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授業科目名 数値計算及び実習
時間割番号 TME302
担当教員名 角田 博之
開講学期・曜日・時限 前期・木・IV-1-V-1 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
 数値計算の目的は,「現象を理解するために考案したモデルを計算機を利用して数値的に解き,現象の解明や製造物の設計に役立てる」ことにあります.計算機の発達した現在ではその重要性が益々高まっています.
 本講義では理工学への応用において特に重要な以下の内容を理解し,実問題に適用できることを目的とします.
1)計算機による数値表現と各種数値計算誤差
2)非線形方程式の近似解
3)常微分方程式の初期値問題
4)連立一次方程式の数値解法と行列演算
5)最小2乗法による離散データの関数近似
また,講義と平行して,Excelを利用した数値計算実習やC言語を利用したプログラム作成実習を行い,座学で修得した数値計算手法の理解を深めることを目指します.
 本講義を受講する準備として,数学および情報系の科目に関しての基礎知識を修得しておくことが望ましいです.また,「機械工学卒業論文」では機械工学の基礎・応用知識に加え,数値データ処理やグラフ作図,そしてプログラミングの能力が場合に応じて必要になります.卒業論文を履修する前提として,本科目の単位を取得することが望ましいです.
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>機械工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
ME-A専門機械技術者として社会の要求を満たすための問題を設定しそれらを自力で解決するとともに、持続して自己の能力の向上に努めることができる。
ME-B機械工学の知識・技術に加えて、機械工学に関する最先端の技術を修得し、多様化する社会の要請に応じて、それを利用・応用することができる。
ME-C基礎的・専門的学力や論理的な表現力さらにコミュニケーション能力を修得し、科学的知見と技術を総合して社会的課題を解決する能力を身につける。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
ME
1計算機内部での数値表現と数値計算誤差を知った上で計算が行えること.ME-A
2ニュートン法による非線形方程式の求解ができること.ME-A
3常微分方程式の数値解をルンゲ・クッタ法によって求められること.ME-A
4ガウス消去法あるいはLU分解法により連立一次方程式の数値解が求められること.ME-A
5最小2乗法によって離散データを線形関数で近似できること.ME-A
6ExcelやC言語を利用して簡単な数値計算ができること.ME-C
7上記1-6に挙げた数値計算手法を確実に使いこなし,応用問題に適用できること.ME-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
17%小テストとレポートで評価
27%小テストとレポートで評価
37%小テストとレポートで評価
47%小テストとレポートで評価
57%小テストとレポートで評価
615%提出されたプログラム課題で評価
750%中間試験と期末試験で評価
合計100% 
<授業の方法>
1) 本講義では実習を伴います.時間割表ではV-1限(16:30~17:15)に開講となっていますが,第V限(16:30~18:00)を使い全7回の開講とします.実習を行う曜日は第1回講義時に連絡します.
2) 講義・実習資料をMoodleで事前配布します.講義・実習に先立ち,資料ならびに教科書の指定ページ(資料中に記載)を熟読しておいてください.
3) 講義資料では重要な誘導式や例題などの答えを隠しています.ランダムに学生を指名し,隠した部分の内容を尋ねます.質問回答の正解・不正解は評価点に加算されます.
4) 各週講義内容の理解度を確認するために,Moodleで小テストを実施します.講義日の23:59までの時間帯で小テストを受けて回答を送信してください.小テストの結果は評価対象となります.
5) 目標No.1~5に関してのレポート課題ならびに目標No.6に関してのプログラム作成課題を課します.これらは評価対象となります.期限までに提出されない場合の評価点はゼロとなりますので,ご注意ください.
<受講に際して・学生へのメッセージ>
1) 講義に関する各種情報の提供はCNSで行いますので,必ず,定期的に確認してください.CNSを確認していないことによる不利益は考慮しません.体調不良やネット不具合などの事情がある場合は申し出てください.
2) 講義資料や小テスト・レポートの公開はMoodleで行います.レポートはMoodleを利用して期限までに提出してください.
3) 月曜日第V限をオフィスアワーとしますが,質問などがある場合には,講義終了時を推奨します.
