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授業科目名 比較憲法論
時間割番号 LSS318
担当教員名 石塚  迅
開講学期・曜日・時限 前期・木・I 単位数 2
<対象学生>
生命環境学部地域社会システム学科3年生(以上)、および本科目の内容に関心をもつ者すべて
<授業の目的および概要>
憲法というものは価値規範(「〜すべき」の世界)である。それゆえ、時代によっても、地域によっても、その内容を異にする。言い換えれば、ある国の憲法の内容は、その国家や社会の状況を一定程度において反映している。本講義では、世界の主要国(イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、中国、韓国)の憲法の内容を比較の視点から検討することを通じて、憲法の基本概念についての理解を深めるとともに、それぞれの国が抱える政治・経済・社会問題を省察する。それら学習を通じて、人権・立憲主義・民主主義の普遍性、日本と国際社会との共生のあり方について、受講生全員で議論したい。
<到達目標>
・PS4:法律学の基礎と発展
国家規範の構造・制定法の基礎にある様々な価値観や法の支配、適正手続等の法原理を理解した上で、日本、諸外国、国際社会の特徴を、憲法学的な観点から把握できること。
<授業の方法>
講義形式で行うが、随時、質疑応答と討論の時間も設けたい。受講生の興味関心に最大限配慮する。受講生は、自らの興味関心に沿って、学期末レポートの作成義務を負う。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 60  %レポート(1回)と授業中課題(数回)。法原理の理解、法的思考の涵養の如何を問う。 
2受講態度 30  %授業中の質疑応答および課題。法的思考を問う。 
3発表/表現等 10  %授業の内容について報告・討論。法的思考を問う。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
世界の主要国の憲法についての基礎知識を修得したい者、世界各国における様々な政治・経済・社会問題に興味をもっている者の受講を歓迎する。「条文を覚える授業」ではなく、「条文から考える授業」を目指すので、肩の力を抜いて受講してほしい。分かりにくい点や授業で取りあげてほしいテーマ等、希望・要望があれば遠慮なく申し出てほしい。
「日本国憲法」を履修済または履修中であることが望ましい。
授業を妨害する行為に対しては,厳しく対処する。
<テキスト>
  1. 初宿正典・辻村みよ子編, 新解説世界憲法集(第4版), 三省堂,2017年, ISBN:9784385313092
<参考書>
  1. 稲正樹・孝忠延夫・國分典子編, アジアの憲法入門, 日本評論社,2010年, ISBN:9784535516717
  2. 高橋和之編, 世界憲法集(新版), 岩波文庫,2012年, ISBN:9784003400210
  3. 辻村みよ子, 比較憲法(第3版), 岩波書店,2018年, ISBN:9784000289191
  4. 君塚正臣編著, 比較憲法, ミネルヴァ書房,2012年, ISBN:9784623063987
  5. 松井茂記, アメリカ憲法入門(第8版), 有斐閣,2018年, ISBN:9784641048232
<授業計画の概要>
第01回:ガイダンス
第02回:近代立憲主義:憲法の意義、憲法の誕生と歴史
第03回:現代立憲主義:全体主義と社会主義、国際人権法
第04回:囚われた議会
第05回:「自由の女神」の放任主義(1)
第06回:「自由の女神」の放任主義(2)
第07回:色づき始めた個人主義
第08回:歴史が紡いだ寛容とその限界
第09回:憲法は国のメモ帳か(1)
第10回:憲法は国のメモ帳か(2)
第11回:まず発展、民主主義は後回し
第12回:学生報告および討論
第13回:学生報告および討論
第14回:調整日(受講生の興味関心・リクエストに応じて取りあげるテーマを決める)
第15回:まとめ(総括)

※第04回から第11回がどの国を指すのかについては、履修後のお楽しみということで。
※受講生の興味関心に応じて、授業内容・進行については弾力的に対応したい。
※国内外のゲストスピーカーを招聘することも検討している。2014年度は中国憲法と東シナ海法的諸問題をテーマに、2015年度は近代日本の憲法観をテーマに、2016年度は近現代中国憲法の変遷をテーマに、2017年度はクラスター爆弾廃絶運動をテーマに、2018年度は総務省の宇宙通信政策をテーマに、それぞれゲストスピーカーによる講演会を実施した。
※講義室の問題がなければ、世界の憲法・人権・民主主義に映像資料も用いる予定である。これまで、イラン映画、韓国映画、ドイツ映画をそれぞれ鑑賞した(もちろん、字幕付き)。