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授業科目名
担当教員
微分方程式I
坂野 斎
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TCE102 2 (未登録) 1 後期 I
[概要]
物理学や工学での多くの法則は微分方程式で記述されます。古典力学のニュートン方程式,構造力学のはりの基本方程式,水理学や流体力学のナビエ=ストークス方程式,土質力学のテルツァーギの圧密方程式,交通流や生態系のモデル方程式,原子核崩壊や化学反応の速度式がその例です。このうちの線型常微分方程式(定数係数)の解を求める計算技術を学びます.
[具体的な達成目標]
1.自分で誤りをみつけ修正するために可読性よく書面を整えることができる.
2.微分方程式を階数と次数で分類できる.
3.微分方程式の階数と一般解が含む任意定数の数が等しいことの確認ができる.
4.オイラーの公式をつかって複素数解から2つの実数解に書き直しできる.
5.1階または2階の線型常微分方程式(非同次・定数係数)の基本解を求められる.
6.1階または2階の線型常微分方程式(非同次・定数係数)の特別解を求められる.
7.1階または2階の線型常微分方程式(非同次・定数係数)の基本解と特別解から一般解をかき下せる.
8.1階または2階の線型常微分方程式(非同次・定数係数)を解いて求めた一般解の検算ができる.
9.減衰項がある強制振動のニュートン方程式を与えられたパラメータの下で解ける.
10.  変数分離型の微分方程式を解くことができる.
[必要知識・準備]
微分積分学 Iの基本を理解していること.
ノート(紙切れではないもの)を準備してください.
担当教員はフィロス(工業会館2Fの教員つき自習室)の担当を兼ねています.わからないことは授業の中,後,またフィロスで質問して解決して次の授業に臨むと力がつきます.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 40  %基礎理論の理解、計算技術の習得、具体的な問題へ応用を評価します. 
2試験:中間期 40  %基礎理論の理解、計算技術の習得、具体的な問題へ応用を評価します. 
3小テスト/レポート 10  %特に大切な事項の理解,反復計算練習を評価します. 
4受講態度 10  %大学生に相応しく公正に授業に臨み,課題に取り組むことを評価します. 
[教科書]
  1. 金田数正, 工学系学生のための 記号法ですぐに解ける微分方程式, 内田老鶴圃, ISBN:9784753600144
[参考書]
  1. 石村園子著, すぐわかる微分方程式, 東京図書, ISBN:448900477X,
    (1995年出版)
[講義項目]
#1 微分方程式とは?(階数と任意定数の数の関係,物理法則の例,微分方程式の分類)
#2 同次の1階・2階線形微分方程式(定数係数)の一般解と指数関数;補助方程式が2実数解をもつ場合
#3 同次の2階線形微分方程式(定数係数)の一般解;補助方程式が重解をもつ場合
#4 オイラーの公式と指数関数・三角関数,
#5 同次の2階線形微分方程式(定数係数)の一般解;補助方程式が2複素数解をもつ場合
#6 復習課題・物理現象の微分方程式での記述(減衰振動など)
#7 中間評価
#8 非同次の線型微分方程式の特別解(1) 非同次項が指数関数の場合の記号法
#9 非同次の線型微分方程式の特別解(2) 非同次項が三角関数の場合の記号法
#10 物理学への応用(強制振動,共鳴)
#11 非同次の線型微分方程式の特別解(3) 非同次項がべき級数の場合の記号法
#12 非同次の線型微分方程式の特別解(4) 非同次項が指数関数xべき級数・特別な指数・三角関数の場合の記号法
#13 変数分離形の1階微分方程式(変数係数,非線形),化学,生態学等への応用
#14 復習課題
#15 総括評価・まとめ

予習:できるだけ時間をつくって次回講義部分の講義資料の例題・教科書の該当部分の例題を1つ読んでください.理解できなくても大丈夫,授業後の理解が早まります.
復習:授業内容に沿った課題を課しますので解いてください.フィロスなど利用しても結構です.
[教育方法]
線型常微分方程式の解法の技術を経験的知識として実感できるよう以下の工夫をしながら授業を進めます.
1.授業中に計算演習の時間をできるだけ設けます.
2.自分で誤りをみつけるため,また,正しい計算を行った実感を得るために,得た解は元の微分方程式に代入して検算をします,
3.物理,化学,工学などへの応用例を伝えます.
4.予習復習の便宜のために講義資料を提供します.
5.授業内容に沿った課題で,自分のペースを守って解くことができkる課題を毎回課します.少しの努力の積み上げが理解をもたらすことを実感してもらうためです.
6.感染症蔓延の恐れがあるときは,オンライン授業;会議システムをつかったリアルタイムオンライン講義,または,E-ラーニングシステム(Moodle)を利用したオンデマン講義を行います.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《土木環境工学科》
(B) 技術者としての知的基盤の形成
 科学技術における基礎としての数学、自然科学、情報処理能力を身につけ、知的基盤を形成して、これを応用することができる。
[その他]
本授業の科目は,以下のような位置づけである。
線形代数学I,微分積分学I → 「微分方程式I」 → 微分方程式II

学生の皆さんが自習できる場所として、共創学習支援室(フィロス)が工学部工業会館2階に設置されています。フィロスには専任の先生が在室しており、皆さんの質問に対応します。この科目に限らず自習するときや質問があるときは、気軽にフィロスを利用してください。
http://www.eng.yamanashi.ac.jp/risu/kyousou/index.html