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授業科目名
神経科学
担当教員
竹田 扇/小泉 修一/喜多村 和郎/小田 賢幸/大塚 稔久/萩原 明/山内 肇/濱田 駿/地本 宗平
時間割番号
単位数
履修年次
期別
DMB205 2 2 前期
[学習目標]
神経系は、他の器官と異なり、個体が外界と作用するために発達した器官である。従来は、解剖学、生理学、生化学などの基礎医学体系の一部として学習されてきたが、近年、神経系に関する分野横断的研究が飛躍的に進展し、「神経科学(Neuroscience)」という、新たな学問体系が構築された。そこで、解剖学、生理学、生化学、薬理学に分散していた神経科学関連講義を集結し、旧来の学問体系を超えた総合的な理解を可能とするようなカリキュラムを準備した。本講では神経系の構造、機能、物質基盤を統合的に理解することを学習目標とする。様々な精神・神経疾患やその関連疾患を神経科学的視点で理解できる基盤を身につける。
[授業計画
1     4月  9日 (木) 時限 3 担当:竹田	神経科学の歴史と概論
2 4月 9日 (木) 時限 4 担当:竹田 神経の基本的構築と基本概念
3 4月 14日 (火) 時限 3 担当:竹田 神経発生学 (試験1)
4 4月 14日 (火) 時限 4 担当:久冨 髄膜、脳室と血管の解剖
5 4月 16日 (木) 時限 3 担当:竹田 脊髄の解剖 (試験2)
6 4月 16日 (木) 時限 4 担当:竹田 脳幹の解剖1
7 4月 21日 (火) 時限 3 担当:竹田 脳幹の解剖2 (試験3)
8 4月 21日 (火) 時限 4 担当:竹田 末梢神経系概論
9 4月 23日 (木) 時限 3 担当:竹田 自律神経系概論 (試験4)
10 4月 23日 (木) 時限 4 担当:竹田 神経伝導路概論
11 4月 28日 (火) 時限 3 担当:成田 視覚系の解剖 (試験5)
12 4月 28日 (火) 時限 4 担当:大塚 シナプスの微細形態
13 4月 30日 (木) 時限 3 担当:大塚 シナプス伝達の生化学
14 4月 30日 (木) 時限 4 担当:成田 聴覚系の解剖
15 5月 8日 (金) 時限 3 担当:成田 大脳基底核の解剖 (試験6)
16 5月 8日 (金) 時限 4 担当:成田 小脳の解剖
17 5月 12日 (火) 時限 1 担当:吉村 間脳の解剖 (試験7)
18 5月 12日 (火) 時限 2 担当:小泉 グリア細胞の特徴と機能
19 5月 12日 (火) 時限 3 担当:岩野 大脳皮質の解剖1
20 5月 12日 (火) 時限 4 担当:宇賀 体性感覚の生理
21   5月 13日 (水) 時限 1 担当:小泉 痛みの神経科学
22   5月 13日 (水) 時限 2 担当:岩野 大脳皮質の解剖2
23   5月 15日 (金) 時限 1 担当:吉村 大脳辺縁系の解剖 (試験8)
24   5月 15日 (金) 時限 2 担当:宇賀 平衡感覚の生理
25   5月 19日 (火) 時限 1 担当:地本 音声・聴覚の生理
26   5月 19日 (火) 時限 2 担当:宇賀 視覚の生理1
27   5月 19日 (火) 時限 3 担当:宇賀 視覚の生理2
28   5月 19日 (火) 時限 4 担当:宇賀 味覚・嗅覚の生理
29   5月 26日 (火) 時限 1 担当:未定 演習 (試験9)
30   5月 26日 (火) 時限 2 担当:予備
31   5月 26日 (火) 時限 3 担当:予備
32   5月 27日 (水) 時限 1 担当:喜多村 脊髄・反射の生理
33   5月 27日 (水) 時限 2 担当:喜多村 大脳運動野の生理
34   6月 2日 (火) 時限 1 担当:喜多村 大脳基底核の生理
35   6月 2日 (火) 時限 2 担当:喜多村 小脳の生理
36   6月 3日 (水) 時限 1 担当:喜多村 感情
37   6月 3日 (水) 時限 2 担当:喜多村 学習・記憶
38   6月 5日 (金) 時限 1 担当:喜多村 脳波・睡眠
39   6月 5日 (金) 時限 2 担当:喜多村 言語機能
40   6月 9日 (火) 時限 1 担当:予備
41 6月 9日 (火) 時限 2 担当:宇賀 高次機能
42 6月 10日 (水) 時限 2 担当:田中(北大)特別講義(生理) 
43 6月 11日 (木) 時限 1-2 担当:高本 (NCC) 特別講義(解剖)
44 6月 18日 (木) 時限 1-2 担当:岡部(東大)特別講義(解剖)
45  6月 23日 (火) 時限 1-2 担当:森(千葉大)特別講義(解剖)
46 1月 7日 (木) 時限 1-5 担当:脳解剖実習
47 1月 8日 (金) 時限 1-5 担当:脳解剖実習

