山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 情報通信I
時間割番号 TEE305
担当教員名 塙 雅典
開講学期・曜日・時限 前期・水・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
ディジタル通信理論の基礎の理解を目的とする。まず信号スペクトルを解析する手段として、フーリエ級数とフーリエ変換を学ぶ。その後、各種ディジタル信号形式(オンオフ, ポーラ他)、それら信号スペクトルの解析方法を学ぶ。MATLAB/Octaveを用いた信号スペクトルの可視化方法も学ぶ。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>電気電子工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
EE-A専門1.数学・物理電気電子工学を学ぶために必要な三角関数、指数対数関数、複素数、フェーザー、フーリエ変換、ラプラス変換の基礎的事項を説明し、計算ができる。
EE-B6.信号とシステム通信信号のスペクトル解析ができ、ディジタル通信システムの全体像とその要素技術について概要を説明できる(通信)
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
EE
1(ア)ディジタル通信システムの基本構成を説明できる.EE-B
2(イ)信号のエネルギーを求めることができる.EE-B
3(ウ)信号の電力を求めることができる.EE-B
4(エ)エネルギー信号と電力信号について説明できる.EE-B
5(オ)三角フーリエ級数を用いて周期信号のフーリエスペクトルを求めることができる.EE-A
6(カ)指数フーリエ級数を用いて周期信号のフーリエスペクトルを求めることができる.EE-A
7(キ)フーリエスペクトルを図示して,その特徴を説明できる.EE-A
8(ク)フーリエ変換を用いて非周期信号のフーリエスペクトルを求めることができる.EE-A
9(ケ)フーリエ級数とフーリエ変換の関係およびその使い分けを説明できる.EE-A
10(コ)フーリエ変換の様々な性質を用いて信号のスペクトルを求めることができる.EE-B
11(サ)線形システムについて説明できる.EE-B
12(シ)信号の無歪伝送条件について説明できる.EE-B
13(ス)エネルギー信号のエネルギースペクトル密度を求めることができる.EE-B
14(セ)自己相関法により電力信号の電力スペクトル密度を求めることができる.EE-B
15(ソ)信号波形とスペクトルに基づいて,通信用信号の特徴を説明できる.EE-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
15%ディジタル通信システムの基本構成が説明できることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
25%信号のエネルギーを求められることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
35%信号の電力を求められることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
45%エネルギー信号と電力信号について説明できることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
55%三角フーリエ級数を用いて周期信号のフーリエスペクトルを求められることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
65%指数フーリエ級数を用いて周期信号のフーリエスペクトルを求められることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
710%フーリエスペクトルを図示して特徴を説明できることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
810%フーリエ変換を用いて非周期信号のフーリエスペクトルを求められることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
95%フーリエ級数とフーリエ変換が使い分けられることを中間テストや授業の振り返りにより評価する
1010%フーリエ変換の様々な性質を用いて信号のスペクトルを求められることを中間・期末テストや授業の振り返りにより評価する
1110%線形システムについて説明できることを期末テストや授業の振り返りにより評価する
1210%信号の無歪伝送条件について説明できることを期末テストや授業の振り返りにより評価する
135%エネルギー信号のエネルギースペクトル密度を求められることを期末テストや授業の振り返りにより評価する
145%自己相関法により電力信号の電力スペクトル密度を求められることを期末テストや授業の振り返りにより評価する
155%信号波形とスペクトルに基づいて,通信用信号の特徴を説明できることを期末テストや授業の振り返りにより評価する
合計100% 
<授業の方法>

  • 新型コロナウイルスの感染拡大状況で実施方法は変更する。感染拡大時はTeamsなどによるライブオンライン授業を実施し、感染が抑制されている時は対面授業とする。状況に応じて両者のハイブリッド実施も検討する。経口薬が普及するなどの大きな進展が見られた場合は完全な対面授業を前提とした反転授業を実施する
  • 講義用スライド資料・小テスト・課題・ワークショップ(学生同士の相互評価を含む課題)の提示を学習管理システムMoodle上で行う
  • 講義の進捗状況に応じて適宜レポートを課すことがある
  • 同時開講される「情報通信I演習」必ず同時に受講すること
<受講に際して・学生へのメッセージ>
高校数学(三角関数および簡単な微積分)、電気回路、電子回路、電磁気学およびそれらに関連した数学およびMATLABプログラミングの知識・技術が必要となる
<テキスト>
  1. B. P. Lathi, Zhi Ding, Modern Digital and Analog Communications Systems, 4th edition, Oxford University Press Inc, USA, 2009, ISBN:0195331451
<参考書>
  1. ラシィ B.P. (外山 昇 訳), 詳説 ディジタル・アナログ通信システム 基礎編, 丸善, 2005, ISBN:4621076345
<授業計画の概要>
1タイトル通信システム入門
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。
授業内容科目概要(達成目標・評価方法他)、電気通信の歴史、ディジタル通信システムの構成、S/N比・変調・多重化・不確定性・冗長化・符号化・パリティなど通信の基本的な概念を学ぶ。
