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授業科目名 現代教育政策論
分類・系統社会科学 社会系
時間割番号 CAS017
担当教員名 日永 龍彦
開講学期・曜日・時限 前期・水・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
教育は現代社会の中で生きていく上で不可欠なものとなっており、一人ひとりに保障される権利として位置づけられている。しかし、格差社会の進展の中で、貧困層や在日外国人など、教育を受ける権利が侵害されている人々がいる。この授業では、教育を受ける権利の意義を歴史的にふまえながら理解し、それが侵されている現状と是正に向けた取り組みについて、国と山梨県の教育政策や教育現場・支援の現場を具体的に検討することを通じて受講生一人ひとりが考えていくことを目的とする。
※ ※地域課題・共通科目及び未来創造・共通科目となります。
<到達目標>  到達目標とは
・近年の教育問題について、社会や経済の変化と関連付けながら説明できる。(多様な知識)
・格差社会と言われる現在の日本社会の現状とその背景について、社会や経済の変化と関連付けながら説明できる。(多様な知識)
・自ら課題を設定して調べた内容について、レポートやポスターにまとめて表現できる。(文章表現力・口頭発表力・論理的思考力の基礎)
・自ら設定した課題の解明に必要な文献を収集・活用できる。(情報選択力の基礎)
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー(能力・資質)>
No.コンピテンシー(能力・資質)説明 
1教養多様な知識の獲得単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
2汎用能力1・コミュニケーションスキル文章表現力適切な手順を踏んで学術的な文章を書くことができる。
32・情報リテラシー情報収集力図書館やインターネットなどから多様な文献や資料を入手できる。
44・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
<授業の方法>
・「臨時定員」以下の履修者の場合、感染対策を徹底の上、面接授業を原則とするが、学期中数回、オンラインによるライブ型(ZOOMその他のICTツールを利用)あるいはオンデマンド型(Moodle利用)の授業を行う予定である。受講者が多い場合にはオンラインによるライブ型とオンデマンド型を併用した授業を行う。
・必要に応じて受講生各自が事前に学んだことを基に授業を行ったり、グループディスカッションを行うなど、双方向的な授業方法を採り入れる。
・定期的に受講生が自らの学習状況を振り返る機会をもつ。
・学期末に各自が学んだことを口頭発表するとともに自分自身が何を学んだか振り返る機会を持ち、学習の定着を図る。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 60  %個々の受講生が設定したテーマについて期末レポートを課し、(1)正確な知識に基づき記述されているか(多様な知識の獲得)、(2)適切な文献の収集・活用を行なっているか(情報情報選択力の基礎)、(3)自らの言葉で、適切な手順に従った文章を書けているか(文章表現力の基礎)、(4)情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できているか(論理的思考力の基礎)、を評価する。 
2受講態度 20  %「多様な知識」の定着度を測るために、講義内容の振り返りを求める他、課題への取り組み等授業内外での学習状況、課題等への取り組み状況を評価対象とする。 
3発表/表現等 20  %個々の受講生が設定したテーマについて口頭発表等を行ない、(1)論理的根拠を伴って説明できているか(論理的思考力)、(2)他の受講生にわかりやすく話すことができているか・質疑応答に対応できるか(口頭発表力の基礎)、を評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
授業時間外の課題が多い授業ですが、受講者の皆さんに文章表現や口頭発表の基礎的な力がつくような授業になるよう努めていきます。
<テキスト>
  1. 必要に応じて資料を配付します。
<参考書>
  1. 東京大学学校教育高度化センター, 基礎学力を問う: 21世紀日本の教育への展望, 東京大学出版会,
    (2009年刊)

  2. 橘木俊詔, 日本の教育格差(岩波新書), 岩波書店,
    (2010年刊)

  3. 細川孝(編著), 「無償教育の漸進的導入」と大学改革, 晃洋書房,
    (2014年刊)

  4. 山梨の子ども白書編集委員会 編, 山梨の子ども白書
<授業計画の概要>
(受講生の理解度によっては、修正をすることがあります。講義の場合には高校レベルの知識の整理あるいは事前に配布した資料の予習を課します。グループワークの際には参加するための事前作業を課します。)
第1回 オリエンテーション(授業の受講方法・内容、成績評価方法等の説明)
第2回 教育政策を学ぶための基礎用語、1.日本と欧米における学校教育体系の変遷とその課題(1) 欧米における教育を受ける権利の形成過程
第3回 1.日本と欧米における学校教育体系の変遷とその課題(2) 明治期以降の日本における学校教育
第4回 2.格差社会における子どもたちの現状(1) 受講生が考える子どもたちの現状を示す数字を持ち寄ってグループワークを行う
第5回 2.格差社会における子どもたちの現状(2) 前回のグループワークの結果も利用しながら、教育費負担の実態とその背景・影響を解説する
します第5回 * ミニレポート検討会(学習成果中間検討会 第1回) これまでに学んだことを踏まえ、格差社会における教育格差の現状をミニレポートにまとめて持参し、それを受講生どうしで相互に検討する
第6回 3.教育を受ける権利とその保証の実態(1) 教育格差の背景にある制度政策の検証や是正方策を考える上で必要となる「教育を受ける権利」について、歴史的な展開を踏まえながら概説する
第7回 3.教育を受ける権利とその保証の実態(2) 第6回と同様
第8回 3.教育を受ける権利とその保証の実態(3) 第6回と同様
第9回 * ミニレポート検討会(2) 受講生が自ら選んだ教育問題の現状を整理してミニレポートにまとめて持参し、それを受講生どうしで相互に検討する
第10回 4.教育機会を保障する方策を考える ー最近の教育政策と支援の動向(1) 受講生が選んだ教育問題を踏まえながら、相対的貧困層への支援の実態やそのあり方を概説する
第11回 4.教育機会を保障する方策を考える ー最近の教育政策と支援の動向(2) 第10回と同様
第12回 * 口頭発表内容の準備作業と受講生相互による検討(学習成果中間検討会 第2回) 口頭発表内容の全体構想をグループで発表し、発表内容の論理性や妥当性を受講生どうしで相互に検討する
第13回 5.口頭発表(1) 動画による口頭発表を行ない、口頭発表力の基礎の定着が図れているかを受講生どうしで相互に評価する
第14回 5.口頭発表(2) 第13回の継続
第15回 授業の総括・学習の振り返り・授業アンケート 授業を振り返り、受講生が自らの目標到達度や学習の進捗状況を確認する
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。