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授業科目名 考古学からみた人類史
分類人文科学
時間割番号 CKI012 O
担当教員名 佐野 隆
開講学期・曜日・時限 2Q・月・II 単位数 1
<対象学生>
2024入学生まで(教養科目)
<授業の目的>
考古学が明らかにしてきた人類のビッグヒストリー(人類史)を概観し、人類はどのように進化してきたのか、私たち現生人類(ホモ・サピエンス)とはいかなる生物なのか、なぜヒトは争い戦うのか?、農耕と文明はヒトに何をもたらしたのか? といった疑問を考え、これからの社会のあり方を探る基礎的な知識の理解をめざします。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目(~2024年度)向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
A共通教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
B様々な学問分野の考え方当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
C批評力学んだ内容を自らの言葉で的確に論評・伝達できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1人類史を学習し、将来の人間社会を模索するために物事を多角的に捉える広い視野を得るA
2人類史の学習を通じて専門分野にとらわれない知識を学び、物事を多角的に捉える広い視野を得るB
3既存の価値観、常識、通説俗説を批判的に捉え、柔軟な思考力、判断力を養うC
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
133%レポート1回(第8回講義時に提出)(50%)ミニットペーパー2回(第3回・第6回講義後に提出)(50%)
233%レポート1回(第8回講義時に提出)(50%)ミニットペーパー2回(第3回・第6回講義後に提出)(50%)
334%レポート1回(第8回講義時に提出)(50%)ミニットペーパー2回(第3回・第6回講義後に提出)(50%)
合計100% 
<授業の方法>
パワーポイントを用いた「面接授業」を基本とします。新型コロナウイルス等の感染症の状況および本学の授業実施方針によっては「オンライン授業」とする場合があります。ミニットペーパー2回を提出してもらい、講義の理解度を測り、受講態度を評価します。レポート(1回)では提示するテーマについて、自らの専攻分野と関連づけながら論述してもらい、講義の理解度、人間社会に対する洞察の深さを測ります。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
考古学は千年、万年という長期にわたる人のあらゆる営みを研究し、「人類史」の再構成を試みます。考古学を通じて、ヒトという生物の特性、人類と自然・社会環境との関わりと変化、人の文化の普遍性と多様性を学び、気候変動、社会格差と分断、戦争といった現代的な社会課題に向き合うための教養としてほしいと思います。授業では日本列島の先史時代(旧石器時代・縄文時代)をはじめ、世界各地の考古資料、民族資料を用いて人類のビッグヒストリー(人類史)を講義します。
<テキスト>
  1. なし
<参考書>
  1. 鈴木公雄著, 考古学はどんな学問か, 筑摩書房, ISBN:9784480510372,
    (2021年出版 ちくま学芸文庫, [ス25-1])

  2. ジャレド・ダイアモンド著 ; 倉骨彰訳, 銃・病原菌・鉄 上巻, 草思社, ISBN:9784794218780,
    (2012年出版 草思社文庫)

  3. ジャレド・ダイアモンド著 ; 倉骨彰訳, 銃・病原菌・鉄 下巻, 草思社, ISBN:9784794218797,
    (2012年出版 草思社文庫)

  4. ロビン・ダンバー著 ; 鍛原多惠子訳, 人類進化の謎を解き明かす, インターシフト,合同出版 (発売), ISBN:9784772695510
  5. ユヴァル・ノア・ハラリ著 ; 柴田裕之訳, サピエンス全史 : 文明の構造と人類の幸福 上, 河出書房新社, ISBN:9784309226712,
    (2016年出版)

  6. ユヴァル・ノア・ハラリ著 ; 柴田裕之訳, サピエンス全史 : 文明の構造と人類の幸福 下, 河出書房新社, ISBN:9784309226729,
    (2016年出版)

  7. オデッド・ガロー著 ; 森内薫訳, 格差の起源 : なぜ人類は繁栄し、不平等が生まれたのか, NHK出版, ISBN:9784140819111,
    (2022年出版)
<授業計画の概要>
1タイトルホモ・サピエンスの誕生
事前学習
事後学習
講義前にパワーポイントスライドPDFを配布しますので、目を通してください
授業内容人類進化の歴史を概観し、ホモ・サピエンスの特質を解説します
2タイトル氷河期の人類
事前学習
事後学習
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授業内容私たち現生人類は誕生してから数百万年、狩猟採集民として生きてきました。狩猟採集民とはなにか?を解説します
3タイトル後氷期(完新世)の人類
事前学習
事後学習
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授業内容1万3千年前頃、最終氷期が終わり現在のような温暖な気候に変化しました。世界各地で農耕が発生し、農耕社会が誕生します。狩猟採集から農耕へ移行した理由などを解説します
4タイトル古代文明の出現
事前学習
事後学習
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授業内容農耕社会はやがて古代文明社会へと成長していきます。部族社会から首長制社会、原始国家へ、人類社会の複雑化とその影響を解説します
5タイトル暴力と戦争 ヒトはなぜ争うのか?
事前学習
事後学習
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授業内容ホモ・サピエンス(知恵あるヒト)である私たち人類は、暴力と戦争を繰り返してきました。なぜ戦争がなくならないのか?生物としての人類の特質と限界から戦争の謎を考えます。
6タイトル労働と経済
事前学習
事後学習
講義前にパワーポイントスライドPDFを配布しますので、目を通してください
授業内容ヒトはなぜ働き、交換し、経済活動を展開するのでしょうか?貨幣の出現前、市場経済以前の人類はどのような経済活動を展開していたのでしょうか? 経済人類学の視点からヒトの経済活動を考えます。
7タイトル日本の成立と東アジア世界
事前学習
事後学習
講義前にパワーポイントスライドPDFを配布しますので、目を通してください
授業内容「日本」という国家はどのように成立してきたのでしょうか?邪馬台国問題など東アジア世界のなかで古代以前の「日本」が誕生した過程を解説します
8タイトル人新世 人類はなにをめざすのか?
事前学習
事後学習
講義前にパワーポイントスライドPDFを配布しますので、目を通してください
授業内容温暖化と気候変動、経済格差、核兵器の脅威、民族・宗教紛争、戦争・・・健康と幸福を追求してきたはずのヒトの活動が様々な地球規模の課題を生み出しています。人類はどこへ行くのか?なにを欲しているのか。人類史の視点から現代社会を考えます。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
教員(佐野隆)は北杜市教育委員会において31年間、NPO法人茅ヶ岳歴史文化研究所(現職)において4年間、埋蔵文化財の発掘調査等に従事し、史跡指定から史跡整備、活用事業も担当しつつ、八ヶ岳山麓を中心とした縄文時代を研究してきました。この実務経験から日本列島の先史時代だけでなく、世界各地の考古学、民族学の研究成果を紹介し、私たちホモ・サピエンスとはいかなる存在なのか、を考えます。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
新規開設科目のため該当しない
<備考>
講義内容への質問等は講義終了後に受け付けますので、遠慮なく質問してください。