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授業科目名
担当教員
土質力学及び演習
後藤 聡
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TCE227 3 (未登録) 2 後期 IV-V
[概要]
土木工学あるいは環境工学に関連する構造物・施設は、地盤の上または地盤中(地下)に造られる。従って、安定的な構造物等を設計・施工するためには、まず地盤を形成する自然生成物としての土の諸性質を明らかにしておくことが重要である。また、地盤に関連する自然災害(土石流、地すべり、液状化などによる災害)を軽減するためにも、土の性質を理解することが重要である。さらに、自然の土だけではなく、土に手を加えることによって、ダム(ロックフィルダム)や堤防などの盛土が造られるので、材料としての取り扱いが必要である。 土の力学は他の連続体力学と異なって、独特な考え方に基づいている。その一つに有効応力の原理がある。本講義では、この原理を基本にして、土に係わる透水・圧密・せん断などの基本的な原理を身につけることを目標とする。
[具体的な達成目標]
・土質力学に関する基本的な専門用語の意味を説明できる。
・土の基本的性質を理解し,土質力学特有の各種物理量の意味と相互関係について説明できる。
・土質力学の基本原理となる有効応力の原理を説明できる。
・土の透水理論や透水試験を理解して,透水問題を解くことができる。
・土の圧密理論を理解して,圧密沈下量や圧密時間などを計算できる。
・土のせん断理論を理解して,土がせん断破壊する時の条件などを計算することができる
[必要知識・準備]
土の力学を扱う学問なので、応力、ひずみ、構成式、モールの応力円などが不自由なく使えるように、「応用物理学」「弾性力学」に関する基礎知識が必要である。加えて,各授業において、不明な力学用語に出会ったら、「応用物理学」の教科書等を参照して復習する必要がある。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 30  %土の圧密理論やせん断理論などを理解して,圧密沈下量,圧密時間,せん断破壊するときの条件などを計算・説明できるかどうか,計算および記述式試験を行う。 
2試験:中間期 30  %土の基本的性質,有効応力の原理,透水理論などを理解して,各種物理量の意味と相互関係,有効応力による地中応力の計算,透水問題などを計算・説明できるかどうか,計算および記述式試験を行う。 
3小テスト/レポート 40  %土質力学にとって重要な専門用語の意味,各種原理や理論に基づく計算・説明ができるかどうか,小テストおよびレポート課題を出す。 
[教科書]
  1. 安田進、山田恭央、片田敏行, 大学土木 土質力学(改訂2版), オーム社, ISBN:978-4-274-21643-5
  2. 安田進、片田敏行、後藤聡、塚本良道、吉嶺充俊, わかる土質力学 220問, 理工図書, ISBN:978-4844606918
[参考書]
  1. 石原研而, 第3版 土質力学, 丸善, ISBN:978-4-621-30234-7
  2. 菊本統,西村聡,早野公敏, 土質力学, 学芸出版社, ISBN:978-4-7615-3221-5
  3. 安川郁夫,今西清志,立石義孝, 絵とき土質力学 改訂3版, オーム社, ISBN:978-4-274-21459-2
  4. 内村太郎, 地盤工学, オーム社, ISBN:978-4-274-21337-3
  5. 三田地利之, 土質力学入門, 森北出版, ISBN:978-4-627-46401-8
[講義項目]
<講義項目>
1.ガイダンス(学習・教育目標,関連の説明,講義の進め方など)
2.土の基本的性質に関する基礎(土の基本的物理量1)
3.土の基本的性質に関する基礎(土の基本的物理量2)
4.土の基本的性質に関する基礎(粒径と粒度分布)
5.土の基本的性質に関する基礎(コンシステンシー限界)
6.土の基本的性質に関する基礎(土の締固め特性)
7.土の基本的性質に関する基礎(地盤調査,相対密度)
8.小テストと総括
9.土の中の水に関する基礎(ダルシーの法則と透水係数)
10.土の中の水に関する基礎(透水試験)
11.土の中の水に関する基礎(透水力とボイリング)
12.土の中の水に関する基礎(流線網)
13.中間試験と総括
14.土の圧密に関する基礎(間隙水圧と有効応力)
15.土の圧密に関する基礎(土の圧縮と圧密)
16.土の圧密に関する基礎(粘土の圧縮曲線)
17.土の圧密に関する基礎(正規圧密と過圧密)
18.土の圧密に関する基礎(圧密理論)
19.土の圧密に関する基礎(圧密試験)
20.小テストと総括
21.土のせん断に関する基礎(モールの応力円)
22.土のせん断に関する基礎(土のせん断強さ)
23.土のせん断に関する基礎(三軸圧縮試験)
24.土のせん断に関する基礎(排水条件とダイレイタンシー)
25.土のせん断に関する基礎(砂の排水せん断強さ)
26.土のせん断に関する基礎(粘土の排水せん断強さ)
27.土のせん断に関する基礎(間隙水圧係数)
28.土のせん断に関する基礎(粘土の非排水せん断強さ)
29.土のせん断に関する基礎(飽和砂の液状化)
30.期末試験と総括、まとめ

予習:次回の講義内容について,教科書・演習書・資料をよく読んでおくこと.
復習:授業で行った例題・演習について,自力で解いておくこと.
[教育方法]
・講義により基本的な原理等を説明し、演習問題を解くことにより理解を深める。
・例題や演習問題の解説を授業で行う。
・実際の適用事例は現場の写真等を紹介して分かりやすいようにする。
・ZOOMによるライブ型の授業と、Moodle,CNSによるオンデマンド型の授業を組み合わせて行う。
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
担当教員は,大手建設会社の技術者として11年間,東京湾横断道路の設計施工や各種土木構造物の技術開発に従事した。本授業科目では,土木構造物の設計・施工・維持管理等において,土質力学の重要性について講義する。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《土木環境工学科》
(C) 専門基礎学力
 土木材料・力学一般、構造工学・地震工学、地盤工学、水工水理学、交通工学・国土計画、土木環境システムの基礎を理解して、これを説明することができる。
(E) 学習および問題解決能力
 演習科目・研究を通して、自発的・継続的に学習し、問題解決に取り組むことができる。
[その他]
本授業科目は,以下のような位置づけである.

応用物理学 → 土質力学及び演習 → 建設工学実験II → 地盤工学