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授業科目名 ハードウェア基礎及び実験
時間割番号 TCS222
担当教員名 小俣 昌樹/木下 雄一朗/鳥谷 輝樹
開講学期・曜日・時限 前期・火・III-IV 単位数 3
<対象学生>
2020年度以降入学生
<授業の目的>
コンピュータは,CPU,主記憶装置,外部記憶装置などのハードウェアで構成される.これらのハードウェアは,ディジタル回路を基本とする物理部分であり,パーソナルコンピュータをはじめ,通信機器,自動車,家電製品,医療機器などのさまざまな機器に組み込まれている.本授業では,コンピュータのハードウェアの基礎となるディジタル回路の基礎知識として,回路図,電子部品,電気理論を学修し,実験を通してフリップフロップ回路やカウンタ回路などのさまざまな基礎的な回路の構築方法およびその動作を学修する.また,その応用として,マイコンボードやセンサ類を使用し,ハードウェアとソフトウェアとの連携部分を学修する.
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>コンピュータ理工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
CS-A専門3.他者に正しく理解してもらうための論理的な文書での記述力と口頭での発表力をもち、それらを円滑に駆使してコミュニケーションすることができる。
CS-B6.情報科学、及び、数学や自然科学等の知識と手法を用いて、以下のことができる。6c.各種のツールや手法に関する十分な知識をもち、それらをシステムの設計・開発・運用に応用できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
CS
1・ディジタル回路の基礎的な用語および基本的な部品について説明できること.CS-B
2・コンピュータで使われている基本的なディジタル回路の構成および動作を理解して作成し,実験を行えること.CS-A
3・マイコンボードの動作原理を理解して使用できること.CS-B
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
130%試験(中間期)によって該当する項目を正しく説明できたか否かを評価する.
251%実装した回路を確認することで回路を作成できたか否かを評価する.実験レポートおよび小テストで,ディジタル回路の構成および動作を理解できたか否かおよび実験を行えたか否かを評価する.
319%実装した回路によって理解できたか否かを評価する.あわせて,応用制作における制作物および発表会での発表と技術報告書によって理解して使用できたか否かを評価する.
合計100% 
<授業の方法>
<感染症等への対策が必要な場合 ライブ型とオンデマンド型を混用>
○第1回:LMSを中心とする「オンデマンド型」で実施する.
 ・[オンデマンド型]学生は,Learning Management System(LMS)に提示された資料を閲覧したり演習問題に解答したり質問を記述したりする.
 ・[ライブ型]教員は,当該授業時間に質問へ回答する.(必要に応じて,全体へもフィードバックする.)
○第2,3,6,7,8,11,12回
 ・ビデオ会議ソフトウェアを使用したライブ型のオンライン授業により実施する。
 ・講義に用いる資料は、すべて Moodle 上で配布する。
 ・教員・TA は、ビデオ会議ソフトウェア経由で質問を受け付ける。
○第4,5,7,9回:LMSを中心とする「反転授業」とする.
 ・[オンデマンド型]学生は,授業前に,LMSの授業資料を閲覧したり理解度確認のための小テストに解答したり質問を記述したりする.
 ・[ライブ型] 当該授業時間中,学生は,実験に取り組む.質問などがあれば,ビデオ通話で,教員やティーチングアシスタントに質問する.
 ・[オンデマンド型]授業終了後,学生は,LMSの指定のページへ,作成した回路や実験結果を報告するレポートファイルをアップロード提出する.
○第10回:教室での実施が困難な場合,試験(中間期)をLMSを使って実施する.
○第15回:LMSを中心に,ワークショップ形式で「応用制作オンライン発表会」を実施する.
 ・[オンデマンド型]学生は,提出フェーズで,自身の制作物を紹介する動画を投稿する.
 ・[オンデマンド型]その後,学生同士で,お互いの発表内容を閲覧しながらコメントを投稿する.

<感染症等の対策が必要ない場合 面接授業>
・第1回は,それ以降の実験のための基礎知識を講義する座学を行う.
・実験の回においては,はじめに基礎知識および作業内容を説明し,その後の実験においてその内容を確認できるようにする.
・実験中は,担当教員およびティーチングアシスタントが巡回しながら質問などに対応する.
