山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名
臨床薬理学・薬剤学
担当教員
小口 敏夫
時間割番号
単位数
履修年次
期別
DMC206 1 2 後期
[学習目標]
現在の医療の多くは薬物療法により行われ、また医療事故においても医薬品が関与する場合が多いことから、医薬品を適切に管理し最適に使用することが、医師をはじめとする医療従事者に求められている。本講義では、医薬品との正しいかかわり方や医薬品投与後の体内動態などを学び、医薬品情報をより深く理解して薬物治療を最適化に応用するための基礎的知識・手法を習得する。
[授業計画
講義内容や順序は適宜変更する可能性がある。なお、毎回講義のなかで出席カードの代わりに小テストを配布して講義ごとの理解度の確認を行う。

第 1回 イントロダクション
第 2回 医薬品添付文書
第 3回 処方せんの書き方
第 4回 薬物動態の基礎、調剤概論
第 5回 薬物速度論1:コンパートメントモデル、血中濃度半減期、分布容積
第 6回 薬物速度論2:クリアランス、腎排泄型・肝代謝型薬物、AUC
第 7回 薬物速度論3:TDM、ポピュレーションファーマコキネティックスの基礎
第 8回 薬物速度論4:高齢者、小児などの薬物動態の特徴
第 9回 薬物速度論5:疾患時の薬物動態の変化
第10回 医薬品の有害作用
第11回 剤形
第12回 製剤技術
第13回 ドラッグデリバリーシステム
第14回 まとめ 
第15回 演習
[到達目標]
薬物治療を実践するに当たり、用いる医薬品を薬物動態学および薬剤学的な視点から薬物治療の基本原理を捉え、医薬品適正使用についての正しい医学知識を身につけると共に問題解決能力を養う。

 1.医薬品の使われ方と効き目の考え方を説明できること。
 2.血中薬物濃度の重要性が説明できること。
 3.医薬品や(健康)食品の定義を述べられること。
 4.薬物の生体膜輸送様式が説明できること。
 5.バイオアベイラビリティについて説明できること。
 6.分布容積について説明できること。
 7.薬物代謝過程や肝初回通過効果について説明できること。
 8.医薬品情報の情報源について説明できること。
 9.医薬品添付文書の各項目の意義について説明できること。
10.重要な薬物動態値について説明できること。
11.薬物動態を考えるときのモデルについて説明できること。
12.腎排泄型薬物と肝代謝型薬物の特徴の違いを説明できること。
13.薬物腎排泄能に対する投与量の補正が計算できること。
14.医薬品添付文書の薬物動態の記載から、必要な情報が抽出できること。
15.薬物相互作用の種類を列記できること。
16.薬力学的相互作用と薬動力学的相互作用の違いを説明できること。
17.薬物トランスポーターについて説明できること。
18.薬の代謝に関する薬物相互作用について概説できること。
19.薬の有害事象について、その定義を説明できること。
20.ADRの分類について概説できること。
21.医薬品の開発における非臨床試験、臨床試験の内容を概説できること。
22.新薬の安全性について説明できること。
23.日本の代表的な薬害について、それぞれ概説できること。
24.薬害の原因と薬害を起こさないための注意について説明できること。
25.法的にも適切で、処方意図を反映した処方せんを作成できること。
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
薬剤師として実務経験のある教員が、臨床現場での医薬品の適正使用を踏まえ講義を行っている。
[評価方法]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 80  %授業理解度および問題解決力を評価する。 
2受講態度 20  %出席状況を評価する。遅刻、受講態度、退室等は状況により減点する。 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
  1. 日本臨床薬理学会, 臨床薬理学 第3版, 医学書院, ISBN:978-4-260-01232-4