2タイトル信号入門(エネルギー,電力,信号の分類)
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容信号の定義、信号の大きさを表す尺度、様々な信号の分類、信号に対する様々な操作(時間シフト、時間反転など)の数学的表現などを学ぶ。
3タイトル信号とベクトル
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容信号とベクトルの類似性(Signals are vectors)、信号の直交性、ベクトルと信号の類似度の評価、信号の内積と相関係数、自己相関関数と相互相関関数について学ぶ。
4タイトル三角フーリエ級数
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容直交基底信号の線形結合によって任意の信号を近似する一般化フーリエ級数について学んだうえで、直交基底信号としてcosとsinを用いる三角フーリエ級数について学ぶ。三角フーリエ級数は周期信号を表していることを学び、様々な周期信号に対して△フーリエ級数を求め、フーリエスペクトルを強度スペクトル・位相スペクトルに分けて図示する方法を学ぶ。ここで周期信号に対するフーリエスペクトルは離散スペクトルとなることを理解しておくことが重要である。
5タイトル指数フーリエ級数
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容直交基底信号として複素正弦波を用いる指数フーリエ級数について学ぶ。様々な周期信号に対して指数フーリエ級数を求め、フーリエスペクトルを強度スペクトル・位相スペクトルに分けて図示する方法を学ぶ。
6タイトルフーリエ変換入門
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容フーリエ変換対、指数フーリエ級数とフーリエ変換の本質的な差異を学び、様々な非周期信号に対してフーリエスペクトルを求め、フーリエスペクトルを強度スペクトル・位相スペクトルに分けて図示する方法を学ぶ。
7タイトルフーリエ変換の性質(1)
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容通信信号の解析でよく使われるゲート関数とシンク関数、三角形関数、単位インパルス関数、シグナム関数などの定義とそのフーリエ変換、フーリエスペクトルを求める。その後、フーリエ変換の性質のうち、線形性、双対性、時間シフト特性を紹介し、これらを用いて通信用信号のフーリエスペクトルを求める方法を学ぶ。
8タイトル前半のまとめと中間評価
事前学習
事後学習
授業前に第1回~第7回の内容について講義資料とワークシートの演習問題を復習する。中間評価の結果を受けて、理解が不足していた内容について講義資料とワークシートの演習問題を見直すとともに、必要に応じて担当教員に質問する。
授業内容新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況ではオンラインテスト、感染が抑制されている状況では対面での筆記テストを行う。いずれの場合も、テスト解答時間終了後ただちにテスト問題の解説と採点を実施し、その段階で十分に理解できていない点を明らかにする。
9タイトルフーリエ変換の性質(2)
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容フーリエ変換の性質に関して、周波数シフト特性とスケーリング特性を紹介し、これらを用いて通信用信号のフーリエスペクトルを求める方法を学ぶ。
10タイトルフーリエ変換の性質(3)
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容フーリエ変換の性質に関して、畳み込みとフーリエ変換の畳み込み特性、時間微分特性、時間積分特性を紹介し、これらを用いて通信用信号のフーリエスペクトルを求める方法を学ぶ。
11タイトル線形システムと無歪伝送
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容線形システム中の信号伝送、線形システムの入出力条件、信号歪の数式表現、無歪伝送条件、位相応答の重要性、フィルタ
理想フィルタ、物理的に実現可能なフィルタ、通信チャネル上での信号歪、線形歪、非線形歪、マルチパス歪、フェージングチャネルなどについて学ぶ。
12タイトルエネルギースペクトル密度
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容スペクトル密度の概念を学ぶ。特にエネルギー信号について、エネルギースペクトル密度の定義、振幅変調信号のエネルギー、時間自己相関関数とエネルギースペクトル密度、線形システム入出力のエネルギースペクトル密度について学ぶ。
13タイトル電力スペクトル密度
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。ワークシートの回答をPDFファイルにしてMoodleに提出する。
授業内容電力信号の電力スペクトル密度の定義、振幅変調信号のエネルギー、時間自己相関関数とエネルギースペクトル密度、線形システム入出力のエネルギースペクトル密度について学ぶ。
14タイトルMATLAB/Octaveによるフーリエスペクトルの計算と可視化
事前学習
事後学習
講義資料を授業前に閲覧して質問事項をMoodle上に書き込む。また、授業後に授業の振り返り(新たに理解したこと、残った疑問点)をMoodleに書き込む。Moodle上に提示される課題を提出する。
授業内容離散時間フーリエ変換、離散フーリエ変換について学び、通信用信号のフーリエスペクトルをコンピュータ上で求めて可視化する方法を学ぶ。
15タイトル全体のまとめと期末評価
事前学習
事後学習
これまでの全ての内容について講義資料とワークシートの演習問題を復習する。期末評価の結果を受けて、理解が不足していた内容について講義資料とワークシートの演習問題を見直すとともに、必要に応じて担当教員に質問する。
授業内容新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況ではオンラインテスト、感染が抑制されている状況では対面での筆記テストを行う。いずれの場合も、テスト解答時間終了後ただちにテスト問題の解説と採点を実施し、その段階で十分に理解できていない点を明らかにする。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
改善要望として「解答例を掲載」という意見が毎年ありますが、不安であれば授業後などの質問に来てください。何でも与えてもらって当たり前、という姿勢はやめましょう。自ら動くことが大切です。また、「授業中に口頭で出席を取るなら授業最初のmoodleで取る必要が無い」という意見もありましたが、これはmoodleで不正登録をした学生がいたためです。きまりを守れば皆の手間が減ります。協力をお願いします。
<備考>
(未登録)