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授業科目名 民法I
時間割番号 LSS220
担当教員名 稲田 和也
開講学期・曜日・時限 前期・水・I 単位数 2
<対象学生>
地域社会システム学科2・3・4年生
<授業の目的および概要>
民法は、個人の財産や取引、家族関係など社会生活全般に関連する事項を定める法律であって、市民社会における基本的かつ身近な法律です。また、民法は各種の民事法・商事法の基本法的な地位にあり、これら諸法にその前提となる概念を提供しています。「民法1〜3」では、このような性格を有する民法の基本的概念や思考方法を学習し、今後の発展的学習につなげる。
民法1では、最も基本的な財産の一つである不動産をめぐる法律制度・法律関係を中心に論じることになります。この不動産は経済学や経営学でも重要な財とされており、その法的な性質を理解することが有益です。
<到達目標>
PS4:法律学の基礎と発展
社会における民法の意義と歴史を理解するとともに、民法の基本的な概念である「人」「物」「契約(意思表示)」「物権」の正確な理解に基づいて説明できるようになること。具体的には、民法の条文を正確に引用し、事例をあげて、文章で説明できるようになること。
<授業の方法>
講義形式で行います。
1.六法持参の前提で講義をします。
2.講義中自ら考える習慣や復習のために問答式の双方向のやり取りを適宜導入する予定です。。
3.ノートの整理等の復習がなされていることを前提として講義を進行します。また、特に予習を求める場合は講義中に指示します。
4.進捗状況によっては、小テストやレポートを課す場合があります。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 100  %法律制度の知識とともに、法的思考の適切さ、文章表現の適切さを問います。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
本講義では、民法の基本的な原則と不動産所有権等の物権を取り上げて講義します。
特に不動産については、みなさんにとって縁遠い存在かもしれませんが、将来自宅を購入する、相続をする、あるいは企業で工場等を取得するなど、社会生活の様々な場面で登場してきます。また、民法は不動産を前提に構成されている条文も多く、民法学習には不可欠な概念ですので、理解を深めるようにしてください。
<テキスト>
  1. ・教科書は指定しません。
  2. ・六法(コンパクト版)を持参すること。
<参考書>
  1. 潮見佳男, 民法(全) 第2版, 有斐閣, ISBN:978-4-641-13812-4,
    (民法1〜3共通の参考書です。少し値段は張るものの、民法が試験科目となっている試験を受験予定の人は自習用としても有益です。)
<授業計画の概要>
第1回:ガイダンス。民法の全体像(編別のしくみ、民法の歴史等)
第2回:民法の基本理念(信義則、権利濫用)
第3回:財産法の主体1(民法上の人とその能力)
第4回:財産法の主体2(制限行為能力者制度)
第5回:法律行為1(心裡留保、虚偽表示)
第6回:法律行為2(錯誤、詐欺、強迫)
第7回:物権1(物権の客体としての物と所有権)
第8回:物権2(物権変動論1)
第9回:物権3(物権変動論2)
第10回:物権4(占有権と占有訴権)
第11回:物権5(相隣関係と所有権の限界)
第12回:物権6(共有、区分所有権)
第13回:物権7(物権的請求権)
第14回:物権8(地上権・地役権。不動産賃借権)
第15回:まとめ

なお、学生諸君の理解度、興味に応じて、上記予定を変更する場合がある。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
企業法務担当者としての不動産実務(買収、処分など)を通じて得た経験を踏まえて授業を行う。