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授業科目名 生物有機化学
時間割番号 LBT204
担当教員名 新森 英之
開講学期・曜日・時限 後期・水・III 単位数 2
<対象学生>
BT
<授業の目的および概要>
生理活性を有する物質として重要な酸素や窒素を含有する有機化合物の性質や生体内機能について理解することを目標とする。酸素や窒素を含む有機化合物の分類や、それらの化学構造と性質・機能の関係について理解する。アルコールやエーテルの構造と性質について学ぶ。アルデヒドとケトンおよびカルボン酸誘導体の構造と反応のメカニズムを学ぶ。アミン類の構造・性質・反応機構を学ぶ。生体機能に関連する有機化合物の総括的な特性について理解する。
<到達目標>
1.生体成分の化学的役割を理解する。
2.酸素や窒素を含む有機化合物の分類を理解する。
3.アルコール類やアミン類の構造・物性・反応性を習得する。
4.カルボニル系化合物の構造と性質及び反応の機構を理解する。
5.生体機能に関連する有機化合物の特性を学ぶ。
<授業の方法>
講義
<成績評価の方法>
No評価項目割合評価の観点
1試験:期末期 50  %理解力と応用力を評価するために論述式、記述式試験を行う。到達目標に示した項目の基本的理解度と論理性を評価する。 
2受講態度 50  %授業中の積極性等 
<受講に際して・学生へのメッセージ>
(未登録)
<テキスト>
  1. Paula Y. Bruice (大船泰史,,香月勗,西郷和彦,富岡清 訳), ブルース有機化学概説(第3版), 化学同人, ISBN:9784759818314
<参考書>
  1. 加納航治, 基本有機化学, 三共出版, ISBN:978-4-7827-0599-5
  2. Robert J. Ouellette (高橋知義,堀内昭,橋元親夫,須田憲男 訳), ウーレット 有機化学, 化学同人, ISBN:4-7598-0914-7
  3. マクマリー(菅原二三男 監訳), マクマリー 生物有機化学(有機化学編), 丸善, ISBN:978-4-621-08282-9
<授業計画の概要>
第1回:酸素や窒素を含む有機化合物の分類
 有機化学における含酸素化合物及び含窒素化合物の構造的分類を網羅的に説明し、生理活性機能との関係を要約する。
第2回:アルコールの性質及び反応性
 アルコールの水酸基の役割について水素結合を中心に説明し、化学的物性に及ぼす影響を理解する。また、アルコールの水酸基に特徴づけられる反応を説明する。
第3回:フェノール類の構造と生理活性
 フェノール類における水酸基と芳香環との電子論的関係を理解し、特異的な構造特性を習得する。また、フェノール類の生体内反応に及ぼす効果について説明する。
第4回:エーテルの性質と合成
 エーテル結合を有する有機化合物の性質を系統的に説明する。さらに、様々な種類のエーテルを合成するための方法を理解する。
第5回:アルデヒドとケトンの命名法と性質
 アルデヒドとケトンの命名法を国際基準に従って説明する。また、カルボニル基の存在に由来する化学的性質を説明する。
第6回:カルボニル化合物の酸化還元や付加反応
 カルボニル基を有する有機化合物の酸化反応及び還元反応を説明する。また炭素と酸素の間の二重結合に起因する付加反応のメカニズムを説明する。
第7回:カルボン酸やその誘導体の命名法と性質および生体内機能
 カルボン酸の命名法を国際基準に従って説明する。また、カルボキシル基の電離等の化学的性質を説明する。さらに、生体構成成分である脂質等がカルボン酸であることを踏まえて、それらの生体内機能を分子レベルで理解する。
第8回:求核アシル置換反応
 求核剤のカルボニル炭素への反応において電子の動きを説明し、アシル基の置換反応のメカニズムを理解する。
第9回:エステルの合成および加水分解
 カルボン酸からエステルへ変換する合成法を説明する。さらに、それらの逆反応である加水分解の手法と反応メカニズムを説明する。
第10回:カルボン酸無水物やリン酸エステル
 反応中間物質となり得るカルボン酸無水物の合成法と利用方法について説明する。また、生体成分やシグナル伝達で重要なリン酸エステルの生成や性質について説明する。
第11回:アミン類の命名法と性質および生体内機能
 含窒素化合物に分類されるアミン類の命名法を国際基準に従って説明する。また、アミノ基の化学的性質に及ぼす影響について説明する。さらに、アミノ基を有するアミノ酸や神経伝達物質の生体内機能を分子レベルで理解する。
第12回:アンモニウム塩の生成と性質
 アミン類よりアンモニウム塩が生成する過程を説明する。また、アミンとアンモニウム塩との性質の違いを説明し、それらの酸塩基反応を理解する。
第13回:アミンの反応とアミドの加水分解
 塩基性を有するアミンの反応性について説明し、アミド生成の反応メカニズムを理解する。さらに、その逆反応であるアミドの加水分解の機構を理解する。
第14回:エステルやアミドの高分子化合物
 プラスチック等に関連するエステル系高分子化合物と、タンパク質やポリペプチドに関連するアミド系高分子化合物の合成・生成過程を説明する。また、それらの立体構造や特性との関連性を説明する。
第15回:総括評価
 生理活性を有する物質として重要な酸素や窒素を含有する有機化合物の特性や生体系での役割の理解を評価する。
<実務経験のある教員による授業科目の概要>
生物有機化学に関する研究実績を持ち、その実務経験を具体的例示等で生かす。