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授業科目名
担当教員
振動工学
野田 善之
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TME214 2 (未登録) 2 後期 II
[概要]
機械システムにおいてあらわれる振動現象のモデル化と解析手法を身につける。機械系技術者として,振動現象の解析能力や,解析結果に基づいて動的設計を行う能力は必須である。
そこで,実際の振動現象を例として,モデル化,解析,動的設計に関する講義と演習を行い,これらの基礎力を身につける。
[具体的な達成目標]
1.自動車やロボットなどの動的システムで現れる振動現象を,質点・ばね・ダンパを用いた近似モデルで記述できる。
2.近似モデルを用いて固有振動数や固有振動モードを求め,振動現象の本質を説明できる。
3.振動現象を自由振動や強制振動,あるいは過渡振動や定常振動の観点から切り分けて説明できる。
4.多自由度系の振動を1自由度系の振動に分解することができる。
5.振動現象の解析に基づいて,振動対策のための具体的な対策を講じる能力
[必要知識・準備]
本科目を履修する上で、以下の知識が必要となる。
1.質点・剛体の力学(特に,ニュートン・オイラーの運動方程式、ラグランジュの運動方程式)
2.理工系の数学(特に,微分方程式、フーリエ変換,ラプラス変換、ベクトル・行列 etc)
☆カリキュラムの中の位置づけ
 本科目の前に開講されている「線形代数学I・II」,「微分積分学I・II」,「基礎物理学I・II」,「微分方程式」,「応用数学」,「応用物理学」,「機械力学」を履修しておくこと。
また,本科目に続いて開講される「制御工学」を履修する前提として,本科目の単位を取得することが望ましい。
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 45  %実践的な多自由度振動系に対するモデル化とその振動特性の解析できる能力を評価する。 
2試験:中間期 45  %振動現象の基本となる1自由度振動系に対するモデル化とその振動特性の解析できる能力を評価する。 
3小テスト/レポート 10  %各講義における基本的な内容の記述および応用力を評価する。 
[教科書]
  1. 吉川・松井・石井, 機械の力学, コロナ社, ISBN:9784339042733
[参考書]
  1. 日本機械学会編, JSMEテキストシリーズ 振動学, 丸善, ISBN:9784888981286
[講義項目]
 1回 授業の概要(授業概要,達成目標,実社会における振動現象の事例紹介)
 2回 振動に関する基礎事項(振動の表し方,力学モデル,自由度,調和振動)
 3回 振動系の基本要素(慣性要素,復元要素,減衰要素)
 4回 1自由度非減衰系の自由振動(自由振動,固有振動,直線振動系,回転振動系)
 5回 1自由度粘性減衰系の自由振動(ダンパ,臨界減衰,減衰比,減衰固有振動数)
 6回 1自由度粘性減衰系の強制振動(強制振動,加振力,過渡振動,定常振動,振幅比と位相)
 7回 1自由度粘性減衰系の強制振動(周波数応答,共振現象,共振周波数,共振倍率)
 8回 これまでの総括・まとめ
 9回 中間期評価
10回 ラプラス変換と伝達関数(微分方程式,ラプラス変換,伝達関数)
11回 周波数伝達関数(周波数伝達関数,ボード線図)
12回 多自由度振動系の振動(固有振動数,固有振動モード,固有値解析)
13回 多自由度振動系の振動(モード座標,非連成化,モード質量,モード剛性)
14回 多自由度振動系の振動(自由振動,非連成化の具体的イメージと利用法)
15回 多自由度振動系の振動(強制振動,伝達関数,周波数伝達関数)
16回 これまでの総括・まとめ
17回 総括評価:まとめ
なお,各回の授業内容は,進捗に応じて変更する場合がある。
[教育方法]
・本講義では反転授業の形式で授業を進める。授業前に講義ビデオによる受講と演習課題を行い、授業中は講義内容の確認と演習課題の解答説明、理解を深めるための発展問題を行う。
・講義では,ビデオ、アニメーションを可能な限り用いて、振動現象と数式の対比をイメージできるように教育する。
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
担当教員は自動車製造業での機械設計に関する実務経験を有する。その実務の中で体験した、振動工学を用いた動的設計の具体例を説明しつつ、発展問題では機械設計における振動問題の具体例を提示する。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
・講義に関する連絡はYins-CNSを通じて行う。
・オフィスアワーは授業終了後