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授業科目名 ワークショップデザイン
時間割番号 CRAK21
担当教員名 田中 友悟
開講学期・曜日・時限 1Q・金・III-IV 単位数 2
<対象学生>
全学部、山梨大学生、科目等履修生(社会人)、特別聴講生(大学コンソーシアムやまなし等)
<授業の目的>
ワークショップとは、「普段とは異なる視点をもって、創りながら学ぶ活動」のことを指します。近年では住民参加のまちづくりや、企業の新商品開発、組織のチームビルディングなど、様々な現場でその手法が採用されています。その実践にはすでに100年もの歴史があり、近代的なトップダウンに対するカウンターカルチャーとして発展を遂げてきた歴史があります。
複雑化する社会に向き合うためには、立場や主義主張を超えたコミュニケーションによる課題解決や新しい問題設定の力が必要となります。本科目は社会課題解決のためのコミュニケーション能力の習得を目的として、参加・共創型社会に求められるワークショップデザインの技術・姿勢を実践的に学び、効果的な対話の場をつくる能力を身につけます。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
N-A共通情報を適切に活用する力(情報)図書館やインターネットなどから多様な文献や資料を倫理的、合法的に収集し、収集した文献や資料から適切な情報を選択し、様々な情報を統計学的手法やAI技術なども活用して分析し、的確にまとめて活用できる力を備える
N-B論理的かつ柔軟に思考する力(思考)問題を細分化して多面的・客観的にとらえ、専門分野や文理を問わない幅広い知識に基づき様々な観点から考察し、結果を筋道立てて根拠を示しながら説明できるようにすることで、論理的かつ状況の変化に対して柔軟に対応できる思考力を備える
N-C共創により問題を解決する力(共創)問題設定、多様な解決方法の案出と検討、実現可能な計画の立案、計画に従った問題解決、解決方法や計画の改善などを他者と共働して行う力を備える
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1ワークショップという場の特性と場をデザインするファシリテーターの意義について理解できる。N-A
2場面にあわせて適切なコミュニーションの手順や環境を工夫できる力を身につける。N-B
3他者とのコミュニケーションから新しい気づきや発見を得ようとする姿勢を身につける。N-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
130%最終課題により到達目標の達成度を評価する。
240%演習時の課題(対話への参加、貢献度)により到達目標の達成度を評価する。
330%講義への参加態度(質疑応答、レポート)により到達目標の達成度を評価する。
合計100% 
<授業の方法>
毎回振り返りシートを配布し、履修者の意見や質問に対する意見交換の時間をもうける双方向型の授業形式となります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
アフリカのことわざに「早く行きたければ、ひとりで行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け。」という言葉があります。誰か一人の力による一点突破も重要ですが、これからの社会で求められるのは、人間やチームの多様性を活かした価値創出の能力です。本講義では、講義と演習をとおして実践的にワークショップのつくりかたを学び、年齢や立場を超えて異なる他者と共に学び高めあっていくための姿勢・技法をお伝えしたいと考えています。
日常での会議やミーティングをより良い場にしたい、複数人で行うプロジェクトのマネジメント力を高めたいという方はたくさんのヒントが得られるはずです。また、ワークショップをデザインするためには抽象的な思考が求められます。汎用的なスキルともいえる課題を整理する力や新しい問題設定の視点について関心がある方にもおすすめです。
<テキスト>
  1. 適宜プリントなどを配布します。 
<参考書>
  1. 中野 民夫 著, 『ワークショップ―新しい学びと創造の場』, 岩波新書
  2. 山内 祐平,森 玲奈,安斎 勇樹 著, 『ワークショップデザイン論』, 慶應義塾大学出版会
  3. 土山 希美枝,村田 和代,深尾 昌峰 著, 『対話と議論で〈つなぎ・ひきだす〉ファシリテート能力育成ハンドブック』, 公人の友社
  4. 安斎 勇樹,塩瀬 隆之 著, 『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』, 学芸出版社
  5. 徳田 太郎,鈴木 まり子 著, 『ソーシャル・ファシリテーション「ともに社会をつくる関係」を育む技法』, 北樹出版
<授業計画の概要>
1タイトル第1回(4/18金) オリエンテーション
事前学習
事後学習
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容今後求められるコミュニケーション能力・講義の流れについて
