山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 初等数学科教育学
時間割番号 EEC153 B
担当教員名 早川 健/岡里 秀和
開講学期・曜日・時限 後期・月・I 単位数 2
<対象学生>
1年生を対象とする
<授業の目的および概要>
授業の目的:小学校学習指導要領算数に示された教科の目標、育成を目指す資質・能力を理解し、小学校算数の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに、これまでに蓄積された小学校算数の学習指導理論を踏まえて、具体的な授業場面を想定した授業設計及び教材を活用した模擬授業を行い算数科の授業方法を身に付ける。
授業の概要:小学校学習指導要領ならびに小学校学習指導要領算数編に示された「算数科の目標及び内容」「各学年の目標及び内容」「指導計画の作成と内容の取扱い」を読み、各領域の単元について学習内容を理解するとともに、問題解決授業や模擬授業等を行うことによって実践力を身に付けていく。問題解決授業や模擬授業を行う際には、学習指導案の作成過程で、各学年や各領域における数学的な見方・考え方、それぞれの発達段階に適した数学的活動を組織できるよう教材研究を行う。また,問題解決過程における教師の役割,評価方法についても探求する。毎回の講義の自己評価を記述し,講義内容の理解を深める。
<到達目標>
(1)小学校学習指導要領における算数科の目標と内容及びその全体構造を説明できる。
(2)小学校算数科の学習評価の考え方及び指導上の留意点を説明できる。
(3)小学校算数科の背景となる学問領域との関係を理解し教材研究に活用することができる。
(4)子供の認識や思考などの実態を視野に入れた授業設計の重要性を説明できる。
(5)具体的な授業(模擬授業)を想定した学習指導案を作成することができる。
(6)模擬授業の実施とその振り返りを通して授業改善の視点を説明できる。
(7)小学校算数科の特性に応じた情報機器及び教材の効果的な活用法を説明できる。
(8)小学校算数科における「主体的・対話的な深い学び」について説明できる。
<授業の方法>
○算数に関する目標・内容・方法に関する講義と演習を行う。また,算数科の授業の指導案作成を体験するとともに,実際の授業を観察し,分析する。
○授業実施の形態は「ライブ型」を基本とする。
 ・教員がTeams により毎回同時双方向で学生にライブ講義を配信する。
 ・適宜学生の思考の時間、質問等の時間を設ける。
 ・授業後OPPを記入し、また本時のレポートを毎時間作成する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 30  %講義内容を理解できているか 
2小テスト/レポート 40  %算数の内容及び系列に関して理解できているか 
3受講態度 30  %意欲的な取り組みがなされているか 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
・授業で提示された問題に対して,丁寧に考え,自分の解決を見出す。
・ノートを丁寧に作成する。
・毎回の授業レポート(B5判レポート用紙)作成の宿題を積極的に取り組む。
・毎回の授業後に学修履歴(学修感想)(1枚ポートフォリオ:OPP)を書き,本時の重点事項を振り返る。
<テキスト>
  1. 文部科学省, 小学校学習指導要領解説 算数編, 日本文教出版, ISBN:978-4536590105
  2. 算数科教育学研究会, 新版 算数科教育研究, 東洋館出版社, ISBN:978-4491036816
<参考書>
  1. 文部科学省, 小学校学習指導要領 平成29年告示, 東洋館出版社, ISBN:978-4491034607
  2. 日本数学教育学会, 算数教育指導用語辞典 第5版, 教育出版, ISBN:978-4316804620
<授業計画の概要>
第1回 小学校算数科の目標の理解,数学的に考える資質・能力
第2回 A「数と計算」領域の内容と指導上の留意点、数の概念(数の把握、表記)の教材研究への活用
第3回 A「数と計算」領域の内容と指導上の留意点、演算の意味と手続き(加法、減法)に関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第4回 A「数と計算」領域の内容と指導上の留意点、演算の意味と手続き(乗法)に関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第5回 A「数と計算」領域の内容と指導上の留意点、演算の意味と手続き(除法)に関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第6回 A「数と計算」領域の内容と指導上の留意点、演算の意味と手続き(小数の乗除法)に関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第7回 A「数と計算」領域の内容と指導上の留意点、演算の意味と手続き(分数の乗除法)に関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第8回 B「図形」領域の内容と指導上の留意点、図形の概念の教材研究への活用、コンピュータの効果的な活用方法
第9回 B「図形」領域の内容と指導上の留意点、面積・体積に関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第10回 C「測定」領域の内容と指導上の留意点、量と測定の意味に関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第11回 C「変化と関係」領域の内容と指導上の留意点、単位量あたりの大きさ・割合・関数の考えに関わる子どもの認識をもとにした授業設計
第12回 D「データの活用」領域の内容と指導上の留意点、資料の調べ方に関わる子どもの認識をもとにした授業設計、コンピュータの効果的な活用方法
第13回 算数科問題解決授業(その1)問題解決授業の意義と評価、指導上の留意点の明確化、子どもの思考、認識をもとにした授業設計、学習指導案の作成
第14回 算数科問題解決授業(その2)模擬授業の実施と振り返り、指導上の留意点の明確化、子どもの思考、認識をもとにした授業設計
第15回 学習指導と学習評価 振り返りによる自己評価
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
附属小学校の教員による授業
 教材研究から評価まで、小学校での算数科の授業の組み立て方について,実習も視野に入れながらの講義と附属小学校において実際の示範授業と研究協議会を行う。