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授業科目名 食料問題とグローバル経済
時間割番号 LSS312
担当教員名 渡邊 幹彦
開講学期・曜日・時限 前期・木・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
本科目の目的は、学生が、以下の知識を獲得することである。
1 グローバル社会における特徴的な経済活動の仕組み。
2 国際経済政策(国際貿易と国際金融)及び、国際制度(地域統合と国際条約)。
3 世界の食料供給と需要の現状。
4 これらの歴史的背景と現存する問題。
<到達目標>
学生は、本科目での学習を通じて、以下のような目標に到達することが期待される。目標と概要に示された内容に基づき:
1 グローバル経済の現状を理解すること。
2 国際経済学の理論を説明できること。
3 食料生産の状況を説明できること。
4 食料生産と環境問題の関係を理解すること。
<授業の方法>
講義
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:中間期 50  %国際経済学に関する中間試験を課す 
2小テスト/レポート 10  %グローバル経済、国際経済、食料問題、環境問題をどれぐらい理解できているかを評価する 
3受講態度 40  %受講態度とアンケートの回答内容で評価する 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
現在社会に生きる人にとって、グローバル経済を知ることは必須である。国境を越えて、物(財)と人(人的資本)とお金(資本)がどのような関係にあり、また、それを分析するにはどのような視点があるのかを学ぶことは、必ず役に立つ。また、物の生産と消費は、環境問題とは無縁ではなく、環境問題は、食料問題と無縁ではない。これらの関係を知ることも現代社会で生きるためには必須である。
【履修上の注意】経済学を専門としない学生の履修は可能だが、ミクロ経済学・マクロ経済学の単位取得済でないと、かなり難易度が高い。それを意識して履修登録をすること。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 井川一宏・林原正之・佐竹正夫・青木浩司編著, 基礎 国際経済学, 中央経済社, ISBN:4-502-64043-3
  2. 澤田康幸, 基礎コース 国際経済学, 新世社, ISBN:4-88384-061-1
  3. 野口旭, グローバル経済を学ぶ, ちくま新書, ISBN:978-4-480-06363-2
<授業計画の概要>
第1回:ガイダンスと現在のグローバル経済の現状
主な内容:
1) 履修のガイダンス
2) 科目全体の考え方
3) グローバル経済の指標 − 世界銀行による指標
4) アジアの経済発展と日本

第2回:グローバル経済の現状と歴史的背景
主な内容:
1) イギリスの覇権からアメリカの覇権
2) 戦後の通商体制 GATT=WTOとIMF
3) 地域統合
4) 新興国経済 NIESとBRICs

第3回:国際経済の理論1:
主な内容:
1) 貿易の便益
2) リカード・モデル

第4回:国際経済の理論2
主な内容:
1) 貿易の便益続き
2) ヘクシャー=オリーン・モデル

第5回:国際経済の理論3
主な内容:
1) 規模の経済に基づいた貿易
2) 集積の発生と空間

第6回:国際経済の理論 4
主な内容:
1) 貿易政策
2) 貿易政策の効果
3) 保護貿易のメリットとデメリット

第7回:国際経済の理論 5
主な内容:
1) 生産要素の国際移動
2) 企業の海外進出
3) 海外直接投資

第8回:国際経済の理論6
主な内容
1)国際収支(再考)
2)国際金融システム(変動相場制と固定相場制)
3)債務危機と通貨危機
4)日本の経験


第9回 前半の振り返り
1〜8回の講義についてまとめる


第10回: 食料問題の現状と基礎理論
主な内容:
1) 世界の食料が抱える問題
ミルストーン他(2009)
2) 食料経済学
日暮(2002)、時子山他(2003)
3) フードシステム
農水省資料
4) 食料供給を悪化させる問題
ミルストーン他(2009)
5) TPPを考える(広くグローバル経済との関連を考える)
 
第11回:環境問題全般と食料と関係が深い環境問題 1
主な内容:
1)環境問題の分類と理解
2)代表的な環境問題
3)気候変動
4)森林減少

第12回:環境問題全般と食料と関係が深い環境問題 続き1
主な内容:
1)代表的な環境問題
2)森林減少

第13回:環境問題全般と食料と関係が深い環境問題 2
主な内容:
1) 生物多様性と生物資源
2) 名古屋議定書直前の状況にかんするビデオ


第14回:環境問題全般と食料と関係が深い環境問題 2
1)生物資源に関する動画の鑑賞

第15回:食料と環境問題に関するユニークな視点
− 遺伝子組み換え作物
主な内容:
1) 遺伝子組み換え生物とは
2) 遺伝子組み換え作物の実態
3) 遺伝子組み換え作物に関するビデオ鑑賞
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
担当教員は、1996〜2008年に、さくら総合研究所及び日本総合研究所において、海外調査部門に所属し、実務経験がある。この間、中央官庁からの委託調査により、特に、東南アジア地域を中心に、実務としての研究調査業務を行った。これにより、特に、新興国の経済状況には精通しており、この知識と経験を生かして講義を実施する。
また、本教員は、2006〜2010年において、国連生物多様性条約への日本政府代表団の一員を務めた。ここで得られた国際状況に関する知見も生かして、講義を実施する。