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授業科目名 子どもとジェンダー
分類・系統社会科学 社会系
時間割番号 CAS011
担当教員名 秋山 麻実
開講学期・曜日・時限 前期・火・V 単位数 2
<対象学生>
全学部生
<授業の目的>
ジェンダーとは、性別によって人を振り分け、それを通して、性による差別や不都合を助長し、正当化する営みと社会構造を意味する。
また、性に関わる欲望や観念、ふるまい、行動等を、セクシュアリティと呼ぶ。多様なジェンダーやセクシュアリティを、単に「受け入れ」るだけでなく、社会組織と人間関係の両方において差別や不利益を減じることが、SDGsの目標のひとつとなっている。子どもが生まれ育つさまざまな局面では、ジェンダーやセクシュアリティに関わってどのような経験をしているのか、どのようにしたら多様な子どもたちが、安心・安全に安定して育つことができるのかなどについて学ぶこと、国内外では、教育や子育てと子どもに関連して、どのようなジェンダー問題があるのかを学ぶこと、また自分と他者との関係を政治的観点から理解することが本講義の目的である。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー>(能力・資質)
全学共通教育科目向け
記号コンピテンシー(能力・資質)説明 
A共通教養様々な学問分野の考え方当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
B批評力学んだ内容を自らの言葉で的確に論評・伝達できる。
C汎用能力1・コミュニケーションスキル討議力他者の意見を的確に捉え、理解の深まりや内省につながる対話ができる。
D4・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
<到達目標>  到達目標とは
目標NO説明コンピテンシーとの対応
共通
1ジェンダーの基礎的概念とジェンダー公正について理解し、自身の意見と合わせて記述することができる。B
2身近なジェンダーの差異について説明を聞いて理解し、話し合い、理解と思考を深める。C
3ジェンダーに関わる多様な生き方について知り、共生とはどういうことかを考えることができる。A
4国内外の教育や子どもと関わるジェンダー問題の事例を調査して、説明できる。D
5ジェンダー問題の解決方法について、多様な考え方を互いに出し合うことができる。C
<成績評価の方法>
目標No割合評価の観点
130%最終レポートにより評価する
210%授業中の発言および小レポートにより評価する
330%最終レポートにより評価する
420%中間レポートもしくは授業中の発表により評価する
510%授業中の発言および小レポートによる評価する
合計100% 
<授業の方法>
講義、グループワークおよびその発表を行う。
授業中の対話や発言によって、考えを深めていく。
対面あるいはハイブリッド型授業を基本に、課題や動画視聴をオンデマンドで行う。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
知らない相手とでも、意見や情報を交換し、一緒に考えてください。
授業中には積極的に発言してください。あてられても黙って首をすくめていれば、あきらめて通り過ぎていくだろうという態度は示さないでください。
ジェンダーの観点から見た公正について学ぶ授業なので、「公平な視点から見た」つもりで保守的な意見に固執するような立場からの脱却を望みます。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1タイトルオリエンテーション
事前学習
事後学習
事前学習はなし
事後学習は、配布資料を読む
授業内容授業の方針、計画の説明、ジェンダーという用語の説明
2タイトル声を上げるということ
事前学習
事後学習
性、性別、性役割、セックスや身体にかかわる不満、疑問を掘り起こす
「声」と民主主義についての資料を読む
授業内容声を上げる、声を聞きとられるという人間の権利と、性との関係について考える
3タイトル不自由なわたしたち
事前学習
事後学習
前回授業時に配布された資料を読む
授業時に配布された資料を読む
授業内容自分たちが感じている不満や疑問について整理し、不自由や不満をどのように捉えるべきかを考える
4タイトル「ジェンダー」「セクシュアリティ」「セックス」
事前学習
事後学習
用語の基礎知識を調べる
学校で習ったジェンダー教育について掘り起こす
授業内容「ジェンダー」「セクシュアリティ」「セックス」の用語とその組み合わせによるn個の性という考え方を理解する
5タイトル大学生のための性教育(1)身体の仕組みを知る道筋
事前学習
事後学習
学校で習って来た性教育についてミニ・レポートを作成する
子どもに分かる説明を作成する
授業内容性的発達に伴う身体の仕組み、月経や射精、卵や精子の老化、更年期等とライフプラン教育の欺瞞について
6タイトル大学生のための性教育(2)親密な関係の大原則と人権
事前学習
事後学習
親密な関係について抱く不満や疑問を洗い出す
自分と親密な関係の他者について考える
授業内容避妊、デートDV、ジェンダー役割などについて、パートナーとの理解を深める方法を考える
7タイトル大学生のための性教育(3)セクハラについて考える
事前学習
事後学習
どんなときに「セクハラ」「ハラスメント」と感じるのかを考える
授業資料を読み返す
授業内容「ハラスメント」のメカニズムとして、する側、される側両方を含む社会の「常識」の構造について理解する
8タイトル大学生のための性教育(4)LGBTQを「理解」する?
