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授業科目名
担当教員
組込み情報処理演習
古屋 貴彦
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
TCS323 1 (未登録) 3 後期 III
[概要]
科目「組込みシステム」,および,科目「ディジタル信号処理」の内容に対応した統合的な演習を行う.
受講生は,シングルボードコンピュータ Raspberry Piを用いた組込みシステムの開発実習を通じて,組込みシステムの制御方法を身に付けると共に,組込みシステムの基本動作を理解する.
本科目の前半では,組込みシステムを開発するための環境を構築し,スイッチ・LED・センサ等を組み合わせた組込みシステムを開発する.
後半では,前半に開発したシステムをもとに,音声または画像に対して知的情報処理を行う組込みシステムを開発する.
[具体的な達成目標]
(1) 計算資源の制約条件を考慮した上で,実用的に動作する組込みシステムを設計し実装できること.
(2) 「複数タスクとそれらのイベント駆動」方式の組込み制御について説明できること.
(3) 「複数タスクとそれらのイベント駆動」方式の組込み制御に必要なタスク,イベント,および状態遷移を適切に定義できること.
(4) Raspberry Piを用いた組込み開発に必要なツールと手法に関する十分な知識を持ち,それらを活用できること.
[必要知識・準備]
3年前期科目「組込みシステム」の履修経験と,3年後期科目「ディジタル信号処理」の並行履修を前提とする.
2年前期科目「ハードウェア基礎実験」の履修経験があることが望ましい.
また,Linuxオペレーティングシステムの基本的な使い方,特に,CUIによるファイル操作・ファイル転送,Emacs等によるテキスト編集を習得済みとする.
Pythonをプログラミング言語として使用する.Pythonでのプログラミング経験は不要であるが,準備として,Pythonの基本文法とクラス定義方法を習得しておくことが望ましい.
[評価方法・評価基準]
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 90  %全 3 回のレポート課題において,組込み情報処理の理解度,実装の完成度,報告の詳細度,実験を通して得た知見の質と量を評価する. 
2受講態度 5  %演習に関する有益な質問・問題解決法の提示等を行った受講生に対し加点する. 
3発表/表現等 5  %演習において作成された成果物を評価する. 
[教科書]
(未登録)
[参考書]
(未登録)
[講義項目]
第1回 Raspberry Piおよび開発用PCのセットアップ (1)
第2回 Raspberry Piおよび開発用PCのセットアップ (2)
第3回 クロス開発環境の構築
第4回 スイッチによるLEDの制御 (1)
第5回 スイッチによるLEDの制御 (2)
第6回 センシングとIoT (1)
第7回 センシングとIoT (2)
第8回 簡易音楽プレイヤー
第9回 音声認識と音声合成 (1)
第10回 音声認識と音声合成 (2)
第11回 簡易デジタルカメラ
第12回 簡易防犯カメラ
第13回 物体認識 (1)
第14回 物体認識 (2)
第15回 物体認識 (3),まとめ
[教育方法]
コンピュータ理工学科実験室にて,Raspberry Pi 2 Model Bと開発用ノートPCを用いた演習を実施する.
演習形態は個人とする.つまり,受講者1人に対し演習道具1セットを貸し出す.
受講者は,担当教員が用意した演習資料に沿って作業を行う.必要に応じてインターネット等を利用して情報収集を行う.
レポートを作成するために,設計内容,作業内容,実験結果,参考資料等を記録に残しつつ実験を行う.
[実務経験のある教員による授業科目の概要]
担当教員は,マイクロコンピュータおよびリアルタイムOSを用いた組込みシステム開発の実務経験を有する.開発業務において担当教員は,計算資源や時間の制約条件を考慮した上で,実用的に動作する組込みソフトウェアを設計・実装・テストした.
大規模な組込みソフトウェアの設計では,不備がないよう,各種のドキュメント (タスク・イベントリスト,状態遷移表,制御フロー図,タイミングチャート等)を適切に作成することが重要である.本演習が扱う小規模な組込みシステムにおいても,これらのドキュメント (特に,タスク・イベントリスト,状態遷移表)の作成を通して,不備のない設計を目指す.
また,本演習では,マイクロコンピュータおよびリアルタイムOSの代わりに,Raspberry Piおよび組込み向けLinuxを用いる.組込み向けLinuxのスレッドをリアルタイムOSにおけるタスクに見立てることで,一般的な組込みシステム開発に類似した方式の演習を行う.
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
(未登録)
[その他]
本科目では,演習に必要なファイルの配布およびレポート提出等のために,山梨大学 e-Learning システム(Moodle)を使用する.
http://moodle.yamanashi.ac.jp/