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授業科目名 共生社会を創る~保健医療福祉の場から~
時間割番号 CKEK03
担当教員名 沢田 貴志/長坂 香織
開講学期・曜日・時限 2Q・木・VI 単位数 1
<対象学生>
全学部、山梨大学生、科目等履修生(社会人)、特別聴講生(大学コンソーシアムやまなし等)
<授業の目的>
少子高齢化を背景に全国津々浦々の様々な産業が外国生まれの働き手なしでは成り立たないようになっている。しかし、単なる労働力ではなく人間である以上病気もすれば予期せぬ事故や出産など様々な生活上の課題に直面する。そうしたときに外国生まれだからという理由で支援がとどかずに放置されるような社会では国際的な信用は得られない。保健・医療・福祉の各分野においても外国生まれ住民への適切な支援の提供がますます重要となっている。日本での現状と課題を理解し、解決にむけた具体的な対応を考え、現場での実践ができるようになる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
N-A共通論理的かつ柔軟に思考する力(思考)問題を細分化して多面的・客観的にとらえ、専門分野や文理を問わない幅広い知識に基づき様々な観点から考察し、結果を筋道立てて根拠を示しながら説明できるようにすることで、論理的かつ状況の変化に対して柔軟に対応できる思考力を備える
N-B多様な人々と調和する力(調和)人や社会の多様性に対する知識と理解を基に自己や社会のあり方について相対的視点を持ち、自らの言葉(日本語、英語)で的確に論評・伝達することで、多様な人々と共働する基礎力を備える
N-C共創により問題を解決する力(共創)問題設定、多様な解決方法の案出と検討、実現可能な計画の立案、計画に従った問題解決、解決方法や計画の改善などを他者と共働して行う力を備える
N-Dより良く生きるための力(福利)心身の健康を維持増進して国際社会の一員として暮らすために必要な知識技能を備え、自己と社会の理解に基づき人生設計する力を備える
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1保健・医療・福祉の分野で外国人の支援を行う上で必要となる社会資源とそのアプローチの方法について理解し、説明することができる。N-A
2外国人の特性を理解し日本生まれ住民と同等に技術の提供や支援ができる。N-C
3医療・保健・福祉分野の多職種連携で取り組むことができる。N-C
4多様な外国生まれ住民の社会的文化的背景を尊重して支援に関われるようになる。N-B
5多様な外国生まれ住民の社会的文化的背景を尊重して支援に関われるようになる。N-D
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%毎回の振り返りレポート(20%)と授業への参加(20%)により評価する
230%授業への参加(15%)とグループでの課題解決への参加状況(15%)により評価する
315%振返りレポート、グループでの課題解決への参加状況により評価する
48%授業への参加と、グループでの課題解決への参加状況により評価する
57%授業への参加と、グループでの課題解決への参加状況により評価する
合計100% 
<授業の方法>
・各回は、講義とディスカッションまたは質疑で構成される。8回のうち、2回は演習で、与えられた課題についてグループで話し合い、発表する(アクティブラーニング)。
・毎回、振返りを書くことで、授業内容の定着をはかる。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
スマートフォンとSNSで世界中がつながっている現代社会。さまざまな国の出身者が日本で暮らしています。将来きっと出会う外国生まれの相談者を円滑に支援できるように一緒に学びましょう。
<テキスト>
  1. なし
<参考書>
  1. 沢田貴志, 在留外国人の医療を取り巻く課題と今後の展望,
    (公衆衛生.83:96-101;2019)

  2. 週刊医学界新聞2019年3月18日号「在留外国人を地域で診る」http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03314_02
  3. 東洋経済オンライン「外国人労働者の医療問題を未然に防ぐ方法」https://toyokeizai.net/articles/-/254695
  4. 沢田貴志, 在住外国人医療福祉の課題と展望,
    (社会福祉研究135.2019)

  5. 沢田貴志, 在留外国人の健康支援がなぜ重要か?職場や地域で外国人を取り残さない社会を,
    (保健師ジャーナル75:2019)

  6. 移住者と連帯する全国ネットワーク.外国人の医療・福祉・社会保障 相談ハンドブック, 明石書店,
    (2019)
<授業計画の概要>
1タイトル(6/12木) オリエンテーションと授業へのイントロダクション
事前学習
事後学習
授業の振返りの提出
授業内容講義に関するオリエンテーションを実施し、その後、社会制度が整わないために医療や福祉にアクセスできないような実例を提示しつつ社会制度の重要性を考察する。
2タイトル(6/19木) 外国人医療の課題と必要な資源
事前学習
事後学習
前の授業時に提示された資料の学修
授業の振返りの提出
授業内容日本での外国人医療の課題を過去の経緯を踏まえて示し必要な資源について概観する。
3タイトル(6/26木) 社会資源を知る(1)
事前学習
事後学習
前の授業時に提示された資料の学修
授業の振返りの提出
授業内容ゲストスピーカーの講義をとおして、医療通訳の特徴、医療通訳の現状と課題について、またその必要性について理解する。
4タイトル(7/3木) 社会資源を知る(2)
事前学習
事後学習
前の授業時に提示された資料の学修
授業の振返りの提出
授業内容NPOの外国人相談窓口の担当者のゲストスピーカーによる講義をとおし、社会資源を活用した外国籍住民の支援について理解する。
5タイトル(7/10木) 社会資源を知る(3)
事前学習
事後学習
前の授業時に提示された資料の学修
授業の振返りの提出
授業内容ゲストスピーカーの講義をとおして、外国人住民に関わるソーシャルワークについて理解する。
6タイトル(7/17木) 社会資源を知る(4)
事前学習
事後学習
前の授業時に提示された資料の学修
授業の振返りの提出
授業内容ゲストスピーカーの講義をとおし、保健医療と外国人相談窓口の連携と意義について理解する。
7タイトル(7/26土) 外国籍住民の医療福祉の実践(1)
事前学習
事後学習
前の授業時に提示された資料の学修
授業内容日本で暮らす外国生まれ住民が病気などによって医療や福祉の支援が必要になった具体例を提示して解決までのプロセスを話し合う(1)
8タイトル(7/26土) 外国籍住民の医療福祉の実践(2)
事前学習
事後学習
振返りの提出/課題レポート
授業内容日本で暮らす外国生まれ住民が病気などによって医療や福祉の支援が必要になった具体例を提示して解決までのプロセスを話し合い発表する(2)
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
多数の外国人の診療に携わった経験をもとに以下の講義をこれまで担当してきた
・東京大学大学院非常勤講師 国際地域保健学の講義の一環で外国人医療について90分の参加型講義を担当。
・東京慈恵会医科大学大学院看護学専攻博士前期課程医療者教育論で外国人の保健医療についての講義を担当
・群馬大学医学部の医療倫理学の講義の中で在日外国人の医療アクセスについてのワークショップを担当
・日本社会事業大学社会福祉学部のゼミにて在日外国人の医療における社会制度活用の講義を1コマ担当
・港町診療所や外国人コミュニティでの出張健康相談会での外国人診療で医学生・看護学生に実習の機会を提供
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
授業評価アンケート対象外
<備考>
・本科目は、次の時間帯と場所で実施します。
6/12~7/17 18:15~19:45 オンライン
7/26 14:50~18:00 山梨県立大学池田キャンパス(県外者向けオンライン配信可)
・授業外の学修については、期間中に授業に関係するWeb上の情報やオンラインセミナーなどを必要に応じて紹介する。
・知らないことは恥ずかしいことではありません。グループワークでは積極的な発言を期待しています。
・他大学の学生や社会人等とともに学ぶ「PENTAS YAMANASHI」の科目です。