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授業科目名 頭と身体の運動学
分類・系統健康福祉 心身・芸術系
時間割番号 CAH006
担当教員名 木島 章文
開講学期・曜日・時限 後期・月・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的>
身体は肉と骨,そしてこれを動かす神経系で出来上がっている。身体を動かし,他者と連携することで我々の生活は成り立っている.しかし我々はその仕組みを逐一理解しながら動いているわけではない(箸の動作をいちいち確認しながら飯を食う人間は皆無だろう)。こういった,日ごろは意識されない身体動作の仕組みを、「頭と身体で」理解することが講義の目的となる。これら総ての仕組みを理解することは,医学・生命・環境科学を専門とする学生においては当たり前のこと,物理環境に作用を及ぼす機械・ロボット構築を志す学生あるいはヒトがうごめく環境や建造物の構築を志す学生においても必要な知識である.
<到達目標>  到達目標とは
歩いて移動する動作や車あるいは自転車でブレーキをかける動作など,日常から慣れ親しんだ動作の仕組みの精巧さに敬意をを得ること.それらの制御と学習の機構に関して,物理あるいは神経科学の理論に基づいた指針を持てること.
<授業の方法>
moodle上に掲示したリアクションペーパー(質問,コメント)を土台にした講義.アクティブラーニングの態度を全面的に表明し,前半30分は受講生から寄せられた質問,コメントで授業を組み立てる.global education のattitudeに基づき,多くの英文資料を日本語で解説し,グローバルな知識を受講生と共有したいと考えている.
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %授業の理解度により評価する。 
2小テスト/レポート 50  %授業の理解度により、受講生の質問を評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
授業中1コマを,最先端の身体運動科学に関する大学院特別教育プログラム(協応行動科学)の講演会視聴に充てる.Zoom開催.本年度はダンスと音楽演奏に関する内容である.この開催時刻は授業中に告知する(12月中を予定).
<テキスト>
  1. 樋口貴広・森岡 周, 身体運動学−知覚・認知からのメッセージ, 三輪書店, ISBN:4895903192
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
1 ガイダンス
2 「あれ,なんか私の身体が変だよ?」:頭と身体がつくる不思議体験
3 頭を騙して,身体を治す:頭がつくる身体の意識
4 注意:目が向いているのに見えていない,目が向いているのに見えている?
5 「みて,感じる」タイミングで世界が変わる:環境の変化は我々の意識をどう立ち上げるか?:
6 1秒先の未来を予見する1:頭と身体を仲介する知覚情報
7 1秒先の未来を予見する2:光学的流動と慣性モーメントの利用
8 「お前どこみてんの?」:移動行為における視線の機能
9 不必要にたくさんのセンサーと情報:多くの身体図式の統合的性質
10 未来を予見する身体の知識:環境情報の身体図式への取り込み
11 読み書きと何が違う?:運動学習の考え方
12 こうするにはああする,ああすればこうなる:動作の予測制御
13 滑って転んで,壊して立て直す:全身協応技能の自己組織性
14 MJを見続ければNBAに行けるのか?:観察学習の限界と効用
15 身体運動科学の最先端(Zoom講演会の視聴)
<JABEEプログラムの学習・教育目標との対応>
《土木環境工学科》
(A) 技術者の責務の自覚
 様々な知識を修得し、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者の社会に対する責任を理解して、これを説明することができる。