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授業科目名 マクロ経済学
時間割番号 LSS211
担当教員名 渡邊 幹彦
開講学期・曜日・時限 前期・水・IV 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
本科目の目的は、学生が、以下の能力を習得するように講義を実施することである。
1 国全体の経済政策と制度の適切性をマクロ経済学の観点から評価できること。
2 マクロ経済学の基礎である、国民所得・雇用・利子率・国際収支について説明できること。
3 IS-LMモデル、成長モデル、国際マクロモデルを説明できること。
<到達目標>
学生は、本科目での学習を通じて、以下のような目標に到達することが期待される。
1 国民経済の決定要素について説明できる。
2 財政政策と金融政策の内容について説明できる。
3 IS-LM分析を説明できる。
4 経済成長について、ソロー・モデルを使って説明できる。
5) 開放経済下での国民経済の変化を説明できる。
<授業の方法>
すべてオンラインで実施する。
ZOOMによるライブ形式にて実施する。
中間・期末テストもオンラインで実施する。
Zoomミーティングに参加する
https://us02web.zoom.us/j/89433272774?pwd=VStURUJFTkoreXhUZWNBQlI5Unc2Zz09
ミーティングID: 894 3327 2774
パスコード: 389402




講義は毎回以下のようなサイクルで実施される。
(1) 前回の講義での小テストの結果が、学生に返却される。
(2) 小テストの内容を教員が簡単にレビューする。
(3) 予定されたテーマで講義が行われる。
講義の主な内容は、教科書の内容に即しているが、完全に一致はしない。
適宜、補足や修正がなされた内容で、講義が実施される。
(4) その日の講義の内容に関する小テストが実施される。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 40  %IS-LM分析・国際経済モデル・成長モデルを理解できているかを評価する 
2試験:中間期 40  %基礎的な国民経済計算を理解できているかを評価する 
3小テスト/レポート 20  %理解力 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
マクロ経済学は、経済学を専攻する上で、最優先で身につけるべき知識の1つである。また、マクロ経済学を理解することは、社会に出てから、現実の経済の状況とそれに関する政策を理解し、それに対応できる能力を身につけることを意味する。

折しも、日本では、新しいマクロ経済政策が導入されつつある。本科目での学習を通じて、現実の経済の動きを分析することは、本科目での学習が、単なる机上の理論ではなく、実際に役に立つ学問を学習することにつながるであろう。さらには、地域の持続可能な食料生産について、地域のマクロ政策を応用することが可能である。

尚、ミクロ経済学の履修は必須である。財政学も極力履修を勧める。経済学概論、経済・経営数学、の履修内容を復習しておくことが望ましい。
【注意事項】学生証を忘れた場合には、一切出席とみなされないので注意すること。
<テキスト>
  1. グラフィック マクロ経済学, 新世社, ISBN:9784883841592
  2. 中谷巌, 入門マクロ経済学, 日本評論社, ISBN:978-4-535-55513-6
<参考書>
  1. 有馬秀次, Excelで学ぶやさしいマクロ経済学, オーム社, ISBN:4-274-06596-0
  2. 家森信善, 基礎からわかるマクロ経済学, 中央経済社, ISBN:978-4-502-68280-3
  3. Martha L. OLNEY, Macroeconomics as a Second Language, Wiley, ISBN:978-0470505380
<授業計画の概要>
第1回 ガイダンスとマクロ経済学の特徴
■科目全体の進め方、ルール、成績評価、教科書・参考書についての説明を行う。
■「マクロ経済学とはなにか」について説明するとともに、マクロ経済学の主要な分析対象(労働市場、財・サービス市場、金融市場、投資の理論、消費の理論、財政政策、金融政策など)について解説する。

第2回 国民経済計算
■国を単位とした経済の規模を測る方法について、説明する。概論より一歩進み、生産、所得(分配)、支出をより細かく解説する。

第3回 景気循環
■景気循環をマクロ経済学の重要な分析対象である好況と不況、成長との関連から解説する。また、重要な概念としてのフィリップス・カーブを説明する。

第4回 消費と貯蓄
■「消費者はどのように消費行動を決定しているのか」について、いくつかの学説によるモデルを紹介する。消費額を決定することは、貯蓄額を決定することに等しく、これらの関係について解説する。尚、ここでの消費の考え方は、ミクロ経済学の効用理論とは別の、マクロ経済学としての発想に基づくものである。

第5回 企業の設備投資
■投資を行う主要な主体は企業である。投資にはどのような種類があるのかを解説するとともに、投資の決定の理論について、説明する。

第6回 労働市場
■「労働を供給する側である家計が、どのようにして労働供給量を決定しているのか」「労働市場はどのように機能するのか、また、機能できないのか」について、解説する。また、マクロ経済学の政策を考える上で重要な、賃金の下方硬直性について、紹介する。

第7回 財・サービス市場
■経済学の基本的な概念である財・サービス市場における均衡をマクロ経済レベルで解説する。

第8回 金融市場
■マクロ経済学に特徴的な、金融市場での均衡について解説する。貨幣の流動性が均衡に与える影響、ケインズ的とマネタリスト的な均衡の相違についても触れられる。

第9回 前半の振り返り
■第1回〜第8回の内容について、まとめる。

第10回 マクロ経済の均衡: 財・サービス、金融の市場の均衡
■財・サービスと金融市場の均衡をIS/LM分析と呼ばれる手法により解説する。

第11回 財政政策
■マクロ経済学の考え方による財政政策について、解説する。ケインズ派と新古典派による政策への考え方の相違が示されるとともに、IS/LM分析により、財政政策の効果を解説する。

第12回 金融政策
■お金の量をコントロールすることが、どのように経済に影響を与えるかについて、解説する。尚、金融政策は、前述の財政政策と常に「ペア」で分析されるべきであることを頭の片隅に入れておいていてほしい。

第13回 開放体系下におけるマクロ経済の均衡
■これまでの政策や均衡は、国の内部での要素のみを対象としていた。ここでは、これらが、国際貿易や国際金融を通じて、どのように変化して、どのような均衡に至るのかを解説する。


第14回 経済成長
■経済は、どのような要素で、どのような条件が整ったときに、どのように成長するのか、あるいは、しないのか、について、ソロー・モデル、及び、内生的成長理論、を紹介することを通じて解説する。


第15回 後半の振り返り
■第10回〜第14回の内容について、まとめる。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
担当教員は、1996〜2008年に、さくら総合研究所及び日本総合研究所において、海外調査部門に所属し、実務経験がある。この間、中央官庁からの委託調査により、特に、東南アジア地域を中心に、実務としての研究調査業務を行った。これにより、特に、新興国の経済状況には精通しており、この知識と経験を生かして講義を実施する。
また、本教員は、2006〜2010年において、国連生物多様性条約への日本政府代表団の一員を務めた。ここで得られた国際状況に関する知見も生かして、講義を実施する。