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授業科目名 基礎電気理論
時間割番号 TCS202
担当教員名 小澤 賢司
開講学期・曜日・時限 前期・木・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
我々の身の回りには電子機器がありふれているが,工学者としてはその動作原理を理解していることが望ましい.そこで,本講義前半では,電話等のメディアにおける音声処理の基礎となる,1次元信号処理の概念と基本技術を理解する.また,講義後半では,半導体など電子回路の基礎から始め,コンピュータのハードウェアを構成する論理素子や入出力デバイスの構成にどのように利用されているかを理解する.
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
工学部(~2023年度入学生)>コンピュータ理工学科向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
CS-A専門6.情報科学、及び、数学や自然科学等の知識と手法を用いて、以下のことができる。6c.各種のツールや手法に関する十分な知識をもち、それらをシステムの設計・開発・運用に応用できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
CS
11次元信号処理の基本を習得する.具体的には,時間領域と周波数領域における情報表現を理解した上で,フィルタリングを行うことができる.CS-A
2半導体の性質を理解した上で,ダイオード・トランジスタを組み合わせることでメモリや論理回路といった半導体デバイスを構成するを説明できる.CS-A
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
150%1次元信号処理の基本を習得しているか,毎週の小テスト/中間試験により評価する。
250%メモリや論理回路といった半導体デバイスを構成法を理解しているか,毎週の小テスト/期末試験により評価する。
合計100% 
<授業の方法>
【基本事項】電磁気学の基礎(物理学II)を理解していることが望ましい。
【授業の進め方】
- 毎週小テストを実施する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 岩田彰, ディジタルシグナルプロセッシング, コロナ社, ISBN:978-4-339-02713-6
  2. 大熊康弘, 図解でわかる はじめての電気回路, 技術評論社, ISBN:4-7741-0922-3
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンス,A/D変換,波の数式表現
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の集約レポート作成(A4判1ページ)
授業内容・A/D変換(標本化,量子化,符号化)に関する解説
・正弦波形の数式表現(振幅,周波数,位相)に関する解説
2タイトルフーリエ級数展開・スペクトル
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の集約レポート作成(A4判1ページ)
授業内容・実フーリエ級数展開の概念(周期波形の基本波+高調波による分解・合成)について解説
・振幅/位相スペクトルに関する解説とスペクトルを考えることのメリットの確認
3タイトル複素フーリエ級数展開・複素スペクトル表現
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の集約レポート作成(A4判1ページ)
授業内容・複素数を用いたフーリエ級数展開の解説
・スペクトルの複素数表示に関する解説
4タイトル離散フーリエ変換
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の集約レポート作成(A4判1ページ)
授業内容・離散時間信号に対する離散フーリエ変換に関する解説
・アナログ信号とディジタル信号のスペクトルの関係について解説
5タイトルインパルス応答と畳み込み
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の集約レポート作成(A4判1ページ)
授業内容・インパルス応答のもつ意味の確認
・システムの入出力を畳み込み演算により理解
6タイトルFIRフィルタ・IIRフィルタ
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の集約レポート作成(A4判1ページ)
授業内容・ディジタルフィルタの構成(Finite Impulse Response/Infinite Impulse Response型)について解説
・時間領域と周波数領域におけるフィルタリングについて解説
7タイトル音声認識・合成の基礎
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の集約レポート作成(A4判1ページ)
授業内容・人間における音声の生成過程と母音のフォルマントによる認識に関する解説
・音声情報の圧縮と合成手法に関する解説
8タイトル中間評価:まとめ
事前学習
事後学習
・事前学習:第1~7回の復習
・事後学習:中間試験に関する解説を踏まえての振り返り
授業内容・中間試験の実施と略解を見ての自己採点
・担当教員からの出題意図の解説,誤りやすい点についての注意
9タイトル半導体・ダイオード・トランジスタ
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の振り返り
授業内容・真性半導体,不純物半導体に関する解説
・ダイオード,トランジスタによる整流・増幅の基礎に関する解説
10タイトルトランジスタ(続き),IC・LSI
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の振り返り
授業内容・トランジスタによる増幅(エミッタ接地)の解説
・IC・LSIの製造過程に関する解説
11タイトルディジタルICの構造と動作(DTL, TTL)
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の振り返り
授業内容・論理回路に関する復習
・ディジタルICの組合せ(DTL, TTL)によるNOT, NAND, NOR回路の構成に関する解説
12タイトルディジタルICの構造と動作(CMOS構造)・メモリ(SRAM, DRAM, EEPROM)
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の振り返り
授業内容・ディジタルICの組合せ(CMOS)によるNOT, NAND, NOR回路の構成に関する解説
・半導体メモリ(SRAM, DRAM, EEPROM)の構成と動作に関する解説
13タイトルトランスファゲート/液晶・TFT
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の振り返り
授業内容・トランスファゲートの構成と動作に関する解説
・液晶ディスプレイ(TFT)の構成と動作に関する解説
14タイトルセンサ/オペアンプ
事前学習
事後学習
・事前学習:配付プリント閲読
・事後学習:講義内容の振り返り
授業内容・光/音響センサの種類と動作に関する解説
・オペアンプを用いたアナログ演算回路の構成と動作に関する解説 
15タイトル総括評価:まとめ
事前学習
事後学習
・事前学習:第9~14回の復習
・事後学習:期末試験に関する解説を踏まえての振り返り。
授業内容・期末試験の実施と略解を見ての自己採点
・担当教員からの出題意図の解説,誤りやすい点についての注意
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
・講義前半の1次元信号処理に関しては,担当教員は音響信号処理に関する研究に従事しており,日常的に周波数分析やフィルタリング処理のプログラミングを行っている。大学院科目「ディジタル音声処理特論」の教科書でもある単著書籍「ディジタル音響信号処理入門 - Pythonによる自主演習 -」(コロナ社,ISBN:978-4-339-01310-8)の執筆経験もある。
・授業後半の半導体デバイスを用いた回路構成に関しては,被験者が参加する実験における反応インタフェース回路の構成(ディジタルICを用いた回路構成)や,ヘッドホンの周波数特性補正回路の構成(OPアンプを用いたアナログ回路構成)の経験を有する。
・以上の経験を踏まえ,実際の応用を念頭においた講義を行う。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
 授業評価アンケートにおける「授業改善の方法」として,3名の受講生から「授業動画の公開」が求められた。実は,2023年度は授業録画システムの備えられた教室(T1-12)で授業を実施したこともあり,設定が適切にできた8回については録画を行っていた。もし受講生から公開の要望が寄せられたら公開するつもりであったが,その要望がなかったので公開はしなかった。2024年度については,授業録画システムのある教室で授業が実施できる場合には,受講生に動画公開の希望を尋ねてみたい。ただし,「後でビデオを見ればよい」という気持ちで受講すると,その時間での集中力が低下することも懸念されるので,「この授業時間に,しっかり集中して学習する。不明な点は,その場で質問する」ことの大切さも訴えていきたい。
 他に「演習を増やす/課題を出して復習の時間を設ける」という意見が2名からあった。また,「授業時間に対して内容を詰め込みすぎ」「暗記だからで済ませず、暗記できる工夫などを教えて欲しい」「過去問の解答解説も示す」「授業中にクーラーをつける」といった意見が1名ずつからあった。一方で,改善要望については「なし」「特になし」「今のままで十分」という回答が29名からあった。そこで,基本は「2023年度と同様」として,さらに2024年度における受講生からの意見を待つこととする。そして,2025年度のコンピュータ理工学コース科目としての開講時に,必要な改善を行いたいと考える。
<備考>
(未登録)