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授業科目名 共生社会を創る~教育の場から~
時間割番号 CKHK06
担当教員名 ピッチフォード 理絵/長坂 香織
開講学期・曜日・時限 1Q・木・VI 単位数 1
<対象学生>
全学部、山梨大学生、科目等履修生(社会人)、特別聴講生(大学コンソーシアムやまなし等)
<授業の目的>
全国の公立小学校~高等学校に在籍する外国人児童生徒の数は2023年調査では129,449人、このうち日本語指導が必要な外国人児童生徒数は57,718人、日本語指導が必要な海外にルーツを持つ日本国籍者も11,405人と、いずれも前回2021年の調査から大幅に増加しています。彼らのような「海外にルーツを持つ子どもたち」の多くは一時的に日本に滞在しているのではなく、今後も日本に住み続け将来日本社会の一翼を担うことになります。彼らのおかれた環境、背景を理解し、国、自治体、地域、学校の取り組みを知り、彼らの成長を支えるために組織として、また個人として何ができるかを考える力を養います。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
N-A共通論理的かつ柔軟に思考する力(思考)問題を細分化して多面的・客観的にとらえ、専門分野や文理を問わない幅広い知識に基づき様々な観点から考察し、結果を筋道立てて根拠を示しながら説明できるようにすることで、論理的かつ状況の変化に対して柔軟に対応できる思考力を備える
N-B多様な人々と調和する力(調和)人や社会の多様性に対する知識と理解を基に自己や社会のあり方について相対的視点を持ち、自らの言葉(日本語、英語)で的確に論評・伝達することで、多様な人々と共働する基礎力を備える
N-C共創により問題を解決する力(共創)問題設定、多様な解決方法の案出と検討、実現可能な計画の立案、計画に従った問題解決、解決方法や計画の改善などを他者と共働して行う力を備える
N-Dより良く生きるための力(福利)心身の健康を維持増進して国際社会の一員として暮らすために必要な知識技能を備え、自己と社会の理解に基づき人生設計する力を備える
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1外国人児童生徒の置かれた状況、問題点を理解し、説明することができる。N-A
2第二言語としての日本語習得、日本語で学ぶ学校教科の理解を進めるためにどんな支援が必要か分析し考察することができる。N-C
3外国人児童生徒の教育という切り口から地域の多文化共生への興味、関心を持つことができる。N-B
4外国人児童生徒の教育という切り口から地域の多文化共生への興味、関心を持つことができる。N-D
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
130%リアクションペーパー(15%)と課題レポート(15%)により評価する。
230%リアクションペーパー(15%)と課題レポート(15%)により評価する。
320%リアクションペーパー、課題レポートの総合評価により評価する。
420%リアクションペーパー、課題レポートの総合評価により評価する。
合計100% 
<授業の方法>
基本的にパワーポイント、映像等を用い講義形式で行いますが、外国につながる児童生徒の現状と課題、その解決に向けてできることに関してディスカッション活動を通して理解を深めていきます。(アクティブ・ラーニング)
<受講に際して・学生へのメッセージ>
まずはこの「外国人児童生徒」の現状を知り、課題のありかを探り、自分たちにできることを見つけて欲しいと思います。積極的な授業参加を期待します。
<テキスト>
  1. 特にありません。授業中にプリント等を配布します。
<参考書>
  1. 田中宝紀, 『海外ルーツの子ども支援 言葉・文化・制度を超えて共生へ』, 青弓社,
    (2021年)

  2. 毎日新聞取材班編, 『にほんでいきる―外国からきた子どもたち』, 明石書店,
    (2020年)

  3. 荒巻重人、他編, 『外国人の子ども白書──権利・貧困・教育・文化・国籍と共生の視点から』, 明石書店,
    (2017年)

  4. ナディ, 『ふるさとって呼んでもいいですか―6歳で「移民」になった私の物語』, 大月書店,
    (2019年)

  5. その他の参考書については授業内で指示します。
<授業計画の概要>
1タイトル(4/17木) オリエンテーション
事前学習
事後学習
授業の振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容オリエンテーションとして日本で暮らす海外ルーツの子どもたちについての基礎知識を学びます。
2タイトル(4/24木) 海外ルーツの子どもの抱える課題1「言葉」
事前学習
事後学習
前回の授業の基礎知識のうち言語に関する部分を確認します。
振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容第二言語習得、日本語と母語、バイリンガリズム、ダブルリミテッド、シングルリミテッドなど海外ルーツの子どもの「言葉」の問題を学びます。 
3タイトル(5/1木) 海外ルーツの子どもの抱える課題2「学校」
事前学習
事後学習
初回の授業の基礎知識のうち学校生活に関する部分を確認します。
振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容教科学習のための日本語、生活言語と学習言語、9歳の壁、日本の学校文化への適応など学校生活における問題を学びます。
4タイトル(5/8木) 海外ルーツの子どもの抱える課題3「環境」
事前学習
事後学習
初回の授業の基礎知識のうち環境に関する部分を確認します。
振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容家庭環境、家族関係、出身国、自国の教育背景、在留資格、アイデンティティなど子どもの周辺環境について学びます。
5タイトル(5/15木) 高校進学の壁とその先のキャリア
事前学習
事後学習
前回の授業の教育、在留資格に関する部分を確認します。
振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容高校進学の壁とその先のキャリアについて問題点を学びます。次回授業で当事者に聞きたい質問を考えます。
6タイトル(5/22木) ここまでの課題の振り返りディスカッション
事前学習
事後学習
ここまでの授業の内容を確認します。
振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容ここまでの学びから課題を確認します。前回でた当事者へ聞きたい質問への回答動画を見ながら課題のありかを探ります。ここまでの課題レポートを提出します。
7タイトル(5/29木) 自治体、学校、地域、NPO等支援団体の取り組み
事前学習
事後学習
初回の授業の支援に関する内容を確認します。
振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容全国の自治体、学校などの公的な支援とNPO等民間の支援について学びます。そして山梨県の支援体制について確認し地域の課題を考えます。
8タイトル(6/5木) 海外ルーツの子どもたちのために私たちができること
事前学習
事後学習
ここまでの内容を確認します。
振り返りのリアクションペーパーを記入します。
授業内容ここまでの海外ルーツの子どもに関する課題を再度確認し、個人/団体で何ができるか、そして地域の多文化共生についてディスカッションを行います。課題レポートを提出します。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
NPO法人青少年自立援助センターYSCグローバル・スクール  統括コーディネーター/日本語教師(2010年より現職)
現在までに約60の国と地域からの2000人を超える海外につながる子ども・若者の教育と就労の支援を通して培った知識と経験をもとに、支援の輪を広げるべく日本語ボランティア養成講座や中学校・高校等の教員研修、日本語指導員研修講師などにより積極的に後進の育成を行っています。現場からのリアルな「海外につながる子どもたちの今」に触れ、新たな視点を手に入れてください。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
授業評価アンケート対象外
<備考>
・本科目は、18:15~19:45の時間帯に山梨県立大学飯田キャンパスで実施します(他大学の学生・社会人はオンライン可)。
・他大学の学生や社会人等とともに学ぶ「PENTAS YAMANASHI」の科目です。