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授業科目名 資源循環型ものづくり実習
時間割番号 LEV100
担当教員名 竹内  智
開講学期・曜日・時限 集中・(未登録)・(未登録) 単位数 2
<対象学生>
(未登録)
<授業の目的および概要>
廃食用油から軽油代替燃料であるバイオディーゼル燃料(BDF)を精製する一連の作業を通して、大量生産・消費・廃棄におけるものづくりからリサイクル社会への移行を体験的に学習する。学食や附属学校園、大学病院などから廃食用油を回収する作業やBDFを精製する作業を行う。ナタネやヒマワリの種子から食用油を作りだす搾油を体験し、精製装置の使用電力量を測定してエネルギー使用量を調査する等の環境実践教育を行う。
<到達目標>
廃食用油からBDFを精製する一連の作業や実験を体験しながら、現在の社会から資源循環型社会や低炭素社会への移行について、どのような課題と解決策があるのか学習する。
<授業の方法>
廃食用油の回収や精製作業に携わる。エステル化反応からBDFを作り、品質を測定する。ナタネやヒマワリの種子を搾油する。精製装置の電力使用量 を測定する。バイオマスに関する講義と実験から得たことをレポートにまとめる。このような環境実践教育を集中して行う。
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1小テスト/レポート 30  %実習の内容をよく理解しているかを評価する。 
2受講態度 70  %実習に取り組む姿勢や態度、実験内容の理解を評価する。 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
夏季休業期間を利用した集中の実習として開講する。
開講日等については、後日連絡する。
<テキスト>
(未登録)
<参考書>
(未登録)
<授業計画の概要>
第1回 資源循環型ものづくり実習の導入
物理・化学・生物・地学の視点から地球環境とバイオマスの関係について学習する。説明には、自然循環の内容も盛り込み、循環型社会にとっての資源循環技術の重要性、およびその一例としてバイオディーゼル燃料(BDF)の技術があることを学習するという、科目の目的を説明する。

第2回 バイオディーゼル燃料(BDF)について
BDFのバイオマスとしての特徴及び軽油代替(資源再生型)燃料としての特性について学習する。あわせて、BDF製造法の原理を例として、自然循環の基礎となる物理的、化学的プロセスを学習する。

第3回 精製作業第一段階
大学のBDF精製装置を利用して廃食用油からBDFを精製するために、学生食堂と附属学校園から廃食用油を回収する。

第4回 有価物ゴミ処理
 回収した廃食用油の容器(18リットル缶)を有価物ゴミとして処理する。

第5回 精製作業第二段階
廃食用油から排出される廃グリセリンとBDF中に残留している廃グリセリンを回収する。

第6回 搾油実習
 ナタネやヒマワリの種から搾油を行い、種子の重量と搾油量の関係を調べる。

第7回 BDFのコストパフォーマンス
搾油の歩留まりがどれくらいになるのか、人件費や物品費(メタノールや水酸化カリウム等)を含めたコストパフォーマンスを概算する。

第8回 BDFの品質管理
精製されたBDFの品質を測定し、ポリタンクに輸送する。精製装置で使用された電力料を計測する。

第9回 BDF精製実験1 メチルエステル化
化学実験室において、メチルエステル化反応を利用して廃食用油からBDFを精製する実験を行う(メタノール)。

第10回 BDF精製実験2 エチルエステル化
化学実験室において、エチルエステル化反応を利用して廃食用油からBDFを精製する実験を行う(エタノール)。

第11回 廃グリセリン量の測定
簡易測定キットを利用して、実験で得られたBDF中に残留している廃グリセリンの量を測定する。

第12回 アルコールの回収
廃グリセリンから余分なアルコールを蒸留精製によって回収する。

第13回 エコ石けん作り
廃食用油と水酸化ナトリウム水溶液を混合反応させエコ石けんを作る。

第14週 日本における再生可能エネルギーの利活用
新エネルギーと再生可能エネルギーの利活用から見えてくる持続可能な社会に向けた展望や課題について学習する。

第15週 レポート作成指導
 レポート課題をまとめ、実習を通して理解したことや意義について考察する。このとき、大量生産・消費・廃棄におけるものづくりからリサイクル社会への移行、自然循環と循環型社会についての考察も加える。