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授業科目名 経済学概論
時間割番号 LSS101
担当教員名 渡邊 幹彦
開講学期・曜日・時限 後期・木・II 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
本科目の目的は、学生が:
1 経済学の基本的な「理論」を説明できる;
2 この理論に基づき「経済政策」とそれに伴う「制度」の変化が社会に与える影響について、解説できる;
3 経済の現状を指標から読み解ける;
4 経済学の歴史を説明できる;
ための知識を講義することである。
<到達目標>
学生は、本科目での学習を通じて、以下のような目標に到達することが期待される。
1 経済学が「どのような学問であるか」「その対象、優位点、限界」について説明できる。
2 経済を図る指標にはどのようなものがあるかを指摘できる。
3 ミクロ経済学、及び、マクロ経済学のキーワードを説明できる。
4 経済学の代表的な学説について関係づけられる。
5 以上をまとめて、経済活動の仕組みと市場の役割を説明し、経済政策と制度設計について、自分なりに評価できる。
<授業の方法>
講義は毎回以下のようなサイクルで実施される。
(1) 前回の講義での小テストの結果が、学生に返却される。
(2) 小テストの内容を教員がレビューする。
(3) 予定されたテーマで講義が行われる。
(4) その日の講義の内容に関する小テストが実施される。
小テストに回答するためには、講義の内容を理解するとともに、自分の意見を述べることが求められる。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:中間期 60  %ミクロ経済学・マクロ経済学の初歩的知識の理解度を評価する 
2小テスト/レポート 20  %講義毎のトピックの理解度を評価する 
3受講態度 20  %事前学習と受講態度で評価する 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
 今日の社会で生きていく上で、「経済」の知識は必須である。「経済」を、客観的・長期的に理解するには、「経済学」が不可欠である。経済学の知識は、3,4年生になって、これと関係ない専門分野を選択しても役に立つ。また、社会人になってからは、経済学の知識により、国や自分の所属する業界の動向を大きな流れで理解することができるようになる。是非、積極的に、学習して欲しい。また、理系の学生の履修を歓迎する。
 尚、履修に際して、高校時代の社会科の履修内容を問わない。一方、経済経営学入門、基礎数学の履修内容を復習しておくことが望ましい。
【注意事項】学生証を忘れた場合には、一切、出席とみなされないので、注意すること。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
  1. 浅子和美・石黒順子, グラフィック 経済学, 新世社, ISBN:978-4-88384-106-6
  2. 池上彰, 池上彰のやさしい経済学 1, 日本経済新聞社, ISBN:978-4-532-35508-1
  3. 池上彰, 池上彰のやさしい経済学 2, 日本経済新聞社, ISBN:978-4-532-35509-8
  4. 伊藤元重, 入門 経済学, 日本評論社, ISBN:978-4-535-55585-3
<授業計画の概要>
1 オリエンテーション・経済学とは何か?
1) 経済学とは何か?
2) なぜ経済学を学ぶのか?
3) 日本経済と世界経済

2 個人/家計の経済行動(消費者の理論)
1) 消費・余暇と所得・貯蓄の決定要因
2) 効用の概念
3) 効用・予算制約・効用最大化

3 企業の経済行動(企業の理論)
1) 企業とはなにか?
2) 利潤最大化
3) 企業の活動

4 市場メカニズム
1) 市場メカニズム
2) 消費者余剰と生産者余剰
3) 市場の限界
4) 資本主義(市場メカニズム)の変化

5 国民所得
1) 国民所得という考え方
2) 「豊かさ」とはなにか?

6 経済の動き
1) 景気という考え方
2) 景気が変化する要因
3) 景気が「悪い」時の対策

7 金融
1) 貨幣とはなにか?
2) 資金の循環・信用創造
3) 金融政策

8 財政
1) 財政の機能
2) 国家予算
3) 財政投融資という考え方
4) 社会保障

9 経済の国際化
1) 貿易の発生と便益
2) 国際収支と為替レート
3) 国際金融機関の役割

10 前半の振り返り
1〜9の講義についてまとめる

11 経済学の思想
1) 古典派経済学
2) 限界革命
3) ケインズの登場
4) 最先端の経済理論

12 経済成長と経済発展
1) 経済成長と経済発展
2) 経済を成長させる要因
3) 第2次世界大戦後の日本の経済の成長


13 経済学の限界
1) 経済学と環境問題
2) 「経済学の失敗」
3) 反成長主義

14 独立したトピック
1) 機会費用(再考)
2) 割引
3) 費用便益分析

15 ゲーム理論
1) 囚人のジレンマ
2) 非協力ゲームと協力ゲーム
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
担当教員は、1996〜2008年に、さくら総合研究所及び日本総合研究所において、海外調査部門に所属し、実務経験がある。この間、中央官庁からの委託調査により、特に、東南アジア地域を中心に、実務としての研究調査業務を行った。これにより、特に、新興国の経済状況には精通しており、この知識と経験を生かして講義を実施する。
また、本教員は、2006〜2010年において、国連生物多様性条約への日本政府代表団の一員を務めた。ここで得られた国際状況に関する知見も生かして、講義を実施する。