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授業科目名
担当教員
水理学及び演習第一
末次 忠司/相馬 一義
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TCE214 3 (未登録) 2 前期 月/木 III/II
[概要]
水理学は水に関する力学であり,水に関連する構造物の計画・設計・管理などの実務に必須の学問である.また,河川工学,水文学,衛生工学などの応用工学を学ぶ前に履修すべき重要な授業科目である.本科目では,水の基礎的物理的性質と静水の力学的理論及び管路流・開水路流の計算方法について学習する.
[具体的な達成目標]
(1)水理学の基礎となる水の力学的特性,流れ方の違い,水理学で用いる単位,水理学独特のエネルギーに関する概念などについて説明できること.
(2)静止している水について,水中の平面に働く水圧の強さと作用点の位置を計算でき,かつ浮体の安定を判定できること.
(3)完全流体の概念を説明でき,管路の完全流体の流れの流速,水圧などをベルヌーイの定理により計算できること.
(4)運動量についての基礎方程式を説明でき,それを用いて流水により壁に働く力,跳水現象などについて計算できること.
(5)開水路の流れをエネルギー的に扱うときの基礎的考え方,開水路の流れの分類,比エネルギーと水深の関係などを説明でき,開水路の流れの水深,流速などを計算できること.
[必要知識・準備]
大学1年生までの微分・積分学の意味とその活用方法,質点力学の基礎に関する知識がないと受講が困難である.また毎回の講義に対する予習・復習が重要である.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 45  %授業内容の理解度を評価する 
2試験:中間期 45  %授業内容の理解度を評価する 
3小テスト/レポート 10  %授業内容の理解度を確認する 
[教科書]
  1. 玉井信行、有田正光ほか, 大学土木 水理学 改訂2版, オーム社, ISBN:9784274216732,
    (過年度生もこの教科書を購入すること)
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
水を力学的に扱うときの基礎となる考え方,及びそれを各種問題に適用する方法について講義する(学習・教育目標Cに対応).なお,本講義は分担科目であり,相馬が1〜6と22〜30、末次が7〜21の講義を行う.
また、演習を通じて、学習及び問題解決能力を養う(学習・教育目標Eに対応)
1.解析法 次元と単位 水頭
(水理学の基礎となる力学的考え方,水理学で用いる単位,水理学独特のエネルギーに関する概念について説明できるようにする.)
2.水の性質とふるまい 層流と乱流
(水の力学的特性とそれによる基本的流れの違い,層流と乱流について説明できるようにする.)
3.演習(1,2)
4.静水圧(水圧の測定,マノメータ)
(静止している水について水圧の強さを測定する方法の原理と実際について説明できるようにする.)
5.断面モーメント
(水中の物体の各面に働く全水圧を計算するときの基礎となる断面モーメントについてその概念と具体的算出方法を説明できるようにする.)
6.演習(4,5)
7.水平および鉛直な平面に働く水圧
(水平および鉛直な平面に働く水圧を求める公式に関する基礎概念,公式の利用方法について説明できるようにする.)
8.傾いた平面に働く水圧
(傾いた平面に働く水圧を求める公式に関する基礎概念,公式の利用方法について説明できるようにする.)
9.演習(7,8)
10.曲面に働く水圧
(曲面に働く水圧を求める公式に関する基礎概念,公式の利用方法について説明できるようにする.)
11.浮力・浮体の安定
(水中にある物体に働く浮力とそれが浮体の安定にどのように関係するか,また浮体が安定かどうかをどのようにして判定するかを説明できるようにする.)
12.演習(10,11)
13.前半のまとめ
14.前半の演習
15.中間試験および解説
16.完全流体と実在流体 ベルヌーイの定理
(完全流体の概念,および完全流体に適用できるベルヌーイの定理について説明できるようにする.)
17.ベルヌーイの定理の例題
(ベルヌーイの定理を各種問題に適用する場合の基礎的考え方を説明できるようにする.)
18.演習(16,17)
19.ベルヌーイの定理の応用1
(ベルヌーイの定理を水槽からの流出に関する問題に適用する場合の考え方を説明できるようにする.)
20.ベルヌーイの定理の応用2
(ベルヌーイの定理をベンチュリ計等に適用する場合の考え方を説明できるようにする.)
21.演習(19,20)
22.運動量の定理
(運動量についての基礎方程式,各種問題に適用する場合の基礎的考え方について説明できるようにする.)
23.運動量の定理の応用
(運動量についての基礎方程式を壁に働く力を求める問題などに適用する場合の基礎的考え方について説明できるようにする.)
24.演習(22,23)
25.跳水
(運動量についての基礎方程式を開水路の跳水の問題に適用する場合の基礎的考え方について説明できるようにする.)
26.開水路の流れの分類 比エネルギー 常流・射流
(開水路の流れをエネルギー的に扱うときの基礎的考え方,開水路の流れの分類について説明できるようにする.)
27.一定の流量に対する比エネルギーと水深の関係など
(開水路の流れでの比エネルギーと水深の関係などを説明できるようにする.)
28.演習(25,26,27)
29.後半のまとめと演習
30.総括評価・まとめ
*予習:教科書の該当ページを読み、講義の要点となる考え方や計算式などを確認する
*復習:講義で行った例題などを自力でもう一度解き、演習・小テストで解けるようにしておく
[教育方法]
・2回講義1回演習というスタイルで授業を行う.演習時には小テストを行うことがあり,成績に加味される.
・授業内容の理解度に応じて付加的にレポートを課すことがある.
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
末次は以前国土交通省の研究所で、現地での対策の指導、技術者(行政機関、コンサルタント)の指導に携わった者で、その経験を授業に生かしている
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
《土木環境工学科》
(C) 専門基礎学力
 土木材料・力学一般、構造工学・地震工学、地盤工学、水工水理学、交通工学・国土計画、土木環境システムの基礎を理解して、これを説明することができる。
(E) 学習および問題解決能力
 演習科目・研究を通して、自発的・継続的に学習し、問題解決に取り組むことができる。
[その他]
本授業の科目は、以下のような位置づけである。
水理学及び演習第一→水理学第二・(土木環境科学実験)→水理学第三・水文学→総合河川学