率分布の期待値や分散を求めることができるかどうかを評価する。
410%中心極限定理の主張を説明できるかどうかを評価する。
合計100% 
<授業の方法>
授業は面接形式で実施します。状況によってはオンライン形式で実施したり、Moodleを利用した授業資料のアップロードと学生が課題に取り組み回答するオンデマンド授業を併用することがあります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
はじめは難しく感じるところもあるかもしれませんが、コツコツ進めることが大事です。テキストには、丁寧な証明がありますし、例題や演習問題も十分にあります。これらを最大限に活用し、根気強く取り組んでください。また、分からないことがあれば質問してください。「ここまでは分かった」ということを具体的に説明する能力も数学を学ぶ上では大事になります。
<テキスト>
  1. 竹田雅好, 上村稔大共著, 理工系のための確率・統計, 培風館, ISBN:9784563010331,
    (2023年出版)
<参考書>
  1. 前園宜彦著, 概説確率統計 第3版, サイエンス社, ISBN:9784781914336,
    (2018年出版 数学基礎コース, Q5)
<授業計画の概要>
1タイトル確率空間と確率変数
事前学習
事後学習
高校数学で学んだ確率とその性質や場合の数について復習する。
高校数学で学んだ確率の性質と確率の公理の関係を確かめる。
授業内容確率とは何か?高校数学における確率を再確認します。その性質をもとに、測度論的確率を定義します。
2タイトル条件付き確率と独立性
事前学習
事後学習
高校数学で学んだ条件付確率と独立性について復習する。
全確率の公式やベイズの定理を、例題や練習問題を使って復習する。
授業内容条件付確率と独立性について学ぶ。また、ベイズの定理についても学ぶ。
3タイトル確率変数と確率分布1
事前学習
事後学習
順列・組み合わせの計算について復習する。
例題や練習問題を用いて、典型的な離散型確率変数について復習する。
授業内容離散型確率変数と連続型確率変数を概観する。典型的な離散型確率変数について学ぶ。
4タイトル確率変数と確率分布2
事前学習
事後学習
定積分と広義積分について復習する。
例題や練習問題を用いて、典型的な連続型確率変数について復習する。
授業内容連続型確率変数と密度関数について学ぶ。典型的な連続型確率変数について学ぶ。
5タイトル確率変数と確率分布3
事前学習
事後学習
積分の変数変換について復習する。正規分布の密度関数やそのグラフを確認しておく。
例題や練習問題を用いて、正規分布表の使い方を復習する。
授業内容引き続き、連続型確率変数と密度関数について学ぶ。特に、正規分布をはじめとする、統計学でよく用いられる分布について学ぶ。
6タイトル離散型確率変数の期待値と分散、n次モーメント
事前学習
事後学習
高校数学で学んだ期待値の計算方法とΣの使い方について復習する。
例や練習問題を用いて、色々な離散型確率変数の期待値や分散、n次モーメントの計算に取り組む。
授業内容確率変数の期待値・分散・モーメント母関数について学ぶ。特に、離散型確率変数の場合について学ぶ。
7タイトル連続型確率変数の期待値と分散、n次モーメント
事前学習
事後学習
一様分布、指数分布、正規分布の復習をする。
確率密度関数と分布のパラメータの関係を確認する。
授業内容確率変数の期待値・分散・モーメント母関数について学ぶ。特に、連続型確率変数の場合について学ぶ。
8タイトル確率ベクトルと結合分布
事前学習
事後学習
二項分布、ポアソン分布など、これまでに学んだ確率分布を復習する。
結合分布、周辺分布、条件付確率分布関数の意味を再確認する。
授業内容複数個の確率変数からなる確率ベクトルとその確率分布について学ぶ。
9タイトル共分散と相関係数
事前学習
事後学習
離散型確率変数の期待値と分散の計算について復習する。
具体的な2次元データを用意して、共分散や相関係数を計算する。
授業内容2次元確率ベクトルの共分散と相関係数について学ぶ。さらに、n次元確率ベクトルの平均ベクトルと共分散行列について学ぶ。
10タイトル確率変数列の独立性
事前学習
事後学習
独立な確率変数列の和に対する期待値や分散について調べる。
独立な確率変数列の線形結合に対する期待値や分散の性質をまとめる。
授業内容n個の確率変数の独立性について学ぶ。また、独立な確率変数列の性質について学ぶ。
11タイトル独立確率変数の和と極限定理
事前学習
事後学習
チェビシェフの不等式やマルコフの不等式について、具体的な確率変数の場合について考える。
例題を用いて、大数の法則の応用について考える。
授業内容独立で同分布に従う確率変数列の和に関する大数の弱法則を証明し、定理の主張について学ぶ。
12タイトル特性関数
事前学習
事後学習
これまでに学んだ具体的な確率分布の密度関数と、その期待値、分散について復習する。
例題や練習問題を用いて、具体的な確率変数の特性関数を計算する。
授業内容確率変数の特性関数とその性質について学ぶ。
13タイトル中心極限定理
事前学習
事後学習
第10・11回の内容について復習する。正規分布の密度関数や期待値・分散について復習する。
中心極限定理の歴史について調べる。
授業内容中心極限定理を証明し、その主張について学ぶ。
14タイトルその他の極限定理
事前学習
事後学習
ベルヌーイ分布、二項分布、ポアソン分布について復習する。
これらの極限定理に従って、確率を近似的に計算する。
授業内容ポアソンの少数の法則と局所極限定理について学ぶ。
15タイトル総括評価とまとめ
事前学習
事後学習
これまでに学んだ専門用語の定義や計算方法について復習する。
最終課題に取り組む。
授業内容小テスト等を用いながら、到達目標を達成できたかどうか確認する。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
担当者変更
<備考>
(未登録)