授業科目名	日本語の方言と山梨
時間割番号	CACK04
担当教員名	吉田　雅子
開講学期・曜日・時限	後期・金・III	単位数	2
＜対象学生＞
全学部生
＜授業の目的＞
この科目は「連携開設科目（主幹大学：山梨県立大学）」です。 現代の日本語は，全国にあまねく通じる「共通語体系」と，各地の多様な「方言体系」の総体として成り立っている。この実態を，言語事実に即して把握できるよう講義する。 　日本の方言は，日本の地理的特性・歴史的経緯から，非常に多様な，興味深い言語様相を示す。この講義では，日本の方言の全体像を把握し，かつ，方言の各事項についての理論と調査分析方法を解説する。日本は，世界の中でも方言研究が非常にさかんであることも特筆すべきことであり，数多くの先行研究を知り，それらを講読する力を養えるよう指導する。 　ラージスケールで日本全国の方言を対象とするほか，スモールスケールでは山梨方言を詳細分析対象の中心とする。山梨方言を詳細分析の事例とし，それを他地域の方言研究にも適用できるようになることも目指し指導する。
＜到達目標＞
（知識・理解） 方言の概念・機構（しくみ）・機能（はたらき）を知り，解説できる。 （思考・判断・表現／思考・技能・実践） 方言の調査・分析方法を学び，レポートを作成する。 （態度・志向性） 方言学の基礎知識を習得し，多分野に応用できる。
＜本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー(能力・資質)＞
No. コンピテンシー（能力・資質） 説明   1 教養 多様な知識の獲得 単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。 ○ 2 様々な学問分野の考え方 当該科目の学問分野(人文･社会･自然･健康科学等)の考え方を説明できる。 ○ 3 地域理解 自らの生活の場である地域の特色・課題を説明できる。 ◎ 4 異文化理解と外国語リテラシー 自文化と異文化に対する知識と理解を基に、自己や社会のあり方について相対的視点から意見を述べることができる。 「英語」で自らの専攻分野の内容を理解し、その内容について簡単に表現することができる。 「ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語」で基礎的な内容について読み書き、口頭でのやりとり・意思疎通ができる。 ○
＜授業の方法＞
・GoogleClassroomを使用した，オンデマンド型授業とする。テキスト毎回の箇所を講読し解説する講義形式とする。受講生は，GoogleClassroomにアップされた資料や，課題，アンケートなどの機能を利用し，設問に解答しながら内容を学んでいく。 ・毎回の講義受講後に，授業で出された小課題を提出すること。GoogleFormsを使用する。 ・期末には講義で学んだことをもとにレポートを作成する。Googleドキュメントを使用する。 ・この授業は金曜３限開講です。毎回，金曜の13:00までにGoogleClassroomに講義資料をアップします。本来の授業時間と同じ時間に学修できるようにしますので，皆さんも登校しての授業と同じ意識で取り組んでください。 【授業外の学修】 ・事前：各授業回に扱うテキストの章を読み予習する。 ・事後：関連する参考文献を読む。
＜成績評価の方法＞
（知識・理解） 毎回の授業で出される小課題レポート（40％） （思考・判断・表現／思考・技能・実践） 期末レポート（50％） （態度・志向性） 授業への取り組み，課題の提出状況（10％）
＜受講に際して・学生へのメッセージ＞
・オンライン授業でGoogle Classroomを使います。受講生は当科目のClassroomに必ず登録してください。 クラス：日本語の方言と山梨_2021後期 クラスコード：ctit66v ・オンライン授業で配布する資料はPDFファイルです。 【参考図書】 国立国語研究所編1989-2006『方言文法全国地図』全６巻，大蔵省印刷局→財務省印刷局→国立印刷局 ・佐藤武義・前田富祺編集代表2014『日本語大事典』上下巻，朝倉書店 ・佐藤亮一監修2004『標準語引き日本方言辞典』小学館 ・佐藤亮一監修，小学館辞典編集部編集2002『お国ことばを知る　方言の地図帳』小学館 ・佐藤亮一編2019『方言の地図帳』講談社（講談社学術文庫） ・小学館辞典編集部編2004『日本語便利辞典』小学館 ・徳川宗賢監修，尚学図書編1989『日本方言大辞典』全３巻，小学館 ・日本語学会編2018『日本語学大辞典』東京堂出版 ・飛田良文他編2007『日本語学研究事典』明治書院 ・平山輝男他編1992-1994『現代日本語方言大辞典』全９巻，明治書院 ・平山輝男編集代表1997-『日本のことばシリーズ』全48巻予定，明治書院 ・（雑誌）『月刊言語』32巻1号(通号378号)2003年1月号（特集「【小事典】ふるさとのことば」），大修館書店 その他は授業中に紹介する。上記は基本文献と考えること。 聴講を契機に関心を持った事象について，自主的に調べ考察し，関連文献を多読するよう心がけてください。
＜テキスト＞
小林隆・篠崎晃一編, ガイドブック方言研究, ひつじ書房, ISBN:4-89476-183-1
＜参考書＞
飯豊毅一他編, 講座方言学, 国書刊行会, (全10巻 1982-1986) 井上史雄・鑓水兼貴編著, 辞典〈新しい日本語>, 東洋書林, ISBN:978-4887215320, (2002) 木部暢子編, 明解方言学辞典, 三省堂, ISBN:978-4-385-13579-3, (2019) 国立国語研究所編, 全国方言談話データベース　日本のふるさとことば集成, 国書刊行会, (全20巻 2001-2008) 国立国語研究所編, 日本言語地図, 大蔵省印刷局, (1966-1974 全６巻)
＜授業計画の概要＞
今期は遠隔授業（非同時双方向型）を実施します。 Google Classroomを使用するオンデマンド型です。授業中継を視聴する双方向型授業はおこないません。 講義計画は以下の通りです。日程を確認してください。 （10/01）第１回　ガイダンス （10/08）第２回　方言の歴史−中央語史・地方語史・全国語史／山梨方言の歴史 （10/15）第３回　方言の定義と特色 （10/22）第４回　方言のしくみと分類，方言の分布と歴史 （10/29）第５回　方言と自然，社会の中の方言 （11/05）第６回　方言の音韻−概要と実態／山梨方言の音韻 （11/12）第７回　方言のアクセント・イントネーション−概要と実態／山梨方言のアクセント・イントネーション （11/19）第８回　方言の語彙−概要と実態／山梨方言の語彙 （11/26）第９回　方言の文法−概要と実態／山梨方言の文法 （12/03）第10回　方言の待遇表現−概要と実態／山梨方言の待遇表現 （12/10）第11回　方言の区画と分類−考え方と実際／分類における山梨方言 （12/17）第12回　方言の音声資料を聴く （01/07）第13回　方言の映像資料を視聴する （01/21）第14回　首都圏方言−概要と実態／山梨方言の位置づけ （01/28）第15回　総括講義