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授業科目名
担当教員
航空宇宙工学
青柳 潤一郎
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TME322 2 (未登録) 3,4 後期 I
[概要]
航空宇宙工学は飛行機や打上ロケット、人工衛星などの飛行体を設計・製作・運用するために、あらゆる工学的要素(機械力学、構造・材料力学、流体力学、熱力学の四力に加え、制御工学、電気電子工学、通信工学、情報処理、ソフトウェアなどの有機的な体系)を必要とする総合工学分野である。本講義では航空宇宙工学で特徴的な項目をピックアップして、これまでに修得した工学的知識が航空宇宙工学分野でどのように生かされているのかを学ぶとともに、実際に航空宇宙関連のものづくりに取り組むことで、航空宇宙工学に関する知見の定着を目指す。
前半は航空工学の内容である。翼の役割や飛行機設計に必要な基礎項目を学ぶとともに、組立式紙飛行機の設計・製作・飛行試験を行う。
後半は宇宙工学の内容である。ロケットの原理や地球周回軌道、人工衛星の構成要素を学ぶとともに、ペットボトルロケット飛行体の設計・製作・飛行試験を行う。
[具体的な達成目標]
航空工学について:
・大気の環境や航空工学の歴史を説明できる。
・航空機の種類を説明できる。また、飛行機の構成要素を説明できる。
・翼に作用する揚力の発生原理を「循環」を使って説明できる。
・重航空機の力のつり合いと運動や安定性の原理を説明できる。
・航空機の推進機関について、種類や構成を説明できる。また、航空機に使用している材料を説明できる。
・滞空性能を重視した組立式紙飛行機の設計をして、そのとおりの製作ができる。
・組立式紙飛行機を改良し、滞空性能の向上を飛行実証できる。

宇宙工学について:
・宇宙の環境や宇宙工学の歴史を説明できる。
・打上げロケットと人工衛星の構成要素を説明できる。衛星の開発計画の仕組みを説明できる。
・地球周回軌道の種類や性質を説明できる。軌道変換の原理を説明できる。
・ロケット系の運動方程式からロケット方程式を導き、説明できる。
・化学ロケットと非化学ロケットの種類や各動作原理を説明できる。
・人工衛星の熱設計に必要な熱放射の知識から、簡単な衛星の熱設計問題が解ける。
・飛行距離性能を重視したペットボトルロケット飛行体を設計して、そのとおりの製作ができる。
・ペットボトルロケット飛行体を改良し、飛行距離性能の向上を飛行実証できる。
[必要知識・準備]
物理と数学に関する科目は単位修得のうえ、十分に使えるようにしていること。
機械工学科の受講生は、機械力学、流体工学、熱力学、材料力学、制御工学などの基礎工学部門および応用工学部門の単位修得のうえ、十分に使えるようにしていること。
機械工学科以外の受講生も各自の基礎的、専門的な工学の知識を有していること。
日頃から航空宇宙に関するニュースに気を留めるよう心掛け、自分が勉強する航空宇宙工学について関心を持ち、知見を身につけることを楽しむこと。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 86  %航空工学の課題5回分と宇宙工学の課題6回分(6点×11回=66点)、組立式紙飛行機とペットボトルロケット飛行体の設計および飛行結果レポート(10点×2回=20点) 
2発表/表現等 14  %組立式紙飛行機の飛行実績(3点+4点)とペットボトルロケット飛行体の飛行実績(3点+4点) 
[教科書]
  1. 指定なし。複数の参考書、参考資料を元に、授業を進める。
[参考書]
  1. 室津義定, 航空宇宙工学入門 第2版, 森北出版, ISBN:4627690320
  2. 片柳亮二, 飛行機設計入門, 日刊工業新聞社, ISBN:9784526063176
  3. 二宮康明, 日本で生まれ育った高性能紙飛行機 その設計・製作・飛行技術のすべて, 誠文堂新光社, ISBN:9784416313077
  4. 茂原正道, 宇宙システム概論, 培風館, ISBN:456303505X
[講義項目]
01 大気の環境、航空工学の歴史
02 航空機の分類、飛行機の構成
03 翼の空力特性と流体力学の「渦」
04 重航空機に作用する力、安定性
05 推進機関、航空機材料
06 組立式紙飛行機の設計、試験飛行
07 組立式紙飛行機の改良、飛行性能評価
08 宇宙の環境、宇宙工学の歴史
09 打上げロケットと人工衛星、開発計画
10 地球周回軌道と軌道変換
11 ロケット推進の原理、ロケット方程式
12 化学ロケットと非化学ロケット
13 人工衛星の熱設計
14 ペットボトルロケット飛行体の試験飛行
15 ペットボトルロケット飛行体の改良、飛行性能評価
[教育方法]
・講義と実習で構成する。
・上記の講義項目は順序が入れ替わることがある。

・講義は講義項目01から05と08から13の全11回でオンライン、オンデマンド講義で実施する。
・オンライン講義ツールはTeamsを使う予定。
・事前にスライド資料をMoodle上で配布する。
・受講前にスライド資料を予習すること。
・時間割どおりの日時でオンライン講義を開催する。
・オンライン講義では配布したスライド資料をもとに音声のみで実施する。
・オンライン講義は録音し、講義後に公開するので復習やオンデマンド学習に活用してよい。
・授業中の質問はチャットで、それ以外ではMoodleのフォーラムで受け付ける。
・毎回の講義で宿題課題を出す。この宿題は次の講義の冒頭に解説する。
・毎回の講義でレポート課題を出す。指定した期間内にMoodle上で提出し、評価点とする。

・実習は講義項目の06,07,14,15の全4回で体育館で実施する。
・2つ程度にグループ分けをして、実習時間を分散させることで体育館での密集を回避する。
・06,07では組立式紙飛行機を、14,15ではペットボトルロケット飛行体を設計・製作・飛行試験する。
・これらの設計、製作作業は配布する資料を基に課外時間に各自で取り組む。
・各実習時に設計や改良の指針を発表し、その飛行実績を評価点とする。
・飛行性能評価の後、設計図や飛行実績とともにレポートとしてまとめ、Moodle上で提出し、評価点とする。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)