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授業科目名 流れの科学
時間割番号 TJM303
担当教員名 石井 孝明
開講学期・曜日・時限 後期・水・IV 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
 流体とは水や空気のように流れる物体であり、流体の流れを考えるときは、流体そのものの移動だけでなく、流れに乗って移動するエネルギーや、流体と固体との間に相互におよぼしあう力も考える必要がある。熱の移動は流体の移動と異なり、流れる実体はないが、やはり流れとして扱える。人類は、火力、水力、風力の利用を自然から学び、近代産業を発展させてきた。そして、エネルギー問題が深刻となった今日、熱の流れと流体の流れについて工学的理解を深めておくことは重要である。本講義では、ともに流れるという共通した性質をもつ熱と流体に関する基礎を学ぶ。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>メカトロニクス工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
JM-A専門1.技術者・研究者にとって必要な数学と物理の基礎知識数学の基礎的事項(微分積分、線形代数、確率統計、フーリエ変換など)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
JM-B物理の基礎的事項(力学、電磁気学、波動、熱力学)の理論と活用方法を説明でき、それらを使った計算ができる。
JM-C5.研究・開発工程を把握・設計できる基礎技術と、研究・開発遂行に必要なコミュニケーション能力の習得異なる技術分野をコアとする技術者とともに、目的の共有と課題の把握ができ、その解決方法について議論できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
JM
1「流れるものとは」「エネルギーとその変化」について物理的内容が説明ができるJM-B
2「流れるものとは」「エネルギーとその変化」について数学的内容が計算ができるJM-A
3「静水の力学」について物理的内容が説明ができるJM-B
4「静水の力学」について数学的内容が計算ができるJM-A
5「流れる流体の力学」について物理的内容が説明ができるJM-B
6「流れる流体の力学」について数学的内容が計算ができるJM-A
7「航空機と大気」について物理的内容が説明ができるJM-B
8「航空機と大気」について数学的内容が計算ができるJM-A
9「粘性のある流れ」について物理的内容が説明ができるJM-B
10「粘性のある流れ」について数学的内容が計算ができるJM-A
11「伝熱」について物理的内容が説明ができるJM-B
12「伝熱」について数学的内容が計算ができるJM-A
13流体力学および伝熱工学の知識を用いた議論ができるJM-C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
18%「流れるものとは」「エネルギーとその変化」について物理的内容が説明ができることを、レポートまたはテストで評価する
27%「流れるものとは」「エネルギーとその変化」について数学的内容が計算ができることを、レポートまたはテストで評価する
38%「静水の力学」について物理的内容が説明ができることを、レポートまたはテストで評価する
47%「静水の力学」について数学的内容が計算ができることを、レポートまたはテストで評価する
58%「流れる流体の力学」について物理的内容が説明ができることを、レポートまたはテストで評価する
67%「流れる流体の力学」について数学的内容が計算ができることを、レポートまたはテストで評価する
78%「航空機と大気」について物理的内容が説明ができることを、レポートまたはテストで評価する
87%「航空機と大気」について数学的内容が計算ができることを、レポートまたはテストで評価する
98%「粘性のある流れ」について物理的内容が説明ができることを、レポートまたはテストで評価する
107%「粘性のある流れ」について数学的内容が計算ができることを、レポートまたはテストで評価する
118%「伝熱」について物理的内容が説明ができることを、レポートまたはテストで評価する
127%「伝熱」について数学的内容が計算ができることを、レポートまたはテストで評価する
1310%流体力学および伝熱工学の知識をを用いた議論ができることを、全てのレポートまたはテストや授業態度で評価する
合計100% 
<授業の方法>
 新しい項目について教科書に沿って講義した後、問題を解くことによって理解を深め、応用力を養います。時々レポート課題を出したりテストを課したり、それまでに行った講義内容が身についているか確かめます。講義を聞くだけでなく、復習(問題を解くなど)をして理解に努めるようにしてください。講義内容が分からないとき、十分考えた上で問題が解けないときは、遠慮なく質問して下さい。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 微分積分学および線形代数学で学んだことをしっかり身につけていることが必要条件ですが、その中に高等学校で学ぶ数学も含んでいることは言うまでもありません。もし、忘れてしまった人がいましたら復習しておいてください。
<テキスト>
  1. 一色尚次, わかりやすい熱と流れ, 森北出版, ISBN:978-4627600317
<参考書>
  1. 安藤常世, 流体の力学, 培風館, ISBN:4-563-03411-8
  2. 斎藤彬夫、岡田昌志、一宮浩市, 例題演習、伝熱工学, 産業図書, ISBN:4-7828-4059-4
<授業計画の概要>
1タイトル流れるものとは
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・流れるもの
・いろいろな流体
・レオロジー
・流れるものの基本的性質
・一次元流での流量の連続
2タイトルエネルギーとその変化
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・エネルギーとは
・エネルギーの種類と変換
・エネルギーの換算
3タイトル章末テスト、静水の力学1
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・章末テスト(30分)および解説
・静水の力学の基礎方程式
4タイトル静水の力学2
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・静水圧
・浮力とアルキメデスの原理
5タイトル静水の力学3
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・船のメタセンター
・等圧面
6タイトル章末テスト、流れる流体の力学1
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・章末テスト(30分)および解説
・流体の運動方程式
7タイトル流れる流体の力学2
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・速度場による運動方程式
・定常流とベルヌイの式
8タイトル流れる流体の力学3
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・ノズルとディフューザーによる圧力の変化
・随伴質量の考え方
9タイトル章末テスト、航空機と大気1
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・章末テスト(30分)および解説
・翼と揚力
・揚力の発生
10タイトル航空機と大気2
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・翼の性能と失速
・誘導抵抗
・地球の大気の流れ
11タイトル章末テスト、粘性のある流れ1
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・章末テスト(30分)および解説
・粘性の存在
・ポアズイユの流れ
12タイトル粘性のある流れ2
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・乱流と層流
・管内乱流の圧力低下
・物体の抵抗係数
13タイトル粘性のある流れ3
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・境界層
・非ニュートン流体や粘弾性流体
14タイトル章末テスト、伝熱1
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・章末テスト(30分)および解説
・伝熱と物質伝達
15タイトル伝熱2、章末テスト
事前学習
事後学習
事前学習:研究等を読んでおくことが望ましい
事後学習:演習問題
授業内容・熱伝導
・対流熱伝達

・章末テストまたは章末レポート
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
企業での経験を基に流体力学、伝熱工学の一部を解説をする場合がある。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
「授業改善の方法」のほとんどが「特になし」ですので、同様に実施します。
<備考>
オフィスアワー:火曜5限
2/3以上出席しないと単位が出せません。基本的には全部出席して下さい。
[研究]を予習の課題、演習問題を復習の課題とする。