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授業科目名 観光資源保全・活用論
時間割番号 LST213
担当教員名 菊地 淑人
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
2年生以上
<授業の目的および概要>
地域に所在するさまざまな資源(価値が顕在化していないものを含む)を、地域で継承し、また地域づくりのツールとして活かしていくことは、持続可能な地域社会を構築するうえで欠くことのできないことである。そして、観光を通じた地域資源活用は、地域の持続可能性に貢献可能な手法のひとつとして理解できる。
本講義では、地域資源の継承・活用に求められる概念、価値評価・活用等に向けた手法、法制度や政策的な考え方などの基本を修得することを目的に、多様な地域資源を対象として具体的な事例を交えて検討する。あわせて、複数回の演習作業を通じて、観光資源をめぐる状況や資源へのアプローチ手法について主体的に考察を深めることとする。

※本科目は、「地域課題・専門科目」である。
※本科目は、「未来創造・専門科目」である。
<到達目標>
1)地域資源の保全継承のための法制度及び地域資源を活かしたまちづくり、観光地づくりへの展開について理解する。
2)地域資源をめぐるさまざまな地域の先進的な取り組みについて理解し、その特徴を考察できる。
3)地域資源の保全活用の状況や地域資源活用のためのアプローチについて、演習作業を通じて自ら分析し、その結果を的確に表現できる。
<授業の方法>
※※授業実施方法は2021年3月現在の予定であり、今後の状況で変更する可能性がある※※
本科目は、【面接授業】/【ライブ型】のハイブリッド方式で実施する予定(第15回及び演習の一部回を除く)。教室から配信するので、臨時定員の範囲内で【面接授業】として受講可能。その際は、教室換気のうえ、マスク着用・座席間隔の遵守などの感染対策を徹底すること。
※第15回(試験)及び演習の一部回については教室(対面)で実施する。
※随時発言を求めるので、オンライン受講者はマイク等を使えるようにしておくこと。

スライド、映像等を用いた講義形式を基本に進める。なお、毎回の授業(演習回を覗く)では、講義内容に対する自らの考え方・質問・感想等を記載したリアクションペーパーの提出を求める(Moodle使用)。一部の回では、講義内容に関連する演習と発表を行い、実践的な能力を身につける。詳細は初回授業時に説明する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 60  %講義内容の理解度、事象に対する論理的分析力 
2小テスト/レポート 10  %リアクションペーパーにおける講義内容の理解度、論理的分析力 
3発表/表現等 30  %演習作業・講義内容の理解度、プレゼンテーションスキル 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・「観光政策科学入門」「観光地形成論」「観光政策論」の知識を前提に講義を行うことから、当該科目を履修済であることが望ましい。
・レジュメの「行間」にある論理を意識して主体的に受講すること。オンライン受講などで「片手間」に履修した場合、十分な理解は難しく、単位取得が困難となる場合があるので十分に留意すること。

・『観光白書』は紙媒体あるいはデジタル媒体で随時参照できることが望ましい(紙媒体は書店にて購入可能。デジタル媒体は国土交通省ウェブサイトから入手可能)。
・問題意識をもって観光地を訪れる、あるいは関連する報道に注目するなど、観光関連の動向にアンテナを張り巡らすよう努めてほしい。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 西村幸夫, 野澤康編, まちを読み解く : 景観・歴史・地域づくり, 朝倉書店, ISBN:4254266464
  2. 文化的景観学検討会編著, 地域のみかた : 文化的景観学のすすめ, 国立文化財機構奈良文化財研究所, ISBN:9784905338659
  3. 敷田麻実, 森重昌之編著, 地域資源を守っていかすエコツーリズム : 人と自然の共生システム, 講談社, ISBN:4061552309
  4. 松本茂章編著 ; 土屋隆英 [ほか] 著, 文化で地域をデザインする : 社会の課題と文化をつなぐ現場から, 学芸出版社, ISBN:9784761527303
<授業計画の概要>
1 ガイダンス
2 文化遺産/文化資源の保護活用に関する国内的な法・制度(1)
3 文化遺産/文化資源の保護活用に関する国内的な法・制度(2)
4 自然遺産/自然公園の保全活用に関する国内的な法・制度
5 <演習>国立公園ステップアッププログラムにおける公園別の計画内容と成果
6 文化遺産、自然遺産の保護活用に関する国際的な制度と「遺産」のもつブランド力
7 地域資源の掘り起こし/文化的景観という地域のみかた
8 文化的景観に関する価値の調査と地域づくりへの展開
9 <演習>文化的景観の事例と活かし方
10 エコツーリズムの展開/農村観光の可能性と課題
11 <演習>ありふれた農山村を差別化して発信する:コピーライティング、ストーリーライティングワークショップ
12 現代アートを活かした観光地域づくり/温泉資源の活用/都市の観光と地域の文脈
13 観光資源の魅力をどう提示するか
14 <演習>ペルソナ分析と観光資源の活用
15 まとめと試験

※受講者の関心・理解度等をふまえ、授業内容が前後する可能性がある。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
独立行政法人の研究所にて文化遺産を中心とした地域資源の保全・継承とそのための計画策定等に関する調査研究・実務等に従事していた。また、現在も市町村との共同研究として、地域資源の調査及び計画策定に関する実務に従事している。こうした実務経験、実践的感覚を活かした授業を展開する。