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授業科目名 日本語の文字・表記・語彙
時間割番号 EEJ162
担当教員名 仲本 康一郎
開講学期・曜日・時限 後期・木・I 単位数 2
<対象学生>
日本語教員養成プログラムの選択必修科目です。
1-4年次
<授業の目的>
日本語の文字表記と語彙を概観し、日本語教育を行うための知識、技能を養うこと。具体的には、日本語の文字表記の体系、語の意味、語構成などについて概観します。また、日本語学習者が困難を感じる比喩や慣用句、オノマトペ、類別詞などのトピックをとりあげます。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
教育学部向け
記号コンピテンシー(能力・資質) 
A専門人や社会への関心日本や世界、自然に関する広い教養を身につけている。
B教科等の専門教養取得見込みの教員免許に対応する教科の目標や内容に関する知識を習得している。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
教育
1日本語の語句や表現を文字・表記・語彙の観点から分析できるようになること。
2日本語の文字・表記・語彙の知識を日本語教育に応用できるようになること。
3外国語として日本語を見直し、世界の言語として日本語を位置づけられるようになること。
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
140%【方法】口頭発表、記述式テスト等【観点】日本語の具体的な語句や表現を文字・表記・語彙の観点から分析できること。
240%【方法】口頭発表、記述式テスト等【観点】日本語の文字・表記・語彙の体系を理解し、日本語指導や教材分析に応用できること。
320%【方法】口頭発表、記述式テスト等【観点】日本語の特徴を世界の言語と比べて適確に説明できること。
合計100% 
<授業の方法>
日本語の文字・表記・語彙について、毎回異なるテーマを取り上げて議論します。
受講生とともに考えながら、授業を進めていこうと思います。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
日本語の文字表記、語彙の構造と種類、また地理的、歴史的、社会的バリエーションを知ることで、日本語の多様性に触れてほしいと思います。日本語教育への応用を念頭に置きながら、ことばって面白いなと気づくきっかけにしてほしいと思います。
<テキスト>
  1. 国際交流基金著, 文字・語彙を教える, ひつじ書房, ISBN:9784894763036,
    (国際交流基金日本語教授法シリーズ3)

  2. 国際交流基金著, 文法を教える : 実際の場面で使えるようになるために, ひつじ書房, ISBN:9784894763043,
    (国際交流基金日本語教授法シリーズ4)
<参考書>
  1. 沖森卓也編著, 図解日本の文字, 三省堂, ISBN:9784385364803
  2. 沖森卓也編著, 図解日本の語彙, 三省堂, ISBN:9784385364797
<授業計画の概要>
1タイトルガイダンスー日本語学への招待
事前学習
事後学習
日本語教育における文字・表記・語彙の意義について考えること
授業内容表音文字、表意文字、分かち書き、語種、位相と変異
2タイトル世界の文字――声から文字へ
事前学習
事後学習
・文字が誕生した背景を考えてくること
・文字の誕生と歴史的展開を概観し、具体的に説明すること
授業内容文字の歴史、現場性、記録性、アルファベット、表意文字、表音文字
3タイトル日本語の文字表記
事前学習
事後学習
・日本語の文字の歴史を調べ、説明できるようにしてくること
・日本語の文字表記の特徴について具体的に説明すること
授業内容仮名の成立、漢字仮名交、表記法、句読点、用字用語、表記効果
4タイトル日本語と漢字
事前学習
事後学習
・漢字の種類について調べ、説明できるようにしてくること
・漢字の種類について具体例を挙げて説明すること
授業内容甲骨文字、単体字、合成字、部首、音読み・訓読み、国字、熟字訓
5タイトル日本語の語彙
事前学習
事後学習
・日本語教育における語彙指導について調べてくること
・日本語の語彙関係について、具体例を挙げて説明すること
授業内容和語・漢語・外来語、多義語、類義語、対義語、上位語・下位語、語感
6タイトル日本語の語構成
事前学習
事後学習
・日本語の造語法を調べ、説明できるようにしてくること
・日本語の語の成り立ちを文法的に説明すること
授業内容形態素、造語法、複合語、派生語、複合動詞、接辞、畳語形
7タイトル文法化と意味変化
事前学習
事後学習
・ことばの歴史的な変化について具体的に調べてくること
・ことばの意味変化や文法化について具体的に説明すること
授業内容音韻変化、意味変化、比喩的拡張、逓減効果、文法化
8タイトル方言と共通語
事前学習
事後学習
・出身地の方言をふりかえり、表現のバリエーションを考えてくること
・方言の分布と拡がりをふりかえり、地域の特徴について考えること
授業内容方言周圏論、俚言と訛言、方言文法、言語意識、言語景観
9タイトル日本語の待遇表現
事前学習
事後学習
・日常生活における敬語の使用について考えてくること
・敬語の種類と使用場面を具体例に沿って理解すること
授業内容尊敬語、謙譲語、丁寧語、絶対敬語・相対敬語、改まり効果、美化語
10タイトル日本語の位相
事前学習
事後学習
・現代の若者語について調べ、具体例を考えてくること
・日本語の位相について、女性語と若者語をもとに説明すること
授業内容位相語、集団語、新語・流行語、若者語、女性語、ジェンダー
11タイトル類別詞の世界
事前学習
事後学習
・日本語の類別詞とその使い分けについて考えてくること
・日本語の類別詞の使い分けの基準を具体的に説明すること
授業内容数詞、複数形、類別詞、数量副詞、程度副詞、頻度副詞
12タイトルオノマトペの世界
事前学習
事後学習
・日本語教育における擬音語・擬態語の指導について調べてくること
・オノマトペの意味と用法を具体的に沿って説明すること
授業内容オノマトペ、擬音語、擬態語、擬情語、音象徴、清音と濁音
13タイトル比喩と慣用句
事前学習
事後学習
・日本語教育における比喩の指導について調べてくること
・日本語の比喩を具体例に沿って説明すること
授業内容隠喩と換喩、誇張法、緩叙法、慣用句、ことわざ、故事成語
14タイトルマンガの表現と文法
事前学習
事後学習
・マンガを読んでその表現の特徴と拡がりについて考えてくること
・表現メディアの可能性としてマンガの特徴を考えること
授業内容音喩・形喩、描線、コマ割り、身体慣用句、吹き出し
15タイトル総括評価・まとめ
事前学習
事後学習
・これまでの授業をふりかえり復習をしてくること
・授業の全体をふりかえり学びの成果を確認すること
授業内容本授業の学びを総括し、授業のまとめと学習の評価を行う
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
日本語教師として、長年、留学生の日本語教育に携わってきました。また、文部科学省委託事業「外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修プログラム開発事業」に委員として参加し、外国人児童生徒教育のためのカリキュラム開発を行いました。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
前年度非開講につき該当しない
<備考>
(未登録)