山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 自然科学実験
時間割番号 UPC152
担当教員名 長尾 雅則/上野 慎太郎/米崎 功記/山中 淳二/髙嶋 敏宏/三宅 純平
開講学期・曜日・時限 後期・火・III-IV 単位数 2
<対象学生>
上限人数:82名
<授業の目的>
本科目は、大学2年次以降で行う高度な化学実験や卒業論文研究等で必要となる、実験系の最低限の知識や技術を習得するための入門的な実験科目と位置付けられる。高等学校、大学1年次前期で学んだ自然科学に関する知識を踏まえ(物理学、量子化学、無機化学、有機化学、分析化学、物理化学、電気化学等)、基本的な物理実験および化学実験等を通して、実験に関する基礎知識・基本技術の習得を目標とする。

・『自然科学実験』では、物理実験や化学実験を通して、安全かつ適切な手法による実験実施方法や、コンピュータを活用した情報処理や実験レポートの作成等について指導を行い、履修者が実験に必要な基礎知識や基本技術を習得できるよう設計している。
・テーマは大学入学前に学習した内容や同時期に開講される大学の専門科目と密接に関連した内容とすることで、「科学系科目」に対する理解をより深化できるようになっており、2年次以降の「科学」に関連した専門科目の理解を助ける概念や知識の素地形成も目的としている。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部>工学科1年次向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
工-A専門①教養・基礎知識工学の広い教養と自然科学の基礎知識を活用
工-B②専門的知識専門分野の基礎的知識を体系的に理解して説明
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
工学
1自らの持つ科学に関連した知識と適切な文献調査を踏まえ、実験結果を第三者へと正確かつ明瞭にアウトプットできること。工-B
2物質の有する物理的/化学的性質および物理的/化学的な現象に対し、その基本原理や関連知識に基づき、正しく観察、測定、分析、データ処理を行うことができること。工-A
3自らが実施した実験の結果に基づき、客観的で論理的な考察を与え結論を導くことができること。工-A
4指示に基づいた実験計画の立案と、適切な手順で効率的に実験を進める手法を身に付け、正しく、安全に配慮した実験基本操作を行うことができること。工-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
125%小テストや実験レポートによる評価を行う。
225%小テストや実験レポートによる評価を行う。
325%実験の準備・遂行への学習姿勢に加え、小テストや実験レポートも併用して評価を行う。
425%実験の準備・遂行への学習姿勢に加え、小テストや実験レポートも併用して評価を行う。
合計100% 
<授業の方法>
・本科目は実験に関する基礎知識や実験基本操作について聴講する「講義形式」の授業と、実験指導書に基づき履修者自ら実験を行う「実験実習形式」の授業、課題について取り組んだ内容を発表する「発表形式」の授業からなる。
・実験実習の講義は、「講義形式」の授業と「実験実習形式」の授業の組み合わせで実施する。
・実験実習の講義においては、レポートの提出を求める。
・下記<授業計画の概要>における項目1、8、15はそれぞれ第1回、第8回、第15回の講義日程において受講者全員共通で実施する。一方、項目2~7については班分けを行い、第2回~第7回の講義日程において事前に通知する班のスケジュールに従って受講すること。また項目9~14についても同様に班分けを行い、第9回~第14回の講義日程において事前に通知する班のスケジュールに従って受講すること。
・本科目は2時限連続で開講する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
1) 本講義では筆記用具類、関数電卓、白衣、保護メガネ、実験指導書を受講者自身で用意し、持参すること。
2) 講義日までに実験指導書の予習を行い、実験内容を把握すること。
3) 実験に際して、実験監督者の指示をよく聞き、効率的かつ安全な実験の遂行に努めること。
4) ヒヤリハット(危ないことが起こったが、幸い事故には至らなかった事象)や怪我、事故が発生した場合は速やかに実験監督者に報告し、指示を仰ぐこと。
5) 講義に関する連絡はCNSを通じて行うので、毎日確認すること。
<テキスト>
  1. 山梨大学工学部工学科化学系クラス, 自然科学実験2024 実験指導書
<参考書>
  1. G.L. Squires [著] ; 重川秀実 [ほか] 訳, いかにして実験をおこなうか : 誤差の扱いから論文作成まで, 丸善, ISBN:4621076612,
    (2006年出版)

  2. 西山豊, 柳日馨編著, 化学系のための安全工学 : 実験におけるリスク回避のために, 化学同人, ISBN:9784759819489,
    (2017年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル自然科学実験ガイダンス