・各実験について,レポートの提出または小テストへの解答を課す.レポートの場合,実験の目的・動作原理・実験方法・実験結果・考察などをまとめた詳細なレポートを作成し提出する.提出されたレポートへは,チェックシートやLMSなどを通じてフィードバックを行う.小テストの場合,実験終了時に回路図・実体配線図・結果などを記述したワークシートを提出する.
・第10回の試験(中間期)は,教室で筆記試験を実施する.
・応用制作では,それまでに学修した内容に基づいて受講者自身が設計・実装を行い,発表会において展示しながら説明し,報告書を提出する.
<受講に際して・学生へのメッセージ>
先行授業の「計算機アーキテクチャI」と「計算機アーキテクチャI演習」を履修していること,および「基礎電気理論」を履修申告しているか履修済みであることが望ましい.
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 湯田春雄, 堀端孝俊共著, しっかり学べる基礎ディジタル回路, 森北出版, ISBN:4627791712,
    (2006年出版)

  2. 白土義男著, たのしくできるやさしいディジタル回路の実験, 東京電機大学出版局, ISBN:4501317000,
    (1994年出版)

  3. 小林茂著, Prototyping lab : 「作りながら考える」ためのArduino実践レシピ, オライリー・ジャパン,オーム社 (発売), ISBN:4873114535,
    (Make: projects)

  4. Casey Reas, Ben Fry著 ; 船田巧訳, Processingをはじめよう, オライリー・ジャパン,オーム社 (発売), ISBN:4873115159,
    (Make: projects)
<授業計画の概要>
1タイトル【基礎技術編】ディジタル回路,回路図,電子部品
事前学習
事後学習
授業前に,Learning Management System(LMS)に掲示されたナレーション付きスライドショーを視聴します.必要であれば,LMSの大福帳へわかったこと・わからなかったことを記述します.
授業後に,LMSに掲示された補足資料や参考資料を閲覧して,学修内容の理解を深めます.
授業内容・授業全体の到達目標,授業の進め方,成績評価の仕方に関するガイダンスを行います.
・ディジタル回路,回路図,電子部品についての講義を行います.
・理解度の確認のために演習や小テストを実施します.
2タイトル【基礎技術編】ゲートIC(1)NAND ゲート
事前学習
事後学習
事前学習:講義資料を読んでおく。
事後学習:実験内容をレポートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容最初に、各種実験機器の使い方について確認した後、ゲートICについて学習します。
実験では、学習内容をもとに、2入力NANDの動作確認を行う回路、CMOS ICの特性を確認する回路を完成させます。
3タイトル【基礎技術編】ゲートIC(2)論理回路の作成
事前学習
事後学習
事前学習:講義資料を読んでおく。
事後学習:発展問題により実験内容への理解を深める。また、実験内容をレポートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容最初に、NANDゲートによる論理回路の設計について学習します。
実験では、学習内容をもとに、2入力NANDを用いたNOT、AND、ORの各回路を実現します。
4タイトル【基礎技術編】オペアンプ(1)オペアンプの基本と増幅回路
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示されたナレーション付きスライドショーを視聴します.
授業後に,LMSに掲示された補足資料や参考資料を閲覧して,学修内容の理解を深めます.
授業内容・最初に,オペアンプの原理および使い方について説明します.
・実験として,実際にオペアンプを使って増幅回路を作成し,動作を確認します.
5タイトル【基礎技術編】オペアンプ(2)演算回路
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示されたナレーション付きスライドショーおよび実験実施資料を視聴します.
授業後に,オペアンプ(1)およびオペアンプ(2)の実験データを整理して分析した結果をレポートとしてLMSに提出します.
授業内容実験として,実際にオペアンプを使って演算回路を作成し,動作を確認します.
6タイトル【基礎技術編】A/Dコンバータ
事前学習
事後学習
事前学習:講義資料を読んでおく。
事後学習:発展問題により実験内容への理解を深める。また、実験内容をレポートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容最初に、A/Dコンバータの仕組み、A/DコンバータのICについて学習します。
実験では、学習内容をもとに、0~5Vの入力電圧を8ビットにA/D変換を行う回路を完成させます。
7タイトル【基礎技術編】デコーダとマルチプレクサ
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示されたナレーション付きスライドショーを視聴します.
授業後に,LMSに掲示された補足資料や参考資料を閲覧して,学修内容の理解を深めます.
授業内容・最初,デコーダとマルチプレクサの原理および利用について説明します.