<テキスト>
  1. 川崎晴久著, C&FORTRANによる数値解析の基礎, 共立出版, ISBN:4320026438,
    (1993年出版)
<参考書>
  1. 戸川隼人著, ザ・数値計算リテラシ, サイエンス社, ISBN:4781908454,
    (1997年出版 NSライブラリ, 6)

  2. 伊理正夫, 藤野和建著, 数値計算の常識, 共立出版, ISBN:4320013433,
    (1985年出版)

  3. 趙華安著, Excelによる数値計算法, 共立出版, ISBN:4320016505,
    (2000年出版)
<授業計画の概要>
1タイトル第1章 数値表現と各種数値計算誤差(1)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容整数表現と浮動小数点表現
2タイトル第1章 数値表現と各種数値計算誤差(2),実習(第1回)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容数値計算誤差の種類と対策
EXCELを利用した数値計算実習1
3タイトル第2章 非線形方程式の近似解法(1)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容反復解法と解の収束
4タイトル第2章 非線形方程式の近似解法(2),実習(第2回)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容二分法及びニュートン法
EXCELを利用した数値計算実習2
5タイトル第3章 常微分方程式の初期値問題(1),実習(第3回)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容常微分方程式と初期値問題
C言語を利用した数値計算実習1
6タイトル第3章 常微分方程式の初期値問題(2)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容オイラー法,修正オイラー法
7タイトル第3章 常微分方程式の初期値問題(3),実習(第4回)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容ルンゲ・クッタ法と多段法
C言語を利用した数値計算実習2
8タイトル中間試験と中間総括評価
事前学習
事後学習
事前学習:第7回までの講義資料の復習と教科書・参考書の演習問題に取り組んで理解度を確認.
事後学習:中間試験で不正解であった問題の再確認.
授業内容中間試験を実施し,中間試験終了後に解答を解説する.総括評価は採点終了後に行う.
9タイトル第4章 連立一次方程式と行列演算(1)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容基本行列変形とガウス消去法
10タイトル第4章 連立一次方程式と行列演算(2),実習(第5回)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容LU分解法
C言語を利用した数値計算実習3
11タイトル第4章 連立一次方程式と行列演算(3),実習(第6回)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容反復法,行列式と逆行列演算への適用
C言語を利用した数値計算実習4
12タイトル第5章 最小2乗法
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容離散データの関数近似,多項式最小2乗近似
13タイトル第6章 補間法(1),実習(第7回)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容線形補間,ラグランジュ補間
C言語を利用した数値計算実習5
14タイトル第6章 補間法(2)
事前学習
事後学習
事前学習:配布資料と関係する教科書ページを熟読し,隠した部分の回答を考えること.
事後学習:Moodle小テストで理解度の確認を行うこと.
授業内容スプライン補間
15タイトル期末試験と期末総括評価
事前学習
事後学習
事前学習:第14回までの講義資料の復習と教科書・参考書の演習問題に取り組んで理解度を確認.
事後学習:期末試験で不正解であった問題の再確認.
授業内容期末試験を実施し,期末試験終了後に解答を解説する.総括評価は採点終了後に行う.
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
 「特になし」,「このままでよい」という意見が大半の中で,「小テストの提出期限を延ばしてほしい」,「終了時間を翌日昼頃まで伸ばす」という要望が複数ありました.小テストの分量は3~4問程度と少なく,講義の復習は基本的に講義を行った日の中で行うのが良いという考えで,期限を講義日の23:59に設定しています.翌日の昼頃までに延長したとしても,講義と重なるため,結局,翌日の夜中まで延長してほしいという要望がでるのは目に見えています.小テスト開始時間が18:00で,期限が23:59ですので,6時間という回答時間は,講義内容を復習した上で,3~4問程度の問題を解くのに十分な時間と考えます.なお,講義資料は講義前々日に公開し,またオンデマンドの講義ビデオも同時に公開していますので,予習をしっかりと行えば,復習に要する時間も短くなることを申し添えておきます.
 その外の少数意見として,「プログラミングを扱う講義が初めてに等しかったのでポインタ等の概念の理解に時間がかかった。そこでそれらの概念を解説する資料やウェブページを紹介してほしい」,「4限の実習がない日は小テスト開始時間を少し早め、4限開始時から回答できるようにする」,などの要望がありました.前者については,講義の中で参考図書を挙げたはずですが,配布資料にも参考図書やWebページを書き入れることにします.後者については,実習が無い時は小テスト開始時間を16:30に早めることにします.
 「プログラム課題の答えをmoodleに貼る」という要望もありましたが,プログラムには答えはありません.十人十色のプログラムがありますので,プログラム課題に対して提出された多種多様なプログラムを,誤りを含めて,実習の中で紹介しています.それらの中で自分に合った答えを見つけてください.
<備考>
(未登録)