山梨大学電子シラバス

授業科目名

生化学Ａ

担当教員

大塚　稔久／宮澤　恵二／望月　光由

時間割番号

単位数

履修年次

期別

DMB102

通期

［学習目標］

我々の身体はタンパク質、核酸、糖質、脂質などの生体物質によって成り立っている。各々の物質の機能は、それらの化学的・物理学的性質により説明できる例が多い。また、各々の生体反応において、反応の特異性は厳密に規定されており、反応の進行も巧みに調節されている。生体反応における特異性と調節機構の理解も目標のひとつである。この両者の破綻は生体を病的な状態に追いやる。生体内の反応は膨大な数にのぼるが、使われている原理には共通したものが多い。本講義をとおして、生体分子の構造や特徴に関する知識を身につて、その知識を用いて生命現象を読み解くことのできる力を養う事が目標である。

［授業計画］

金曜日　１・２限
１０月　８日　　１　生化学と医学／アミノ酸とペプチド（１大塚）
		　　　２　タンパク質の一次構造と高次構造（１大塚）
１０月１５日　　３　DNA、RNAと遺伝情報の流れ（１大塚）
　　　　　　　　４　遺伝子とゲノムの探究（１大塚）
１０月２２日　　５　ヘモグロビン（１大塚）
　　　　　　　　６　酵素：基本概念と反応速度論（１大塚）
１１月　５日　　７　触媒の戦略（１大塚）
　　　　　　　　８　調節の戦略（１大塚）
１１月１２日　　９　糖質（２宮澤）
　　　　　　　１０　糖タンパク質（２宮澤）
１１月１９日　１１　脂質と細胞膜（２宮澤）
　　　　　　　１２　細胞膜と膜タンパク質（２宮澤）
１１月２６日　１３　シグナル伝達経路（１）（２宮澤）
　　　　　　　１４　シグナル伝達経路（２）（２宮澤）
１２月　３日　１５　代謝：基本概念と設計（２宮澤）
　　　　　　　１６　解糖（２宮澤）
１２月１０日　１７　糖新生（２宮澤）
　　　　　　　１８　クエン酸回路（２宮澤）
１２月１７日　１９　酸化的リン酸化（２宮澤）
　　　　　　　２０　ペントースリン酸回路（２宮澤）
１月　７日　　２１　グリコーゲン代謝（２宮澤）
　　　　　　　２２　酸化還元と生体制御（２宮澤）
１月１４日　　２３　物質生化学演習（２宮澤）
　　　　　　　２４　代謝生化学演習（２宮澤）

１月２１日　　２５　生化学特別演習（１）（１大塚）
　　　　　　　２６　生化学特別演習（２）（１大塚）
　　　　　　　　　　生化学の知識を用いて高次生命現象（神経系）を説明するための演習を行う。

１月２８日　　２７　生化学特別演習（３）（２宮澤））
　　　　　　　２８　生化学特別演習（４）（２宮澤）
　　　　　　　　　　生化学の知識を用いて高次生命現象（がん）を説明するための演習を行う。

２月　５日　　２９　病態生化学（１）（１大塚）
　　　　　　　３０　病態生化学（２）（２宮澤）
　　　　　　　　　　これまでの講義内容と病気との関連をまとめ直して解説する。

講義の形態は「面接授業」の予定である。

［到達目標］

医学的知識と問題対応能力
生命現象の物質的基礎：主要な生体分子の特性、構造と機能を説明することができる。
生体物質の代謝：生体内の主な代謝経路の働きと調節機構を説明することができる。
遺伝と遺伝子：遺伝子から蛋白質への流れに基づいて生命現象を学び、遺伝子工学の手法と応用やヒトゲノムの解析を説明することができる。
代謝異常：糖質、蛋白質、脂質等の代謝異常によって生じる多様な疾患について説明することができる。

［実務経験のある教員による授業科目の概要］

医師として実務経験のある教員が講義を行っている。

［評価方法］

No	評価項目	割合	評価の観点
1	試験：期末期	95 %	医学的知識の習得度、医学的知識を用いて現象を説明する力（問題対応能力）を評価する。
2	小テスト／レポート	5 %	当日の講義内容の理解度を評価する。

［教科書］

Jeremy M. Berg [ほか] 著, ストライヤー生化学第8版, 東京化学同人, ISBN:9784807909292,
(2018年出版)

［参考書］