山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 統治機構論
時間割番号 LSS218
担当教員名 石塚  迅
開講学期・曜日・時限 前期・火・III 単位数 2
<対象学生>
生命環境学部地域社会システム学科2年生(以上)、および本科目の内容に関心をもつ者すべて
<授業の目的および概要>
「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない」とかつて「フランス人権宣言」が謳ったように、憲法の統治機構と人権保障とは密接不可分の関係に立つ。本講義では、人権保障との関連を意識しつつ、日本国憲法の統治機構について学習する。具体的には、国民主権・権力分立といった統治機構の基本理念、立法・行政・司法の制度設計および現実の運用、憲法改正、平和主義と国際貢献を扱う。
この科目は、行政法、行政学、比較憲法論等と関連する。
<到達目標>
・PS4:法律学の基礎と発展
国家規範の構造・制定法の基礎にある様々な価値観や法の支配、適正手続等の法原理を理解した上で、国家、社会、地域の特徴を、法学的な観点から把握できること。
<授業の方法>
講義形式で行うが、随時、質疑応答と討論の時間も設けたい。
テキストおよびレジュメに沿って授業は進行する。必要に応じて関連の参考資料も配布する。
基本的には口述筆記の方式で、板書は多用しない。重要なポイント、ノートに取るべきポイントを教員に指摘されるのではなく、教員の口述からそれを読み取ること・聞き取ること、それも授業の一環であると理解してほしい。

情勢は先行き不透明であり、方針を立てにくいが、現時点では「ライブ型オンライン授業」(Zoom)をメインとすることを想定している。
教員が毎回ライブ講義を配信し、受講生がパソコン・スマホ画面を通じてそれを聴講するというスタイルである。講義室で行うか、パソコン・スマホ画面を通じて行うかの違いだけである。
授業情報について、CNS・Moodleをこまめにチェックしてほしい。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 90  %後半期にレポートを1回(50点)、期末期に小テストを1回(40点)、それぞれ実施する予定。レポートでは法論理的思考力を、小テストでは法原理・法制度の知識の定着をそれぞれ問う。 
2受講態度 10  %授業中の質疑応答および課題。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
憲法・人権についての基礎・専門知識を修得したい者、日常生活の中で様々な政治・経済・社会問題に興味をもっている者の受講を歓迎する。「憲法」が「嫌法」にならないよう、感性に訴える授業を目指したい。授業での分かりにくい点や授業で取りあげてほしいテーマ等、希望・要望があれば遠慮なく申し出てほしい。
授業を妨害する行為に対しては厳しく対処する。
「統治機構論」と「日本国憲法」(全学共通教育科目)を併せ受講すれば、憲法(日本国憲法)の全体像を理解・把握することができる。
<テキスト>
  1. 松井茂記, 日本国憲法を考える(第3版), 大阪大学出版会,2014年, ISBN:9784872594720
  2. 初宿正典他編著, 目で見る憲法(第5版), 有斐閣,2018年, ISBN:9784641227354
  3. 六法を持参すること(『ポケット六法』(有斐閣)、『デイリー六法』(三省堂)等)。
<参考書>
  1. 笹田栄司・原田一明・山崎友也・遠藤美奈, トピックからはじめる統治制度―憲法を考える―(第2版), 有斐閣,2019年, ISBN:9784641227804
  2. 渋谷秀樹・赤坂正浩, 憲法2統治(第7版), 有斐閣,2019年, ISBN:9784641221284
  3. 初宿正典・高橋正俊・米沢広一・棟居快行, いちばんやさしい憲法入門(第6版), 有斐閣,2020年, ISBN:9784641221505
  4. その他は、授業時に随時紹介する。
<授業計画の概要>
第01回:ガイダンス
第02回:憲法とはどのような法律か?(憲法の誕生、憲法の歴史、立憲主義)
第03回:国民主権(主権の意味、憲法制定権力)
第04回:選挙と政党(選挙の諸原則、選挙制度、議員定数不均衡問題、選挙運動の自由)
第05回:権力分立(権力分立の意義と特性、権力分立の変容、行政国家現象)
第06回:国会(1)(国会の地位・組織、二院制)
第07回:国会(2)(国会と議院の権能、立法過程、予算、国政調査権)
第08回:内閣(議院内閣制、内閣の地位・組織・権能、衆議院の解散)
第09回:裁判所(司法権の意味、司法権の独立、司法権の限界)
第10回:違憲審査制(違憲審査制の諸類型、違憲審査の対象、違憲判断の効力)
第11回:平和主義(1)(憲法第9条と自衛隊をめぐる議論)
第12回:平和主義(2)(国際貢献、戦後補償)
第13回:シネマで統治機構(1)
第14回:シネマで統治機構(2)(討論)
第15回:評価、まとめ(総括)

※受講生の興味関心に応じて、授業内容・進行については弾力的に対応したい。
※講義室の問題がなければ、憲法学に関する映像教材も用いる予定である。
※過去に国内外のゲストスピーカーを招聘し講演会を開催したこともあったが、今年度の実施は難しいだろう。