事前学習
事後学習
LGBGTQ、アセクシュアル等セクシュアルマイノリティについて予習する
動画を見て感想を書く
授業内容LGBTQへの理解がどのような場面でどのようなかたちで進められているのかを理解し、「理解」とは何かを考える
9タイトル幸せ(Well-being)のための性の教育
事前学習
事後学習
資料を読む
自分の中の性教育の理解がどのように変わったかをミニレポートにする
授業内容性について理解することが、今、国際的にどのように構築されているかを理解する
10タイトル世界で起こっている性暴力や性差別につい
事前学習
事後学習
ニュースなどから、FGMや買春、教育格差。医療格差、戦時下の性暴力など、暴力や差別に関する記事を探す
テーマにそって論文や記事を集める
授業内容授業時に情報共有して、世界で起こっているジェンダー問題を知る
注目する問題を選定し、グループを作る
11タイトル世界のジェンダー問題前半
事前学習
事後学習
テーマにそって必要な情報を調べ、まとめる
関心のあるテーマについて調べなおす
授業内容調べてきたテーマを共有する
12タイトル世界のジェンダー問題後半
事前学習
事後学習
調べなおしたテーマについて意見を整理する
世界のジェンダー問題を考える基本線について理解する
授業内容調べなおしてきたテーマを共有して、意見交換を行う
13タイトル子育てとジェンダーとジェンダーギャップ指数
事前学習
事後学習
育児休業制度の最近の変遷と課題について調べる
ジェンダーギャップを少なくする方法について考えて、レポート作成
授業内容育児休業とキャリア形成の矛盾点について講義を通して考え、ジェンダーギャップ指数のランキングで、なぜ日本は順位が低いのか、どんな改善方法が考えられるかについて考える
14タイトル性の教育の内容を考える
事前学習
事後学習
授業内で学んできたことをもとに、性に関わる教育として実践したいカリキュラムを考える
授業で他の学生から得た意見をもとに、カリキュラム案を書き直す
授業内容考えたカリキュラムについて互いに意見を出し合う
15タイトル性の教育の内容を発表する
事前学習
事後学習
他の学生から得た意見をもとに、カリキュラム案を再構成する
他の学生のカリキュラム案から学んだことをレポートする
授業内容書き直したカリキュラム案を発表し、それに対してピア・レビューを行いつつ、互いに学んだことを明らかにする
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。
<前年度授業に対する改善要望等への対応>
変更点は、包括的性教育のための準備として、性に関する教育のカリキュラム案を作成するとともに、互いに学びあうことで、変更を加えていく経験をする枠組みを設けたことである。
カリキュラム案を考える試みは、昨年度行い、話し合いが活発に行われ、それまでの授業の中では出なかったアイディアも多数出されたので、これを構造化することにした。
単に新しい知識を知るのではなく、知識を教育実践に活かせる力を身につける機会とする。
<備考>
(未登録)