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授業科目名
実験医学・生命情報
担当教員
北間 敏弘/兼平 雅彦/長友 啓明/杉浦 篤志/瀬川 高弘
時間割番号
単位数
履修年次
期別
DMB103 1 1 後期
[学習目標]
生命科学や医療技術の成果を学び、病因や病態を解明する等の医学研究への志向を涵養するため、基礎医学、工学的手法、臨床医学を融合した新しい医療を創出しうる知を獲得する。基礎医学的知識の理解の上に、診断と治療技術の概要を理解し、将来の医療人として、また研究医としての展望と動機づけをはかる。比較生物学的視点から人の生命と機能を統一的・理論的に把握し、医学・生命科学の本質を理解すると共に、医学・生命科学の実験研究に関する倫理観を身に付ける。
1. 医学・医療の進歩と医用生体工学のかかわりを学習し、様々な診断・治療に用いられる医用機器・技術の特徴と原理を学習、理解する。
2. 生命の尊厳に基づき、ヒトと実験動物との共通点と相違点を踏まえた実験動物学の必要性を理解し、動物福祉に配慮した実験動物の飼育管理法を説明できる。
3. 動物実験の基本技術、および遺伝子改変法や発生工学的手法を含めた先端技術についての学習を通じ、医学・生命科学研究への応用法を理解する。
4. 分子、細胞、組織、器官さらには個体に至る多様な生命現象を、それらを取巻く内的、外的環境との相互作用も含め、統合的に理解し、その実験手技も含め説明できる。
5. 次世代シーケンサーを用いた塩基配列情報の取得方法やバイオインフォマティクス技術に関する基本的な知識を通して、ゲノム医学分野についての概要を理解する。
6.ライフサイエンス研究における最新の実験機器・設備についての学習を通して医学・生命科学研究の重要性を理解する。
[授業計画
10月  8日(金)	4時限  北間	実験医学概論
10月15日(金) 4時限 北間 医用生体工学技術(1)
10月22日(金) 4時限  北間 医用生体工学技術(2)
5時限 北間 医用生体工学技術(3)
11月 5日(金) 4時限  兼平  実験医学と実験動物/実験動物の種類と特性
11月12日(金) 4時限 兼平  実験動物の飼育環境と管理
11月19日(金) 4時限  伊藤  動物実験技術
11月26日(金) 4時限 長友  哺乳類の発生と発生工学技術
12月 3日(金) 4時限  長友  遺伝子組換え動物
12月10日(金) 4時限 瀬川 ゲノム情報解析基礎 (1)
12月17日(金) 4時限  瀬川 ゲノム情報解析基礎 (2)
5時限 瀬川 ゲノム情報解析基礎 (3)
1月 7日(金) 4時限  杉浦 ライフサイエンス研究の実験機器・設備(1)
1月 14日(金) 4時限 杉浦 ライフサイエンス研究の実験機器・設備(2)
1月 21日(金) 4時限  杉浦 医用生体工学技術(4)
5時限 杉浦 医用生体工学技術(5)

<プリント配布>
講義に使用する資料は、CNSまたはCoyoteに掲示する。

<試験>
 試験は60点以上で合格とする。
 再試験は1回だけ行うことがある。
 講義の出席が2/3に満たないものは、受験を認めない。
[到達目標]
医学生物学的知識・技能を獲得するのみならず、講義を通して思考力・判断力・表現力・主体性等を統合的に発揮する「自ら学び、自ら考える力」をめざす。
○実験医学概論
1. フィジオームの概念を理解し、医用生体工学システムとは何か、またその意義を説明できる
○医用生体工学技術(1),(2),(3),(4),(5)
1. 画像診断技術にはどのようなものがあるか例示し、その特徴・原理について説明できる。
2. Brain Machine Interface (BMI)システム、その他の生体機能を代償あるいは代行する医用生体工学システムの実例を挙げ、そのシステムについて説明できる。
○実験医学と実験動物
  1. 医学・生命科学研究における動物実験の意義と実験動物の役割を理解できる。
○実験動物の種類と特性
  1. さまざまな実験動物の特性を理解できる
  2. ヒトと実験動物の共通点と相違点を理解できる
○動物実験に必要な倫理的配慮
  1. 動物福祉と倫理を理解できる
○実験動物の管理
  1. 実験動物の飼育管理法を理解する
○動物実験基本技術
  1. 保定法、投与法、麻酔法、安楽死法などを理解する
○胚操作技術
  1. 胚培養、仮親への移植、キメラ個体作出などの胚操作技術を理解できる
  2. 発生工学の基盤となる幹細胞研究の現状と今後の見通しを説明できる
○遺伝子組換え動物実験
  1. 遺伝子導入・破壊、条件変異などの遺伝子組換え動物の作出技術を説明できる
  2. 遺伝子組換え動物の医学研究例を理解できる
  3. 遺伝子組換え動物実験で遵守すべき規則を理解する
○動物実験の環境と衛生、感染症
  1. 環境因子の影響等、実験に影響を与える要因を考慮して動物を管理できる
  2. 実験動物の疾病要因を説明できる
  3. 実験動物の感染症を説明できる
○ゲノム情報解析基礎 (1),(2),(3)
1. 次世代シーケンサーを用いた塩基配列情報の取得の概要を説明できる。
2. バイオインフォマティクスに関する基本的な知識と解析の流れを説明できる。
3. バイオインフォマティクス技術を適用したゲノム医学分野について説明できる。
○ライフサイエンス研究の実験機器・設備(1),(2)
  1. ライフサイエンス研究の実験機器・設備について概要を説明できる。
  2. 蛍光・発光を用いたバイオイメージング技術について説明できる。
○医用生体工学技術(4),(5)
  1. 医用生体工学とは何か理解する。
  2. 医用生体工学の実際例をいくつか説明できる。
[評価方法]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 100  %授業理解力、解答における表現力、論理的思考能力 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
  1. 実験医学の原理, 丸善プラネット(株), ISBN:9784901689885
  2. 神谷 暸 (著), その他, 医用生体工学, 培風館, ISBN:4563035491
  3. 監修:大森豊明, 生体物理刺激と生体反応, (株)フジ・テクノシステム, ISBN:4938555921
  4. 西村善文(編), 生命科学のための機器分析実験ハンドブック, 羊土社, ISBN:9784758101691
  5. 高松哲郎(編), バイオイメージングがわかる, 羊土社, ISBN:9784897069708
  6. 笠井憲雪 他(編), 現代実験動物学, 朝倉書店, ISBN:9784254460292
  7. 小出 剛(編), マウス実験の基礎知識, オーム社, ISBN:9784274502170
  8. A. Nagy et al.(著)、 山内一也 他(訳), マウス胚の操作マニュアル第三版, 近代出版, ISBN:4874021158
  9. 社団法人 日本実験動物協会(編), 実験動物の技術と応用 実践編, (株)アドスリー, ISBN:4900659452
  10. 長田直樹(著), 進化で読み解くバイオインフォマティクス入門, 森北出版, ISBN:4761004282,
    (本館2F一般書架)

  11. 藤博幸編, よくわかるバイオインフォマティクス入門, 講談社, ISBN:4065138213,
    (本館2F一般書架)