山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
総合診療(必修)ACC実習
担当教員
川端 健一/加賀重亜喜
時間割番号
単位数
履修年次
期別
DMH629 3 5,6 通期
<授業の概要>
山梨大学のキャッチフレーズは「地域の中核、世界の人材」、医学部の教育理念・目的は「深い人間愛と広い視野を持ち、医の倫理を身に付け、科学的根拠に基づいた医学的知識・技術を備え、地域医療及び国際医療に貢献できる医療人及び研究者を養成する」である。すなわち、臨床実習の目的は、医療、保健、福祉など様々な領域において、社会の多様なニーズに対応し、医学の発展に寄与できる医師になるための第1歩をしっかりと踏み出すことにある。ディプロマポリシーに示された「スキル」が具体的な達成目標となる。臨床実習生の資格は、医師法の改正により公的なものとなり、この資格を有する者は、病院に出て指導医のもとで一定の医行為を行うことが法的に許されている。一方、このことは実習生が医療人としての社会的な責務を負うことも意味する。自分が「診療チーム」の一員であること、また患者さんやご家族からは病院の医療スタッフの一人とみなされることについて、十分に認識して実習に臨むことが求められている。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
医学部>医学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門1.深い人間愛、医療プロフェッショナリズム及び医の倫理
B2.医学的知識、基本的な診療能力及び患者個々に応じた適切な対応能力
C3.コミュニケーション及びチーム医療の実践力
D4.生涯にわたり学び、地域医療及び国際医療・社会に継続的に貢献する姿勢
E5.世界水準の医療及び医学研究の理解と実践力
<到達目標>
目標NO説明コンピテンシーとの対応
医学
1適切な説明を行った上で、患者の選択に基づき、主体的な同意を得るための、対話能力と必要な態度を身につけ、患者本位の考え方ができるA
2医療の現場におけるコミュニケーションの重要性を理解し、信頼関係の確立に役立つ行動ができるC
3診療チームの一員として救急医療に参加できるC
4各診療科における主要疾患の症候、病態、診断、治療を習得し実施できる。また予後を説明できるB
5基本的臨床手技:基本的臨床手技の目的、適応、禁忌、合併症と実施法を習得し実施できるB
6医療従事者が遭遇する危険性(事故、感染等)等について、基本的な予防・対処および改善の方法を説明できるB
7地域医療の在り方と現状および課題を理解し、地域医療に貢献するための能力を習得できるD
8生命科学や医療技術の成果を生涯を通じて学び、病因や病態を解明する等の医学研究への志向を涵養できるD
9自分の力で課題を発見し、自己学習によってそれを解決するための行動ができるD
10世界標準の診療を理解し実践できるE
<成績評価方法>
目標No割合評価の観点
110%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
210%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
310%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
410%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
510%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
610%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
710%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
810%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
910%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
1010%臨床実習評価表(自己評価、教員評価、総評、総合得点)
合計100% 
<授業計画>
臨床実習は、Basic Clinical Clerkship (BCC) 25 週、それに続くAdvanced Clinical Clerkship(ACC)および集中臨床演習48 週の計73 週の実習期間で実施される。

【BCCについて】
 BCC では、臓器別の統合臨床医学などで学んできた知識を統合させ、臨床の場で応用できるように整理する必要がある。小グループで1 週間ずつ救急科および地域医療学以外の全ての診療科をローテーションする。各診療科特有の疾患の患者さんに接し、診断や治療について実地に学修する。各領域の臨床推論の基本を身につけるとともに、これまで学んできた基本的診療手技をさらに磨いてレベルアップすることも大切である。手技については複数の診療科で同じ内容を繰り返しトレーニングすることもある。「臨床実習の手引き」に掲載している「基本的臨床手技経験チェックシート」を活用して、ここに掲げる臨床手技はすべてBCC の中で修得する。BCC 終了時には到達度の評価が行われ、ACC に移行するための資格審査がある。また、ACCの割振りは総合医学試験の成績を使って優先順位を決める。

【ACCについて】
ACC は「診療参加型実習」で、基本3 週間ずつの実習で構成される。内科(内科8 科のうちから1 科)、外科(第1 外科、第2 外科のいずれか)、小児科、産婦人科、精神科、救急科、総合診療、以上うち7 回は必修科の実習とする。ただし必修内科では患者さんと接する時間を充分に確保する目的で連続6週の実習期間とする。残りは選択実習となる。一部の実習は学外の医療機関等で実施する。また、同一科を複数回実習すること、(審査により認められれば)海外での実習も可能である。ACCでは、診療スタッフの一員となる「診療参加型実習」を実践する。所属チームの患者さん全てを把握し、できるだけ多くの患者さんに接すること。専門知識、診療技能、コミュニケーション能力などを駆使して、総合的に患者さんを診ることを経験する。ACC 終了時には基本37 症候・病態のすべてを経験できているように、「主要症候・鑑別診断チェックシート」の主要症候のマトリックス表を参照しながら意欲的に取り組むことを心掛ける。また、チーム医療、医療安全、感染制御、地域の医療機関との連携・役割分担などについてもしっかりと学修する。最後に行われる集中臨床演習は総まとめの実習となる。
 
【臨床実習の評価について】 
 臨床実習の評価は各診療科の実習終了時に「臨床実習評価表」に記入する。実習評価は各診療科の専門的知識・技能の評価のみならず、プロフェッショナリズムやコミュニケーション能力など全診療科に共通した態度に関する評価も十分に行う。まず実習生は「臨床実習評価表」に自己評価を記入する。さらに「実習生のコメント」欄に経験した基本的臨床手技や症候を記載する。実習担当教員はこの評価表に教員評価、総評および総合得点を記入してe-ポートフォリオに掲載する。実習生は掲載された評価表を参照してフィードバックを受けることを必須とする。

【遅刻、欠席について】
 集合時間を厳守し、遅刻しないこと。原則として欠席は認めない。病気等で止むを得ず欠席する場合は、必ず学務課教務担当グループおよび指導教員に連絡し、後日、診断書を添えて欠席届を提出すること。病院見学・就職試験等で止む無く実習を欠席する場合は、1 週間前までに診療科へ届け出ること。1 週間前までに届け出ない場合は、認められない。遅刻、欠席日数や実習態度によっては留年、卒業延期になることがある。
<教科書>
(未登録)
<参考書>
(未登録)
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
医師として実務経験のある教員が講義・実習を行っている。
[前年度授業に対する改善要望等への対応]
必修内科は6 週間(2 クール)、選択内科は3 週間(1 クール)を基本単位とする。