・実験として,デコーダおよびマルチプレクサを作成し,動作を確認します.
・実験終了時に,ワークシートへ実験結果などを記述し,授業内容の理解度を確認します.
8タイトル【基礎技術編】フリップフロップ
事前学習
事後学習
事前学習:講義資料を読んでおく。
事後学習:発展問題により実験内容への理解を深める。また、実験内容をワークシートにまとめることで学んだ知識を整理する。
授業内容最初に、フリップフロップの仕組み、フリップフロップのICについて学習します。
実験では、学習内容をもとに、2入力NANDを用いたRSフリップフロップを実現させるとともに、JK フリップフロップのICを使用した回路を完成させます。
9タイトル【基礎技術編】シフトレジスタとカウンタ
事前学習
事後学習
授業前に,LMSに掲示されたナレーション付きスライドショーを視聴します.
授業後に,LMSに掲示された補足資料や参考資料を閲覧して,学修内容の理解を深めます.
授業内容・最初,シフトレジスタとカウンタの原理および利用について説明します.
・実験として,シフトレジスタとカウンタを作成し,動作を確認します.
・実験終了時に,ワークシートへ実験結果などを記述し,授業内容の理解度を確認します.
10タイトル【基礎技術編】前半のまとめと中間評価
事前学習
事後学習
授業前までに,前回までの授業内容を振り返って学修内容を確認します.
授業後に,LMSに掲示され第10回以降のための資料を閲覧します.
授業内容・第9回までの授業内容に関する筆記試験を実施します.
・第9回までの授業内容を振り返ります.
・第10回以降の授業内容についてのガイダンスをおこないます.
・第10回以降の実験のための準備をおこないます.
11タイトル【応用編】マイコンボード
事前学習
事後学習
事前学習:事前に配信される教材をもとに、Aruduino について学ぶ。また、Aruduino IDE の環境設定を行う。
事後学習:実験内容をまとめることで学んだ知識を整理する。また、参考書などをとおして、マイコンボードに関する理解を深める。
授業内容最初に、マイコンボードの仕組み、マイコンボードのデジタル・アナログ入出力について学習します。
実験では、学習内容をもとに、デジタル・アナログ入力によりLEDの点灯・消灯や明るさを制御するプログラムを完成させます。
12タイトル【応用編】センサとアクチュエータ
事前学習
事後学習
事前学習:講義資料を読んでおく。
事後学習:実験内容をまとめることで学んだ知識を整理する。また、参考書などをとおして、センサやアクチュエータに関する理解を深める。
授業内容最初に、各種センサやアクチュエータの仕組みについて学習します。
実験では、学習内容をもとに、曲げセンサの入力によりサーボモータを制御するプログラム、赤外線測距センサの入力により圧電スピーカを制御するプログラムを完成させます。
13タイトル【応用編】応用制作(1)設計
事前学習
事後学習
・授業前までに,応用制作で使用できるセンサやアクチュエータを確認しながら,自身が制作する回路などを検討しておきます.
・授業後に,授業中に設計したり試作したりした内容を確認して,修正点や改善点を検討します.
授業内容・応用制作として,自身が検討してきた制作物を設計したり試作したりします.
14タイトル【応用編】応用制作(2)実装
事前学習
事後学習
・授業前までに,制作物の具体的な実装方法を検討しておきます.
・授業後に,実装内容を確認したり整理したりしたうえで,次回の発表会のための発表内容を検討します.
授業内容・応用制作として,自身で設計した内容を実装します.
15タイトル【応用編】応用制作発表会
事前学習
事後学習
・授業前までに,発表用の資料を作成しておきます.
・授業後に,発表会で得た意見などを踏まえて,技術報告書を作成し,LMSへ提出します.
授業内容・発表会として,各学生がお互いに,制作した制作物の内容を説明したり実際に動かしてもらったり質問へ答えたりします.
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
前年度と同様に実施
<備考>
第 11 回以降の応用編では,マイコンボードとして「Arduino」を使用する.授業では 1 人 1 台の Arduino を貸し出すが,Arduino に興味を持ち授業終了後も引き続き使用したい場合には,高価なボードではないので,購入することをお勧めする.
本授業では,Learning Management System(LMS)として,山梨大学 e-Learning システム(Moodle)を使用する.
http://moodle.yamanashi.ac.jp/