2タイトル第2回(4/25金) ワークショップデザイン概論・第3回(4/25金) 演習「話し合いにデザインは必要なのか」
事前学習
事後学習
日常的な集団での話し合いや議論に注意を向けて考える
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容ワークショップの特徴・歴史・理論的背景
第2回講義を踏まえたワークショップの演習
3タイトル第4回(5/2金) ワークショップをデザインする①・第5回(5/2金) 演習「ファシリテーターによる場づくりを観察する」
事前学習
事後学習
日常的な集団での話し合いや議論に注意を向けて考える
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容ファシリテーターの役割と求められる姿勢
第4回講義を踏まえたワークショップの演習
4タイトル第6回(5/9金) ワークショップをデザインする②・第7回(5/9金) 演習「対話のためのファシリテート実践」
事前学習
事後学習
日常的な集団での話し合いや議論に注意を向けて考える
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容ファシリテーターに求められる技術・手法
第6回講義を踏まえたワークショップの演習
5タイトル第8回(5/16金) ワークショップをデザインする③・第9回(5/16金) 演習「よい問いをつくるためのエクササイズ」
事前学習
事後学習
日常的な集団での話し合いや議論に注意を向けて考える
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容学びのプロセスを支える問いの力・よい問いとはなにか
第8回講義を踏まえたワークショップの演習
6タイトル第10回(5/23金) ワークショップをデザインする④・第11回(5/23金) 演習「創発のためのファシリテーション実践」
事前学習
事後学習
日常的な集団での話し合いや議論に注意を向けて考える
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容ワークショッププログラムを構成する
第10回講義を踏まえたワークショップの演習
7タイトル第12回(5/30金) ワークショップをデザインする⑤・第13回(5/30金) 演習「ワークショッププログラムを作成する」
事前学習
事後学習
日常的な集団での話し合いや議論に注意を向けて考える
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容実際の地域課題の現場からゲストをお招きし、地域からの問題提供と質疑応答を行う
実際の地域課題の現場からゲストをお招きし、ワークショッププログラムの作成を行う
8タイトル第14回(未定) 実地演習「地域課題を考える地域ワークショップの企画運営」・第15回(未定) 講義の振り返り
事前学習
事後学習
実地演習で行うワークショッププログラムを作成する
授業後に講義の振り返りシートを作成し、質疑応答の時間を設けます
授業内容地域現場(山梨県内)でのワークショップを受講生に企画運営いただき、実践的な場づくりを体験する
地域現場(山梨県内)でのワークショップを振り返り、よい場づくりに求められる要素を考える
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
教員の資格・職業・実務経験:
まちづくりのための事業開発を行うクリエイティブスタジオ Hasen inc 代表取締役/山梨の文化資源の発掘・発信を行う地域商社 山梨市ふるさと振興機構 代表理事/
大学院にて「まちづくりのプロセスとデザイン思想の関係」を研究(2015~2017)。主に京都、兵庫、山梨にて、まちの文化継承を目的とした調査、企画開発、事業運用までを一貫して担うまちづくり事業に従事(2015~現在)。その中でも10年以上の実践と探求を行なってきた対話の場づくりの経験から、実践的な技術とそれを支える姿勢をお伝えできればと思います。

方法:
実務経験で得たワークショップデザインやファシリテーションの知見を生かして、段階的にワークショップデザイン力を獲得できる講義と演習をセットで行い、最終的には自身で0から対話や価値創造の場をつくれるような思考方法をお伝えできればと思います。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
授業評価アンケート対象外
<備考>
・本科目は、次の時間帯と場所で実施します。
4/18 13:10~14:40 山梨県立大学飯田キャンパス
4/25~5/30 13:10~16:20 山梨県立大学飯田キャンパス
第14~15回 受講者と調整のうえ決定(山梨市内)
・毎回グループで演習を行うアクティブラーニング型の講義ですので、遅刻や無断欠席は厳禁です。
・最後の演習では、実際に地域の現場で対話の場づくりを行なっていただきます。積極的で前向きな参加をお願いします。
・他大学の学生や社会人等とともに学ぶ「PENTAS YAMANASHI」の科目です。