山梨大学電子シラバス>検索結果一覧>授業データ



授業科目名 データサイエンス入門
時間割番号 CDS001 A
担当教員名 鈴木 一克
開講学期・曜日・時限 後期・火・III 単位数 2
<対象学生>
教育学部(科学教育コース)1年生
<授業の目的>
 この授業ではディジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」の基礎知識と基本技能を習得します。
 科学と技術の急速な進歩により、日常生活や様々な職業上の業務においてコンピュータが手作業に取って代わりつつあります。それに伴って様々な電子データが世にあふれ、それらを分析・活用するために統計学、数学、コンピュータ科学にまたがるデータサイエンスという分野が台頭してきました。
 特に、この4半世紀の間に個人用コンピュータの性能とインターネット技術が目覚ましい進歩を遂げたことや統計解析用ソフトウェアが開発されたことにより、個人でデータを収集し、それを可視化したり分析したりできるようになりました。また、かつては理論上のみの話であった計算が最近では実現可能になりつつあります。その代表の一つがAI(Artificial Interigence; 人工知能)と呼ばれるものであり、近年のAIの基礎は、大量のデータを、コンピュータを用いて分析するデータサイエンスとそれらのデータからある問題の解決方法を導き出す機械学習にあります。データサイエンスとAIは様々な職業分野に浸透し始めています。
 データの分析結果や機械学習の結果は、それらのもとになったデータの信頼性と分析手法に依存します。世にあふれるデータは玉石混交であり、しかも各種メディア上でまことしやかに流される、信憑性に欠けるデータやデータ分析結果が人々を惑わせることが多々あり、ときにはそれらが思わぬ問題を引き起こす場合もあります。そのため、データやその分析結果を見極めるための素養を私たちは身に付けておく必要があります。また、自らがデータを扱うことも想定し、適切なデータを収集する手法、それらのデータを適切に整理する手法、そしてそれらのデータを分析するための基本的な手法を学ぶ必要があります。
 最近、世の中ではAIが話題になることが多々あり、AIが人間に勝ったという表現が使われることもありますが、AIは魔法の杖ではありません。それにできることやそれが導き出した解の信頼性などを吟味するための素養も私たちは身に付ける必要があります。
 このような世の中の変化に鑑みて、本講義ではデータサイエンスとAIについて全体を概観します。
<到達目標>  到達目標とは
《 学位授与方針(DP)に関連するキーワード》
多様な知識の獲得、様々な学問分野の考え方、コミュニケーション・スキル、情報リテラシー、数量的リテラシー、論理的思考力、問題解決力
《到達目標》
・データサイエンスの活用事例を説明できること。
・確率と統計の様々な概念を説明できること。
・Excelを使って統計グラフの作成と代表値・統計量の計算ができること。
・データの相関について説明できること。
・データ分析のための手法である回帰分析のアルゴリズムを説明できること。
・機械学習とAIがどのような技術であるかを説明できること。
<授業の方法>
・授業の実施場所および実施方法は、実習室ではなく、オンラインかつオンデマンド動画配信とします。授業実施の曜日と時間に各自の自宅または都合の良い場所で受講してください。(状況の変化によって、途中から対面式授業に変更する場合もあり得ます。)
・授業は、講義(動画配信および資料配布)、小テスト、およびパソコン演習の形式で行います。パソコン演習がない回もあります。
・毎回の授業のお知らせ、動画や配布資料等の公開、小テストなどは、Moodle上で行います。こまめにMoodleを確認してください。
・パソコン演習ではMicrosoft Excelを使用します。演習の実行結果を提出してもらう場合もあります。自宅等にパソコンがあるけれどもExcelを持っていない学生さんは、大学のCNSアカウントで利用できる Office365 を使ってください。WindowsでもMacでも利用可能です。パソコンを持っていない学生さんは授業担当教員に相談してください。
・授業の進み具合に応じて授業の内容や順序が変更になることがあります。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 90  %毎回の授業の小テストや演習課題レポート等の提出 
2受講態度 10  %授業への取組(質問や感想等の積極的な提出) 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
情報通信技術の進化に伴って生活環境が急速に変化する現代において、データサイエンスは、文系・理系に関係なくより良い生活を送るうえで必要な技能です。その考え方や基本的な手法を身に付けておけば、日常の様々な場面でも役に立つはずです。知識を吸収するだけでなく、物事を様々な角度から眺め、自分で深く考える姿勢を養いましょう。
<テキスト>
  1. 竹村彰通・姫野哲人・高田聖治 編/和泉志津恵・市川治・梅津高朗・北廣和雄・齋藤邦彦・佐藤智和・白井剛・高田聖治・竹村彰通・田中琢真・姫野哲人・松井秀俊 共著, データサイエンス大系 データサイエンス入門, 学術図書出版社, ISBN:978-4-7806-0701-7
<参考書>
  1. 景山三平 監修/大田靖・宿久洋 編修, 事例でわかる統計シリーズ 教養のための統計入門, 実教出版株式会社, ISBN:978-4-407-33284-1
  2. 小寺平治, ゼロから学ぶ統計解析, 講談社, ISBN:978-4-06-154656-2
  3. 宇多賢治郎, 教育の場で「説明する」ためのパソコン術, 学文社, ISBN:978-4-7620-2699-7
  4. 富士通エフ・オー・エム, よくわかる Microsoft Word 2019 & Microsoft Excel 2019 & Microsoft PowerPoint 2019, FOM出版, ISBN:978-4-86510-399-1
<授業計画の概要>
第1回 データサイエンス概論
第2回 オープンデータの取得と整理(e-Statからのデータ取得)、Excelの基礎1
第3回 Excelの基礎2
第4回ベクトルと行列の基礎(ベクトルと行列の定義、加減乗算)
第5回 統計のグラフ(棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、積み上げグラフ)
第6~7回 ヒストグラムとデータの代表値(ヒストグラム、箱ひげ図、平均値、中央値、最頻値、分散、不偏分散、標準偏差)
第8回 相関(相関係数、相関と因果、疑似相関)
第9回 回帰分析(相関係数、回帰直線、決定係数)
第10回 確率と場合の数(順列、組合せ、場合の数、確率、大数の法則)
第11回 確率分布(確率変数、確率密度関数)
第12回 二項分布
第13回 正規分布
第14回 推測統計(全数調査と標本調査)
第15回 機械学習・AI概論