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授業科目名
担当教員
衛生工学及び演習
金子 栄廣/原本 英司
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TCE219 3 (未登録) 2 後期 木/水 II/III
[概要]
衛生工学は,快適な生活環境を確保しつつ人間の生命を脅かす環境問題を防ぎ解決するための学問であり,技術です。広くは,飲料・生活用水ならびに産業用水の確保,排水の処理・処分,廃棄物の処理処分,各種公害の防止などが具体的な対象とされています。
この講義では,われわれの生活に不可欠な水に関する重要な施設である上水道と下水道について,それぞれの目的と仕組みを理解する事を目標とし,その計画,設計ならびに運用を行う上で基本となる事項について学習します。
[具体的な達成目標]
技術士一次試験(上下水道部門)の専門科目に関する問題が解けるレベルを目指します。具体的には以下を達成目標とします。
<上水道に関する達成目標>
1.上水道の役割,構成を理解し,説明できる。
2.上水道計画に関する基本事項を理解し,説明できる。
3.水道の水質基準の意義を理解し,説明できる。
4.上水道の各工程の設計や運用に関わる基本事項を理解し,初歩的な設計ができる。
<下水道に関する達成目標>
5.下水道の基本用語を説明できる。
6.計画下水量を推定するための手順を説明し,計算できる。
7.計画下水量に対して下水管の管径を決定できる。
8.下水処理場の基本施設の容量設計ができる。
[必要知識・準備]
特に必要とする知識はありません。
基本的にオンライン(Zoom等)で行いますので,適切な通信環境を用意してください。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 35  %下水道に関する内容の達成度 
2試験:中間期 35  %上水道に関する内容の達成度 
3小テスト/レポート 30  %各単元への取組状況と理解度 
[教科書]
  1. 本山 智啓 ほか, 上水道工学(第5版), 森北出版, ISBN:978-4-627-49285-1
  2. 松本順一郎,西堀清六, 下水道工学(第3版), 朝倉書店, ISBN:978-4-254-26141-7
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
<前半:上水道>
 1.総論 (概説,歴史と現状,水道の構成,水資源)
 2.上水道計画 (要件,手順,計画給水量,水源と施設配置)
 3.水質基準 (水道水質基準,基準項目の意義)
 4.水質および水質試験 (水源・浄水処理・給配水の水質,水質試験)
 5.水源および貯水施設 (水源,貯水施設)
 6.取水・導水施設 (地表水の取水,地下水の取水,導水施設)
 7.浄水施設概説 (構成,計画浄水量,配置,着水井)
 8.凝集・沈殿施設 (凝集池,フロック形成池,沈殿施設)
 9.ろ過施設 (機構,緩速ろ過池,急速ろ過池,浄水池)
 10.消毒および消毒設備 (塩素消毒,その他の消毒剤,消毒設備)
 11.高度浄水処理 (生物処理,オゾン処理,活性炭処理,膜処理)
 12.排水処理 (排水処理施設の構成と機能)
 13.配水施設 (配水方式,配水池,配水塔,高架タンク)
 14.送配水管 (送水管,配水管)
 15.上水道に関する評価・総括・まとめ
<後半:下水道>
 16.総論(下水道の定義,歴史,意義)
 17.下水道計画(水質環境基準)
 18.計画下水量(計画汚水量)
 19.計画下水量(降雨強度)
 20.計画下水量(流達時間)
 21.計画下水量(流出係数)
 22.計画下水量(合理式)
 23.下水道工学試験(第1回目),解説
 24.下水排除,ポンプ場およびポンプ
 25.水質(下水水質,富栄養化,汚濁負荷原単位)
 26.下水処理(予備処理,沈殿処理)
 27.下水処理(生物学的処理(2次処理),消毒,高度処理)
 28.下水の処分と再利用
 29.汚泥の処理・処分
30.下水道工学試験(第2回目),解説,まとめ
 上記に示すように授業が進行します。予習として,教科書の例題を自分で解き,疑問点をまとめておく。復習としては,課題があります。
[教育方法]
1.教科書に基づく講義(解説)後に演習を行います。
2.主要単元終了後に演習問題を課し,レポートとして提出してもらいます。
3.レポートの提出状況と内容をチェックした上でレポートを返却します。
4.レポートで理解不足が感じられた項目を中心に授業時間内に解説をします。
5.原則としてオンライン(Zoom等)で授業を行います。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《土木環境工学科》
(C) 専門基礎学力
 土木材料・力学一般、構造工学・地震工学、地盤工学、水工水理学、交通工学・国土計画、土木環境システムの基礎を理解して、これを説明することができる。
(E) 学習および問題解決能力
 演習科目・研究を通して、自発的・継続的に学習し、問題解決に取り組むことができる。
[その他]
積極的に質問するよう心がけて下さい。
本授業科目の位置づけは以下の通りです。
土木環境デザイン・エンジニアリングデザイン入門→環境工学概論→【衛生工学及び演習】・環境生態学→環境工学実験・水処理工学・廃棄物管理工学→環境生物学