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授業科目名 情報理論
分類・系統自然科学 科学系
時間割番号 TCSK01
担当教員名 岩沼 宏治
開講学期・曜日・時限 前期・金・IV 単位数 2
<対象学生>
CS,K以外
<授業の目的>
大容量・高速のコンピュータ・ネットワーク時代を迎え、マルチメディア・データの処理と通信は、その重要性を益々増してきている。シャノンにより創始された情報理論は、マルチメディア処理の根幹を成す極めて重要な基礎理論・技術である。本講義では、このシャノンの情報理論とその周辺について講義を進める.具体的な講義内容としては,情報処理学会のJS97の内容に準拠する.
<到達目標>  到達目標とは
本講義では,大きく分けて以下の3つの項目を取り上げて,その基本的な理解を達成目標とする.
(1) 情報量のシャノン流の定式化
(2) 情報源符号化:情報源モデルと圧縮
(3) 通信路符号化:通信路モデルと誤り検出と訂正
より具体的な項目は,下記の授業計画の各項目を参照して頂きたい.ネットワーク通信やマルチメディア工学の基礎科目として十分な素養を持たせることを目標としている.
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー(能力・資質)>
No.コンピテンシー(能力・資質)説明 
1教養様々な学問分野の考え方当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
2汎用能力1・コミュニケーションスキル文章表現力適切な手順を踏んで学術的な文章を書くことができる。
34・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
45・問題解決力省察力取り組みを評価し、解決方法や計画を改善できる。
<授業の方法>
オンデマンド型講義資料を用いた事前学習と講義当日のライブ型遠隔授業を組み合わせた反転学習形式で行う.

・適宜,自主勉強用の演習問題を配布する.
・成績評価は上述の定期試験もしくは,それに代わる複数回のレポートにより行う.
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 30  %総合的な理解度と応用力を評価する. 
2試験:中間期 50  %2回の中間試験を通して,主に目標1,2,3の理解度と応用力を評価する. 
3小テスト/レポート 20  %講義内容の理解度を評価する 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
前提知識として,離散数学,線形代数学,確率統計,アルゴリズムとデータ構造(初歩的なプログラミング技術も含む)などに関する基本的な知識が必要です.
<テキスト>
  1. 小川英一, 改定 マルチメディア時代の情報理論, コロナ社, ISBN:978-4-339-02893-5
<参考書>
  1. 今井秀樹, 情報理論, 昭晃堂, ISBN:4785611391
  2. 白木善尚編, ITテキスト 情報理論, オーム社, ISBN:4274205958
  3. 横尾 英俊, 情報理論の基礎, 共立出版, ISBN:4320121066
  4. 橋本猛, 情報理論, 培風館, ISBN:4563013986
<授業計画の概要>
1.序論: 情報伝送の基礎知識
2.情報量の数量化: ビット,自己情報量,平均情報量(エントロピー)
3.情報源符号化その1: 符号の木,クラフトの不等式,ハフマン符号化
4.情報源符号化その2: (非等長)ハフマンブロック符号化,情報源符号化定理,記憶のある情報源:マルコフ情報源
5.データの圧縮その1: ランレングス符号化,MH符号化,LZ符号化
6.前半のまとめ,および中間評価その1
7.通信路符号化その1: 誤りの種類,誤り検出と訂正の原理,ハミング距離,符号空間,
8.通信路符号化その2: 通信路の確率モデル,相互情報量,最尤符号推定法,通信路符号化定理
9.基礎的な誤り検出・訂正符号その1: パリティ検査符号,ハミング符号
10.基礎的な誤り検出・訂正符号その2: 線形符号,検査行列,シンドローム
11.中盤のまとめ,および中間評価その2
12.実用的な誤り検出・訂正符号その1:CRC符号
13.実用的な誤り研修・訂正符号その2:畳み込み符号とビタビ復号
14.伝送路符号化とアナログ信号の情報量 : ベースバンド信号,変調符号,記録符号化とRAID技術,標本化,量子化,周波数帯域
15.まとめ,および総括評価
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。