<実習について>
脳解剖実習を、1月にミクロ1回、マクロ5回の計6回行う。ミクロは解剖学Aで既に総論を学んだので、ここでは小脳など特徴的な組織構築に関してのみ構造機能連関を学ぶ。またマクロではホルマリン固定したヒト脳を解剖し、講義で学んだ構造相互の位置関係を3次元で学習し、画像診断学、脳神経外科学理解の基盤を構築する。実習の欠席は原則として認めない。

<出席調査>
1限9:00 、2限10 : 40、3限13:10、4限14 : 50までに着席すること。
2/3 以上の出席が必要。

<プリント配布>
講義に使用する資料は、CNSに掲示する。

<試験>
中間試験、前期末試験及び再試験を行う。
講義の出席が2/3に満たないものは、受験を認めない(再試験も不可)。
選択式および記述式の問題を出題する。
中間試験、前期末試験で得点率15%未満のものは不合格とし、再試験の受験を認めない。

解剖学分野:前期の講義においては全部で9回の小テスト (15分)を実施する。
範囲は原則として試験前の2回の講義で扱った内容とする。
3回毎に平均点を算出し、得点率が60%未満の者には口頭試問を課す。口頭試
問に合格しない者には9月の定期試験期間に全範囲を対象とした再試験を課す。
後期の実習においては実習筆記試験を実施する。

生理学分野(生化学、薬理学含む):本試験および再試験を8−9月の定期試験期間に行う。

<進級の必要条件>
原則として、すべての試験において得点率60%以上で合格。
[到達目標]
到達目標:
医学知識と問題対応能力
1.神経系に関する主要な概念を理解し、これを適切な用語を用いて説明できる。
2.ヒトの神経系の構造と機能に関して概要を説明できる。
3.主要な神経回路、伝導路の構造と機能に関して説明できる。
4.中枢神経系とそれを取り巻く構造を三次元的に説明できる。
5.神経系における、分子、細胞、組織、臓器、機能システム及び個体の各レベルでの機能と、この階層化に伴う機能統合を説明できる。
6.正常機能が障害をうけた時の臨床症状を論理的に説明できる。

生涯にわたってともに学ぶ姿勢
 英語論文を読み、考察をレポートにまとめることで、最新の医学知識を手に入れ、情報を客観的・批判的に整理する能力を身につける。
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
医師として実務経験のある教員が講義を行っている。
[評価方法]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 85  %解剖学分野は9回にわたる小テストの合計点 (100点満点換算)および実習筆記試験で成績評価を行なう。生理学分野(生化学、薬理学含む)は本試験および再試験の得点で成績評価を行う。神経科学の主要な概念、神経系の構造と機能を理解し説明できる。 
2小テスト/レポート 10  %レポートのまとめ方から観察力・課題探求・解決能力を評価する。 
3受講態度 5  %受講態度が悪い場合は欠席扱いとすることがある。 
[教科書]
  1. Purves, Augustine, Fitzpatrick, Hall, Lamantia, White, Neuroscience, 5th edition, Sinauer Associates, ISBN:978-0878939671
[参考書]
  1. 寺島俊雄, カラー図解 神経解剖学講義ノート, 金芳堂, ISBN:9784765315067
  2. 井出千束 訳, カラー臨床神経解剖学 機能的アプローチ, 西村書店, ISBN:4890133372
  3. 萬年甫 原一之, 脳解剖学, 南江堂, ISBN:9784524201884
  4. Kandel他, カンデル神経科学, メディカルサイエンスインターナショナル, ISBN:978-4895927710,
    (Principles of Neural Science, McGraw-Hill, ISBN:978-0071120005)

  5. 本間研一 (監修), 標準生理学 第9版, 医学書院, ISBN:978-4260034296
  6. Todd W. Vanderah & Douglas J. Gould, Nolte’s the Human Brain, Elsevier, ISBN:978-1455728596
  7. 千田隆夫 小村一也, プラクティカル解剖実習 脳, 丸善出版, ISBN:978-4621086148