事前学習
事後学習
事前にCNSに掲示された指示に従って、実験に必要な用具の準備を行う。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容自然科学実験の講義の進め方や実験を行う上での安全教育を行う。
2タイトル発光現象と分光法
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容身の回りに存在する様々な光源の発光スペクトルの観察を通して、発光機構の違いや分光法について学ぶ。
3タイトルレーザー光の回折・干渉
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容レーザー光を用いた簡単な実験を通して、回折・干渉という特に重要な光学現象について理解を深める。
4タイトル音速の測定
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容波動の一つである音について、共鳴管により音速を測定することで、波動の伝播の背景にある物理現象と諸因子について学ぶ。
5タイトル化合物と分子模型
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容様々な有機化合物について実際に分子模型を組み立て、その立体構造や反応機構について理解を深める。
6タイトルクロマトグラフィー
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容色素等の分離実験を通して、化学分析において重要な混合物の分離・精製法(クロマトグラフィー)について学ぶ。
7タイトルガラス細工
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容酸化物ガラスの作製を通して実験器具にも多用されるガラスの特徴や成り立ちを学ぶ。
8タイトル実験データと情報処理
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容PCを活用して、得られた実験データを正しく解析する、データから正しくグラフを作成するための方法を学習する。
9タイトル緩衝溶液
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容生体内でも利用されている、外部から少量の酸や塩基を添加してもpHが一定に保たれる緩衝作用について、性質を確認するとともに原理について学ぶ。
10タイトルフェライトの合成
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容鉱物としても知られ、代表的な磁性材料であるフェライトを2つの方法で合成して結晶を分析することで、無機合成の反応機構について理解を深める。
11タイトルエステルの合成と同定
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容数種類のアルコールとカルボン酸を反応させることでエステルを合成し、合成された有機分子の分離精製方法や分析方法について学ぶ。
12タイトルニッケルメッキ
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容電気化学的な方法で金属板へのニッケルメッキを行う実験を通して、無機化学工業において重要なメッキの原理や技術について学ぶ。
13タイトル酸化還元反応
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容酸化還元反応に基づく過マンガン酸カリウム水溶液を用いたシュウ酸水溶液の定量実験を通して、滴定による定量分析法の原理と基本操作を学ぶ。
14タイトル有機物の共晶
事前学習
事後学習
講義日までに実験指導書の該当箇所の予習を行い、実験内容を把握する。
課題沿った学習・実験レポートの作成を行い、指定日までに提出を行う。
授業内容二成分以上を含む有機物の液体(融液)から結晶が析出する様子を観察し、得られた結晶の組織や成分について学ぶ。
15タイトルPBL課題発表会
事前学習
事後学習
事前に提示された課題についてグループワークを行い、発表の準備を行う。
各グループの課題発表を受け、発表技術についての反省点や改善点を発見する。
授業内容事前に提示された科学に関する課題について、文献の調査や簡単な実験を実施し、その結果と考察についてまとめたグループ発表を行う。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
担当教員の他研究所、企業の研究部門での実務経験を活かし、基礎的なもので実務性の高い内容を実験に取り入れるとともに、実験に関する安全管理方法や秘匿性の高い実験データの管理方法などについてのノウハウを、実験に関する基礎知識の講義にも反映させる。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
新規開設科目につき該当しない
<備考>
病気や怪我などが理由で実験の遂行に際して配慮を必要とする受講希望者は、事前に講義担当者に連絡・相談すること。