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授業科目名 システム制御工学演習
時間割番号 TJM307
担当教員名 北村 敏也
開講学期・曜日・時限 前期・水・IV 単位数 1
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
自動制御理論はロボットなどの自動機械を,ある目的にそって動作させるための理論である。その自動制御の中で基礎となるのがフィードバック制御である。ここでは,システム制御工学の講義の進行に合わせてコンピュータによるシミュレーションなどの演習を行い,フィードバックシステムについての理解を深めることを目的とする。コンピュータを用いたシミュレーションには主としてMATLABを用いる。MATLABは高度な数値計算,視覚化,そしてプログラミングが扱える科学技術計算のためのツールである。MATLABを利用することで容易に制御システムの特性評価やシミュレーションが行えるので,さまざまな観点から制御システムの挙動を知り,制御システムについて理解する。
本授業は「システム制御工学」と一連である。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>メカトロニクス工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
JM-A専門1.技術者・研究者にとって必要な数学と物理の基礎知識数学の基礎的事項(微分積分、線形代数、確率統計、フーリエ変換など)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
JM-B物理の基礎的事項(力学、電磁気学、波動、熱力学)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
JM-C2.三分野での活躍を目指す技術者・研究者にとって必要な基礎知識と技術一次及び二次遅れ系の伝達関数とボード線図を求めることができ、それらに基づきPID制御などの基本制御系の設計ができる。
JM-D3.三分野のうち、一つ以上のより専門的な技術と知識。少なくとも一分野の技術と知識を十分に身につけ、さらに一つ以上の分野の技術と知識も身につける。1.機械分野機械要素や機構の動作を理解した上で、設計に適した機能を有する機械要素および機構を選択でき、それらを組み合わせた機器の設計をすることができる。
JM-E2.電気分野線形素子、基本的な電子デバイスからなる回路の動作原理・特性を説明し、それらの素子を使った回路を設計できる。
JM-F4.三分野の知識を利用した分野をまたがった活用三分野を横断した考え方をもとにした議論の上で、結果を導き出すことができる。
JM-Gアーキテクチャ、ハードウェア、プログラミング、電気信号、電子回路、センサ、アクチュエータ、機構、材料、等の関連性を考慮した上、総合的な設計をして製作ができる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
JM
1システムをブロック線図で描き、入出力の関係を数式化できる。JM-A
2微分要素,積分要素,一次及び二次遅れ系の伝達関数について説明できる。JM-B
3伝達関数からボード線図を描き、システムの特性を理解できる。JM-C
4システムの安定性、定常偏差について評価・分析できる。JM-D
5フィードバックシステムの安定性判別から、適切なゲイン等の設定ができるJM-E
6システムの零点、極配置から、システムの安定性を解析でき、システムに必要な零点、極の配置が行える。JM-F
7システムの可観測性、可制御性を判断し、制御可能なシステムを構築できる。JM-G
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
115%課題提出による
215%課題提出による
315%課題提出による
415%課題提出による
510%課題提出による
615%課題提出による
715%課題提出による
合計100% 
<授業の方法>
情報処理演習室にて、MATLABおよびMATHEMATICAを用いて授業を行う。
オンラインの場合は、MATLAB, MATHEMATICAに替えてScilab, Maximaを用いる。
毎回の上記ソフトウェアを利用しての演習形式である。
毎回演習課題を課し、その提出物により評価する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
システム制御工学と連動している。
微分方程式(特にラプラス変換)、解析学、線形代数(行列、ベクトル)について理解していること。
またモデルを作成するうえで、力学、電磁気学等についての理解をしていること。
<テキスト>
  1. 日本機械学会編, 制御工学, 丸善, ISBN:978-4-88898-106-4
