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授業科目名 医工学と現代社会
分類・系統健康福祉 科学系
時間割番号 CAH004
担当教員名 岸上 哲士
開講学期・曜日・時限 前期・月・II 単位数 2
<対象学生>
最大132名
<授業の目的>
生命科学は、20世紀の後半から現在までめざましい進歩を遂げ、現代社会に大きな影響を及ぼしている。その研究の成果は、人々の生活への応用という面で現代の医学や工学と連動し、「医工学」ともよばれるようになっている。医工学は、人の健康や社会生活に貢献する一方、多くの複雑な課題や葛藤を現代社会につきつけている。
 本講義では、こうした現代の生命科学(一般にライフサイエンスと呼ばれる)の研究成果と社会への影響について広く学ぶため、生殖補助医療技術による生命操作、抗生物質と耐性菌、原発、公害、脳死等がどのようなものであるかを種々の事例を上げて概説する。そして、それらが現代のわたしたちの生活においてどのように応用され、また影響を与えつつあるか等について論ずる。本講義により、医工学と現代社会の諸問題について正確でかつ広汎な知識を身につけ、さらにライフサイエンスへの興味およびそれらの諸問題や生命倫理への強い問題意識を醸成する。
<到達目標>  到達目標とは
1.社会に関わるライフサイエンスの基礎的事項や考え方を説明できる。
2.社会に利用されるライフサイエンスに関わる最先端技術に対して、利点とリスクを説明でき、さらに自分の考えを理由とともに論理的に説明できる。
3.社会に関わるライフサイエンスの必要な情報について、図書館やインターネットを通じて入手できる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー(能力・資質)>
No.コンピテンシー(能力・資質)説明 
1汎用能力1・コミュニケーションスキル文章表現力適切な手順を踏んで学術的な文章を書くことができる。
22・情報リテラシー情報収集力図書館やインターネットなどから多様な文献や資料を入手できる。
34・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
45・問題解決力課題設定力課題を明らかにし、解決すべき「問い」を立てることができる。
<授業の方法>
講義を主体とし、講義中に出す医工学の課題に対して自分の意見を書く作業を通じて、自分の考えをまとめる。また自ら社会問題の背景や医工学の技術を調べることが求められる。
この講義は、オンデマンド型を主としてライブ・オンデマンド混用型(山梨大学の学生、山梨県立大学の学生ともオンライン授業)で行う予定です。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %講義で取り上げた現代社会の問題に対する理解と自分の意見を論理的に説明できること 
2小テスト/レポート 50  %講義中に出す課題を含むリフレクションペーパーの内容を評価 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
本講義の課題に強い興味をもって参加する学生を歓迎します。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 西沢いづみ, 生物と生命倫理の基本ノート, 金芳堂, ISBN:978-4-7653-1558-6
<授業計画の概要>
第1回 医工学の概説
第2回 人類と感染症について
第3回 新型コロナウイルスについて
第4回 生殖補助医療技術と現代社会1:人工授精と精子提供
第5回 生殖補助医療技術と現代社会2:体外受精
第6回 生殖補助医療技術と現代社会3:代理懐胎と子宮移植
第7回 生殖補助医療技術と現代社会4:着床前診断
第8回 生殖補助医療技術と現代社会5:出生前診断
第9回 ゲノム医療と遺伝子検査
第10回 遺伝子操作とゲノム編集
第11回 放射線と人体
第12回 薬害について
第13回 脳死と臓器移植について
第14回 科学とどう向き合うか
第15回 総括評価:まとめ 
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
これまでの国内外の国立研究機関での実務経験を踏まえて講義をします。
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。