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授業科目名
担当教員
応用化学実験II
藤井 一郎/宮嶋 尚哉/柳 博/柴田 正実
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TAC307 3 (未登録) 3 前期 月/火/水 III-V/III-V/III-V
[概要]
無機化学工業の生産方式や電気化学の基礎と応用に関する基礎的な知識・技術を取得することを目標とし、基本的な実験器具を用いて実験実習を行う。また、本実習体験を通して無機化学及び電気化学の一般的な工学的知見が得られるよう実験課題を組み立てた。
[具体的な達成目標]
1.原子・イオンの電子構造と物性との関連を説明できる。(A1)
2.化合物の構造と分光学との関連、結晶構造と固体の性質との関連、無機生体材料と環境浄化材料について説明できる。(A2)
3.無機化学反応を利用して様々な化学関連産業を支える資源及び素材の製造プロセスを説明できる。(A3)
4.熱力学的諸量を説明し、計算できる。(D1)
5.自由エネルギーを説明し、計算できる。(D2)
6.純物質ならびに混合物の相平衡を説明し、計算できる。(D3)
7.反応速度、拡散について説明できる。(D4)
8.半導体などの材料とその物性について説明できる。(D5)
9.電解質溶液の伝導率、イオンの活量、デバイ−ヒュッケルの極限法則、起電力、電極電位を説明し、計算ができる。(F1)
10.熱力学・電磁気学・原子物理の基本的概念を説明できる。(F2)
11.電荷の存在によって生じる電界や電位、その電荷が動くことによる電流など、物質との関係を説明し、計算できる。(F3)
12.化学プロセスの基礎事項について説明し、計算できる。(G1)
13.化学実験における危険防止や正しい器具の使用方法について説明できる。(G2)
[必要知識・準備]
初めに無機・電気化学工学の基礎理論に基づいてそれぞれの講義項目について解説し、必要器具、薬品の取り扱いについても説明をするので、分析化学の基礎実験を理解しておくことが必要である。また、予め指導書及び実験安全マニュアルを熟読して、操作の手順と注意点をあらかじめ理解しておくことが失敗なく時間内で実験を終了させることにつながる。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 60  %指定日までのレポート提出の有無,各課題に対する解答及び考察 
2受講態度 40  %出席及び実験態度 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
  1. 電気化学概論, 丸善, ISBN:4621039962
  2. アトキンス 物理化学(上), 東京化学同人
  3. アトキンス 物理化学(下), 東京化学同人
[講義項目]
1. 応用化学実験IIの概要(担当教員:全員)
・実験指導書を配布し、これに従って講義項目を説明するとともに、実験実習の安全教育を行う。達成目標:G3
2. ヒドロキシアパタイトの陽イオン交換反応(担当教員:藤井)
・リン鉱石や人工骨の主成分であるヒドロキシアパタイトCa(PO4)6(OH)2を合成し、その中のCa2+と水溶液中のZn2+との陽イオン交換反応の性質を調べる。達成目標:A1, A2, A3
3. ミョウバンの合成と結晶構造解析(担当教員:藤井)
・ソフト溶液プロセスによりミョウバンを合成し、結晶成長について学ぶ。また粉末X線回折測定によりミョウバンの結晶構造解析(結晶相の同定等)を行い、X線測定法の基礎的な技術を習得する。達成目標:A2, A3
4. 拡散定数の測定(担当教員:宮嶋)
・酸塩基中和滴定によりガラスノズル内のKOHの拡散を観察し、Fickの法則を理解する。達成目標:D2, G1
5. 電解質溶液の電気伝導率(担当教員:柴田)
・電解質溶液の電気伝導に対する各理論の特徴と導電率の測定法を理解する。また、導電率とイオン濃度の関係を応用して導電率滴定を行う。達成目標:F1
6. 電極電位と電池の起電力(担当教員:柴田)
・電極電位の概念ならびに電位と熱力学的パラメータ(ΔG,K、ΔSなど)との関係を理解し、化学電池の起電力測定法を習得する。達成目標:D1, D2, F2, F3
7. 半導体のバンドギャップ測定(担当教員:柳)
  ・酸化インジウムのバンドギャップを透過測定,拡散反射測定により求めることで測定・解析手法を習得する。達成目標:D5
8. 反応熱の測定(担当教員:柳)
  ・反応に伴う熱の出入りを実測し、反応熱に関する理解を深めるともに反応温度の測定法を習得する。達成目標:D3

具体的な授業計画は以下の通り.

第1回:実験ガイダンス(実験指導書による説明と安全教育)
第2回:アパタイトのイオン交換反応(1)(イオン交換反応の経時変化測定)
第3回:アパタイトのイオン交換反応(2)(イオン交換等温線の作成)
第4回:ミョウバンの合成と構造解析(1)(ミョウバン結晶の合成)
第5回:ミョウバンの合成と構造解析(2)(結晶構造解析)
第6回:KOHの拡散(1)(中和滴定の温度依存性)
第7回:KOHの拡散(2)(拡散定数の算出)
第8回:電気伝導度(1)(酸の導電率測定)
第9回:電気伝導度(2)(アルカリの導電率測定)
第10回:電池の起電力(1)(ダニエル電池)
第11回:電池の起電力(2)(起電力測定)
第12回:半導体のバンドギャップ測定(1)(酸化インジウム薄膜の作製と透過法によるバンドギャップ測定)
第13回:半導体のバンドギャップ測定(2)(酸化インジウム粉末の拡散反射法によるバンドギャップ評価)
第14回:反応熱測定(1)(熱伝対の作製及び温度測定の仕組み)
第15回:反応熱測定(2)(反応熱測定)
[教育方法]
実験は月曜日と火曜日のIII,IV,V時限に行い、担当教員やチーティング・アシスタント(TA)がきめ細かな指導を行う。TAが実験の終わりに次の実験内容と予習内容、レポート課題について説明を行う。レポートは水曜日の13〜17時に提出する。実験終了からレポート提出までの時間が短いので、予め実験指導書をよく読んで内容を理解しておき、レポート提出に備える必要がある。
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
他研究所での担当構成員の実務経験を,研究者としての素養・心構えなどの教育に活かしている。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
(未登録)