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授業科目名 日本の近代文学
分類・系統人文科学 文化系
時間割番号 CAC014
担当教員名 尾形 大
開講学期・曜日・時限 後期・木・I 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
日本人ではじめてノーベル文学賞を受賞した作家川端康成の代表的な小説群を読み進めることを通して、大正後半から戦後までの川端文学の特徴を整理し、同時に日本の近代文学が作られた〈場〉について学びます。当然のことですが、文学とは作家個人によってのみ作り出されるものではなく、同時代の社会的・文化的・歴史的な背景との結びつきの中で形成されるものです。川端文学が生み出される背景に関する理解を深めながら、日本文学の奥行きと広がりに関する理解を深めていきます。
<到達目標>  到達目標とは
1、文学を専門的に学ぶための姿勢や方法や概念について学ぶことを通じて、文学を〈読む〉ための多様な視点を発見し、その分析方法を理解し説明することができる(「様々な学問分野の考え方」を学修する)。
2、川端文学に組み込まれた同時代性を意識しながら、個別のテクストの位置付けと特徴について説明することができる(「論理的思考力」を涵養する)。
<本授業科目による獲得・涵養が特に期待されるコンピテンシー(能力・資質)>
No.コンピテンシー(能力・資質)説明 
1教養様々な学問分野の考え方当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
2汎用能力1・コミュニケーションスキル読解力情報の正確さや分析の妥当性などについて吟味しながら学術的な文献を読むことができる。
34・論理的思考力情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。
<授業の方法>
授業はオンライン(オンデマンド型)で実施し、以下の方法をとる。
Moodle上に演習課題、学修の進め方、関連資料などの必要事項をアップロードし、授業動画を視聴したうえで学生が授業内容に関係する問題について考え、表現する課題レポートに回答する。回答されたレポートに関しては、CNS等を通じて受講生の意見や見解に回答することで双方向性を担保する。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %授業内容に基づいて2000字程度の期末レポートを課す。 
2小テスト/レポート 50  %各回の課題レポートに関しては、授業内容を理解し、それを自分の言葉で表現できるかどうかを重視する。出席不足のものは課題レポートおよび期末レポートを提出することができないので注意すること。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
基本的に講義形式で行いますが、毎時課題を課して授業内容の理解度を測り、各人の考えを言葉に表してもらいます。課題に関してCNS等を通じて回答することで双方向的な授業を作っていきたいと思います。受講生はあらかじめテクストを精読し問題意識を持って授業にのぞんでください。
<テキスト>
  1. 川端康成著, 雪国 132刷改版, 新潮社, ISBN:9784101001012,
    (2006年出版 新潮文庫, 1, か-1-1)

  2. 川端康成著, 伊豆の踊子・禽獣ほか, 筑摩書房, ISBN:9784480434166,
    (2017年出版 ちくま文庫, [き-41-7] . 教科書で読む名作)

  3. また、必要に応じてプリント資料を配布します。
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
第1回 ガイダンス/川端康成に関する基礎的な情報の解説
第2回 『掌の小説』を読む―「作品」の系譜づくりについて
第3回 「伊豆の踊子」を読む1―「名作」がつくられるまで
第4回 「伊豆の踊子」を読む2―草稿・同時代性・自作言及
第5回 「伊豆の踊子」を読む3―「私」の目的と階級意識
第6回 「禽獣」を読む1―自己言及とモデル問題
第7回 「禽獣」を読む2―私小説性と「文壇」アレゴリー説
第8回 「禽獣」を読む3―物語構造と「彼」の二重性
第9回 中間レポート―これまでの振り返り
第10回 『雪国』を読む1―主人公と語り手
第11回 『雪国』を読む2―郷愁と戦争
第12回 『雪国』を読む3―「空虚」さの実態
第13回 「水月」を読む1―愛か呪縛か
第14回 「水月」を読む2―チャタレイ事件と『舞姫』
第15回 川端文学に関する既出事項の確認・まとめ
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。