<参考書>
  1. 樋口龍雄, 自動制御理論, 森北出版株式会社, ISBN:978-4-627-72640-6
  2. 浜田望・松本直樹・高橋徹, 現代制御理論入門, コロナ社, ISBN:978-4-339-03161-4
<授業計画の概要>
1タイトルMATLAB, MATHEMATICA入門
事前学習
事後学習
事前学習:情報処理実習室の利用法、ルールについて確認しておくこと。
授業内容MATLAB, MATHEMATICAの基本的使用法について講義、演習する。
2タイトルsimulinkにシミュレーション
事前学習
事後学習
事前学習:ブロック線図について理解しておくこと。
授業内容MATLABの機能simulinkを用いて、ブロック線図からのシミュレーションについて演習する。
3タイトルシステム要素の応答
事前学習
事後学習
事前学習:システムの時間応答について理解しておくこと。
授業内容MATLAB,Simulinkを用いて、システムの基本要素のインディシャル応答、インパルス応答について演習する。
4タイトルシステムのs領域表現と伝達関数
事前学習
事後学習
事前学習:ラプラス変換について理解しておくこと。
授業内容MATHEMATICAを用いて、時間領域のブロック線図からs領域への変換と、伝達関数の算出について演習する。
5タイトルシステムの伝達関数と周波数応答
事前学習
事後学習
事前学習:伝達関数からゲインと位相を得る方法について理解しておくこと。
授業内容MATLABを用いて、伝達関数から周波数応答をシミュレーションし、伝達関数による応答への影響をシミュレーションにて確認する。
6タイトルボード線図とベクトル軌跡
事前学習
事後学習
事前学習:ベクトル軌跡による安定判別法について理解しておくこと。
授業内容MATLABを用いて、伝達関数からボード線図及びベクトル軌跡を求め、その特徴について確認する。
7タイトルラウス・フルビッツの安定判別法
事前学習
事後学習
事前学習:ラウス・フルビッツの安定判別法について理解しておくこと。
授業内容MATLABを用いてラウスの安定判別法を行い、システムと安定性について演習を行う。またMATHEMAICAを用いてフルビッツの安定判別法の演習を行う。
8タイトルナイキスト線図と安定判別法
事前学習
事後学習
事前学習:ナイキスト線図、ゲイン余裕、位相余裕について理解しておくこと。
授業内容MATLABによりシステムのナイキスト線図を描き、安定性判別を行うとともに、ゲイン余裕、位相余裕を得る。
9タイトル定常偏差
事前学習
事後学習
事前学習:定常返済、インディシャル応答、インパルス応答について理解しておくこと。
授業内容MATLABによりシステムの時間応答から定常偏差を求め、評価する。
10タイトル根軌跡
事前学習
事後学習
事前学習:根軌跡の意味について理解しておくこと。
授業内容MATLABによりシステムの根軌跡を描き、システム安定性解析の演習を行う。
11タイトルPID制御と限界感度法
事前学習
事後学習
事前学習:PID制御と限界感度法について理解しておくこと。
授業内容MATLABにより限界感度法による係数を得て、simulinkによりその結果をシミュレーションし、係数の決定について演習する。
12タイトル状態空間モデル
事前学習
事後学習
事前学習:状態空間表現の求め方を事前に理解しておくこと。
授業内容システムのブロック線図から状態空間モデルを得る。その結果をSimulinkおよびMATLABにてシミュレーションし比較する。
13タイトル状態方程式と伝達関数
事前学習
事後学習
事前学習:状態空間表現から伝達関数の導出過程を事前に理解しておくこと。
授業内容状態方程式から伝達関数の算出をMATHEMATICAを用いて演習する。
14タイトル可制御、可観測
事前学習
事後学習
事前学習:可制御、可観測の意味、判定方法について事前に確認しておくこと。
授業内容状態方程式から、MATLABを用いて可観測性、可制御性を評価する。
15タイトル総合的演習
事前学習
事後学習
事前学習:これまでの学習内容全体について復習しておくこと。
授業内容これまでの授業を通して得たスキルから、与えられたシステムについてシミュレーションおよび安定性判別を行う。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
授業開始が遅れる点についてご指摘をいただきました。システム制御工学の授業と本演習が続けての授業のため、授業の黒板の消去等を行ってから急いで授業に向かっていますが、どうしても遅れてしまいます。授業時間が足りない状況ですので、申し訳ありませんがご承知おきください。
演習課題が間に合わない或いはさらに学習を勧めたい方は、授業時間外にも情報処理教室等を利用して演習ができますので、そちらの利用もお願いいたします。
<備考>
(未登録)