山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ |
授業科目名 | 実践胚培養士技術特論 | ||||||||||
時間割番号 | GLB515 | ||||||||||
担当教員名 | 沖津 摂/岸上 哲士/古里 咲綺乃 | ||||||||||
開講学期・曜日・時限 | 前期・火・V | 単位数 | 1 | ||||||||
<対象学生> | |||||||||||
原則バイオサイエンスコースに所属し将来胚培養士として不妊治療に従事する予定の学生を対象とする。 | |||||||||||
<授業の目的および概要> | |||||||||||
大学を卒業し、臨床の現場で胚培養士となった際に必要とされる具体的な業務内容を理解し、培養室の一員として自立できることを支援することを目標とする。 | |||||||||||
<到達目標> | |||||||||||
授業を通じて、以下ののことを習得する。 ・マクラーカウントチャンバーで精液検査が出来るようになる。 ・媒精する際の精子懸濁液添加量を計算できるようになる。 ・不動精子症症例に対する、精子生存性判断のための方法を列挙し、各方法のメリット・デメリットについて説明できるようになる。 ・各排卵誘発法のメリット、デメリットについて説明できるようになる。 ・症例ごとに適切な精子処理方法、分注本数を判断することが出来るようになる。 ・精液検査結果や精子調整後の結果、患者背景から適切な媒精方法を提案できるようになる。 ・受精確認の結果から、各卵母細胞、接合子にどのような現象が起こった結果なのか、可能性を説明できるようになる。 ・胚の画像を見て、正しく分割期胚、胚盤胞の形態評価ができるようになる。 ・高濃度ヒアルロン酸液、PRP、2-step ET, SEET法の効果メカニズムについて説明できるようになる。 ・上記各方法のメリットとデメリットについて説明できるようになる。 ・胚(卵母細胞)の凍結・融解原理について説明できるようになる。 ・PGTの目的と有効性、効果の限界について説明できるようになる。 ・代表的な遺伝疾患の身体的特徴と染色体特性について説明できるようになる。 ・有効な胚・患者取り違え防止方法を提案できるようになる。 ・災害時の対処法を適切に判断できるようになる。 ・インキュベータの保守管理の方法について説明できるようになる。 ・ART培養室で生じる可能性のある不測の事態に対して適切な対処法を提案できるようになる。 |
|||||||||||
<授業の方法> | |||||||||||
第1回目と8回目(最終)は講義室での通常講義。 それ以外はZOOMなどを用いたオンライン講義。 1~7回目は、講義の最後に5~10問程度の選択式小テストを行う。 8回目はグループディスカッションとし、各グループごとに代表者による発表とレポート提出とする。 |
|||||||||||
<成績評価の方法> | |||||||||||
|
|||||||||||
<受講に際して・学生へのメッセージ> | |||||||||||
胚培養士の知識と技術は不妊に悩むカップルのうち、ART(体外受精関連技術)でしか妊娠・出産の可能性がない方々の人生に大きな影響をあたえます。大変責任の重い職種ですが、その分大きなやりがいや達成感を感じることのできる業界です。 | |||||||||||
<テキスト> | |||||||||||
(未登録) | |||||||||||
<参考書> | |||||||||||
<授業計画の概要> | |||||||||||
全8回 第1回 ART概要・検査 ・日本の人口動態と世界的に見た日本のARTの特徴 ・不妊原因(特に年齢因子について)、治療のステップ ・保険適用、経済的支援、卵子凍結やドネーション ・ホルモン検査(特にAMH)、Huhner ・精液検査(WHO, 生存性検査-HOST, PX, 染色)、DFI、azoospermiaの場合の遠心処理等、精子提供.AID ・排卵誘発法の基本原理とART成功率 第2回 精子処理 ・ARTの一連の流れの把握 ・精子調整・AIH・精子凍結(目的を明確に、長期・短期)、ストロー、微少精子凍結(cryotop, zona, spoon) ・TESEの適用と組織処理方法 第3回 採卵~受精確認 ・採卵・卵子の異常・媒精・裸化・成熟・ICSI ・ICSIにおける変性回避とPiezo ICSI ・減数分裂と紡錘体の可視化、 IMSI 、sperm slow(精子選択) ・受精確認(0PN, 1PN, 2.1PN, 1PN, 3PN)、体系化の図 ・レスキューICSI, Split ICSI, 1 day old ICSI 第4回 胚培養、評価、胚移植 ・培養液の開発の歴史、sequential mediumとone step medium ・胚発生・培養(TLC: direct, reverse)・胚評価(Veeck, Gardner, Istanbul consensus, etc.) ・embryonic gene activationと8 cell block ・Zona removalによるfragment抑制 ・胚移植(高濃度ヒアルロン酸液、PRP)、二段階胚移植(2-step ET)の原理と効果、SEET法の原理と効果 第5回 凍結・融解 ・凍結・融解(卵子・胚・卵巣組織)、AHA(laser, PZD)、社会適応・医学適用の卵子凍結・必要凍結数 第6回 特殊治療 ・減数分裂異常とPGT(Biopsy, tubing)・年齢と異数性頻度 ・減数分裂とIVM, PRP,(GVT、augment療法⇔卵子提供) 第7回 Labo management, KPI ・取り違え防止、ISO, incubator(種類、保守管理)、機器の滅菌・清掃・キャリブレーション、空気清浄機、酸素濃度測定(特にLN2タンク保管庫)、LN2供給、ガス供給、温度管理、液体窒素タンク、資格取得、停電・震災対策と対応、データ管理と集計・UMIN登録 ・患者説明 ・感染防止対策、Hbワクチン接種、針刺し事故対応 第8回 Free discussion ・患者さんの声(自筆) ・Group discussion テーマ:自身が胚培養士として従事していることを想定して、どのように対処するか? ・培養成績が悪くなったら?受精しなかったら? ・夜中に地震が起こったら? ・胚を紛失したら? ・コンタミネーションが生じたら? |
|||||||||||
<前年度授業に対する改善要望等への対応> | |||||||||||
前年度と同様に実施 |