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授業科目名 染織工芸論
分類・系統人文科学 心身・芸術系
時間割番号 CAC040
担当教員名 岡松 恵
開講学期・曜日・時限 後期・火・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
ひと昔前までは、染織工芸は家人が行っていた手仕事であり、近所の工場で行われていた身近な産業であった。しかし今日では、家事の外部化や工場の海外移転化が進み、その価値を実感することが難しくなってきている。本授業では、染織に関する昔の文献を読み、それに関連した現代服飾の製作を行うことで、脈々と続いてきた日本の染織文化への認識を深めるとともに、最終的には自らの衣生活を豊かにしようとうする態度を育むことを目的としている。なお授業では江戸時代の養蚕書である『絵本宝能縷』を読み、日本を代表する絹産業の一つである山梨のネクタイ生地を用いたネクタイ製作を行う。
<到達目標>  到達目標とは
江戸時代の版本にみられる基本的なくずし字を読むことができる。ベーシックな手縫い技法を駆使して、実用可能な服飾品を製作することができる。日本の染織工芸の歴史や文化、地域の染織産業について解説することができる。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー(能力・資質)>
No.コンピテンシー(能力・資質)説明 
1教養様々な学問分野の考え方当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
2地域理解自らの生活の場である地域の特色・課題を説明できる。
3汎用能力1・コミュニケーションスキル読解力情報の正確さや分析の妥当性などについて吟味しながら学術的な文献を読むことができる。
45・問題解決力実行力計画に従って解決に取り組むことができる。
<授業の方法>
授業では、『絵本宝能縷』の講読とネクタイの製作とを行う。講読については、発表を主とする演習形式によって授業を進める。ネクタイの製作は、実習形式となり、製作の遅れは次回までの宿題となる。授業内容に合わせて(1)Teams等による双方向ライブ授業、(2)Moodle 上に演習課題をアップロードするオンデマンド授業、(3)マスク着用で三蜜にならないよう留意した上での面接授業、のいずれかを選択する。学生には事前に通知する。小テスト、小レポート、作品提出を課す。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 40  %小テストとレポートを行う。 
2受講態度 10  %予習・復習の実施状況、積極的な発問などを評価する。 
3発表/表現等 50  %製作品の評価 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
江戸時代の絵本(版本)から絹について学び、山梨の絹産業であるネクタイを製作します。裁縫道具(裁ちばさみ、糸切りばさみ、待ち針20本程度、縫い針、針刺し)、材料費(500円程度)が必要になります。
*版本の種類を含む授業計画の内容は、授業の進捗状況に応じて変更する場合があります。
<テキスト>
  1. プリントを配布する
<参考書>
  1. 授業中に指示する。
<授業計画の概要>
第1回 染織工芸論について
第2回 日本における染色工芸
第3回 ネクタイの製作(1)型紙の作成、基本縫いについて
第4回 ネクタイ製作(2)裁断
第5回 『絵本宝能縷(えほんたからのいとすじ)』<1>蚕種/患い/三度の休み/四度め
第6回 ネクタイの製作(3)印つけ、小剣通しつくり
第7回 『絵本宝能縷』<2>大眠起/まゆつくり/蚕種をとるには/糸をはき終りて
第8回 ネクタイの製作(4)剣先縫い
第9回 『絵本宝能縷』<3>生繭/繭梁/蚕の神/さて…
第10回 ネクタイの製作(5)芯入れ
第11回 小テスト
第12回 ネクタイの製作(6)表布の待ち針うち 
第13回 ネクタイの製作(7)本ぐけ縫い
第14回 ネクタイの製作(8)仕上げ
第15回 ネクタイの着装
*進度によっては内容・順序の変更もある 
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
高等学校での家庭科教育の経験を活かし、地域の染織産業理解につながる演習形式の授業や、獲得した知識を作品製作に活用する実践的な授業を行う。
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。